2018/11/06 23:27

 

 

theme 庭

 

庭にいる時
五感を超えた感覚で全身が解放される
自然と調和した気分になり
私は全てを忘れ去る

人間の社会で生きていくには
沢山の仮面が必要で
分厚く重くなった仮面は肩がこる

庭にいる時
やっと重い仮面を外せる
全身が軽くなって高揚し
私は生き物であることを実感する

 

 


人間は自然の一部なのに
人工と自然は相対する言葉になった

自然はただそこにあるものだったはずなのに
いつの間にか会いにいくものになった

自然と人間の間に境目が
見えないけど確かに存在していて
都合の良い時だけその境目を無くそうとする

 


その境目が無くなればいいと私は思った
だが無くなったらどうなるのか想像できない
原始的な生活をする?
今まで築き上げてきたものは?

自然と比べれば人間の歴史なんて短いが
人間の一生と比べれば長い歴史で
築かれた社会は緻密に絡まっている

今更 境目を無くそうなんて無理な話だ
そう気付いた

 

 


自然は驚異的な力を持っていて
癒しと恐怖を人間にもたらす

人間は自然の力に敵わない
だから自然の恐怖から目を背け
自然の癒しだけ求める

人間にとっての恐怖を取り除き
都合良く再現された自然が庭

よく手入れされた庭は癒しを感じ
放置された庭は野性化し恐怖を感じる
庭は人間なしでは成り立たない

人工的な自然である庭
庭は人間と自然の狭間にいる気がした
その狭間は不確かでおぼろげで見えない
私にとって庭はそこにある

 

 

 

自然と人間の間の境目を
溶かしてくれそうな
そんな存在