2018/11/02 22:39

 

 

Theme** Fruit Basket



吾輩は人である。ただの人間である。

芸能人でもない。モデルでもない。ミュージシャンでもない。ただの学生である。


季節も忘れたある日、
発色の良い黄緑色したイブサンローランの靴を持ってきてあの人はこう言った。
「可愛いから履きなさい」母である。
言うとおりに履いて遊びに行った。だが、当時の私は小学3年生である。
周りは女の子らしい洋服と靴。テレビで見ていたキャラクターの洋服や靴。
羨ましかった。
その一方で私は、KOSHINO JUNKOの洋服とサンローランの靴である。
それが、嫌で。嫌で。とても嫌いだった。
母が買ってきた服を着て、みんなとは『違う』同級生にはなりたくなかった。
自分で服を見つけ買うようになった。
自分の好きな服を着るようになった。流行も気にせず好きな服を着るようになった。

ふと気付いてみると、発色の良い黄緑色、青色が混ざったピンク。
昔着用していた、服や靴の色が好きになっていた。
あれだけ嫌がっていた発色のよい黄緑色を好きになっていた。
みんなとは『違う』同級生になっていた。

色が好きになった。表現や表情が綺麗だと思った。理解はされなかった。
吉田ユニの作品を見つけた。可愛いと思った。綺麗だと思った。
TOILET PAPER MAGAZINEの作品を見つけた。心がはじけた気がした。
共通するものがあった。Colorである。
今ではこの2組は私のコンセプトである。




ある人が言った、「頑張りなさい」と。誰かも忘れた。
彼らが発した言葉、《頑張る》が理解できなかった。
悩んだ。頑張るにはどうするのか。まだわからない。
ずっと悩んだ。ずっとわからなかった。

ある人が言った、「楽しみなさい」と。教員である。
彼らが発した言葉、《楽しむ》が理解できた。
ワクワクした。ドキドキした。
悩みもした。苦しかった。だが、楽しかった。
今まで経験したことのない《楽しさ》だった。
そこで理解した。《頑張る》という意味を。


私は思った、これが私のコンセプトなのだと。
色があるものこそが私のテーマなのだと。




吾輩は人である。ただの人間である。ただの学生である。
才能もなにもない、ただの人間である。

将来、何でもなる可能性がある、ただの人である。