はじめまして! 美術家・川上りえの新作「Landscape Will 2019」制作を応援するプロジェクトです。
北海道石狩市を拠点とする川上りえは、金属を主な素材として、これまでに日本、韓国、台北、アメリカ、フランス、ポーランド、ルーマニア、韓国など各地で精力的に滞在制作や作品発表を行ってきました。
川上りえは、「生物」「非生物」を問わず、この自然界に存在するすべてのものが、かすかな相貌の変化を私たちに示すとき、それを「生命の力」であると考えています。
“Phenomena” Year:2018
Size: W5800xD1800xH350mm, Material: Stainless steel ステンレス, Solo Exhibition “Elements of Planet 2017” at FAbULOUS (Sapporo, Hokkaido
『石や岩のように堅くソリッドな物質も、気の遠くなるような年月をかけて変化しています。その変化について、動きを伴う現象としてイメージを展開しました。展示空間の中にその感覚を満ちさせるために、大きさは重要でした。』
“Undulating Ground” Year:2018
Size: W1700xD1700xH600mm, Material: Steel 鉄, Awarded second grand prix at JR TOWER ART PLANETS, GRAND PRIX 2018 (Sapporo, Hokkaido
『大地の表情は、ゆったりとなだらかに静寂を見せる一方で、火山噴火や地震のような激しさも孕んでいます。作品”Undulating Ground”(うねる大地)では、動きを伴って隆起する大地を鉄素材によって表現することを試みています。』
最新作「Landscape Will 2019」とは
本プロジェクトの新作「Landscape Will 2019」では、今年10月にオープンした「札幌文化芸術交流センター SCARTS」2階スタジオの空間に合わせ、ステンレス版を使用し、作家にとって過去最大のスケールである幅5m×奥行き3m×高さ3mもの巨大な岩壁を思わせる2つの立体造形の制作に挑戦。大地の意思とエネルギーを感じられるようなスケール感のある情景を公開設営します。
Landscape Will 2019 Plan Drawing 01
2つの立体造形は、来場した人が穴から中に入れる構造で、内部からも作品の形、素材の表情、空間の関係を感じることができます。会場の外側からは、来場した人が形に介在している情景をスタジオのガラス越しに見てもらうことができます。
Landscape Will 2019 Plan Drawing 02
このプロジェクトで応援してほしいこと
鑑賞者が情景の一部になる本作の「生命観」を表現するにはスケール感が重要であり、通常より多くの材料費(ステンレス版と加工用の燃料費)と運搬費、製作期間が必要ですが、共感してくださる皆さんのご協力により、想い描いたイメージを実現することが本プロジェクトの目的です。
作品をリターンとする購入型のクラウドファンディングを行いますので、たくさんの温かいご支援をお待ちしています!
作家からのメッセージ!
『SCARTSの多目的空間は、天井も高くゆったりとした広さがあります。2019年3月、ここで個展を開催させて頂くことになりました。計画しているインスタレーションでは、巨大な岩壁のイメージを立体で空間に出現させます。一点から眺めるのではなく、空間の中に立ち、五感で感じ取ってほしい作品です。
このインスタレーションは、なんとしても実現させるのですが、現在予算の目処がたたない状況で制作にとりかかっています。作品を充実させるために、クラウドファンドによる支援の呼びかけをさせて頂くことになりました。限られた期間のみのプロジェクトですが、最大限にアートを発揮できるよう頑張ります。どうぞよろしくお願いします。』
個展開催概要
企画名:川上りえ「Landscape Will 2019」
展示会期:2019年3月20日(水)~31日(日) 11:00~19:00(最終日18:00まで)
公開設営:2019年3月18日(月)~19日(火)
ワークショップ/アーティストトーク/鑑賞サポート:2019年3月23日(土)
会場:札幌文化芸術交流センター SCARTS
住所:札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ2F
作家ステートメント
『私は、「生物」「非生物」を問わず、この自然界に存在するすべてのものが、そのかすかな相貌の変化を私たちに示すとき、それを「生命の力」であると考えています。
一般的にそれは「現象」と呼ばれますが、私は、それを変化と反応が連鎖する、森羅万象という総体における命の営みと受け止めています。
私たちの五感で認識出来る現象の領域は限られています。私は、目の前で認識している事態と、認識出来ない領域で起こることとの因果関係について思いを巡らせることが好きです。認識出来ない領域とは、例えば人の寿命を超越する時間の幅であったり、不可視な大きさの単位であったり、聞き取れない波長の音などです。
私は、金属の立体作品に魅了され、美術大学で金属加工技法を学びました。当初、私にとって、金属は単なる立体表現の素材でした。美術への思考を深める中で、金属、特に鉄は、私にとってもっと意味深い物となりました。
鉄は、地球を始めとする固体惑星の形成に必須の存在であり、その関わりは、宇宙の無限の広がりに及びます。また、人をはじめとする有機的生命を維持するために重要な存在です。そして、鋼としての鉄は、構造材、機能材として私たちの人類文明の発展を支えてきました。
鉄にまつわるエピソードは実に多彩です。それらを手がかりに思考を展開し、私という感性を介入させて作品を生み出します。それが私の思惟であり、美を生み出すことです。』
川上りえ 略歴
website: http://reicreatesart.wix.com/riekawa
1989年 東京藝術大学大学院修了。現在、石狩市に在住。個展、グループ展を通して彫刻、インスタレーション、インタラクティブ・ワークという形で作品を展開。札幌を中心に、海外でもアーティスト・イン・レジデンス・プログラムや展覧会を通して活動を行う。
●主な個展
2008年 "Breathing Earth” Olo Gallery (El Paso, TX, U.S.A.)
2009年 "Living Cube" The Lab (San Francisco, CA, U.S.A.)
2010年 "Illogical Movement" 茶廊法邑(札幌)
2013年 札幌芸術の森美術館中庭インスタレーション「Landscape Will -2013」札幌芸術の森美術館(札幌)/“Unlimited Life Zone” ギャラリー創(札幌)
2016年 “CAMPING NEAR THE WOOLEN MOUNTAIN.” ギャラリーレタラ(札幌)
2017年 “Landscape Will -On the Ground-“ ギャラリー門馬ANNEX (札幌)/“Elements of Planet” Fabulous Cafe(札幌)
●主なグループ展
2008年 「Art on the Green Sculpture Invitational」(Kemp Center for the Art, Wichita Falls, TX, U.S.A.) /「MJNAIP3 Creative Way」MJ ギャラリー(大邱、韓国)
2010年 「彫刻フェスタ2010 10周年記念展」中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館、北海道立旭川美術館(旭川)/「Plus 1 This Place」本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌)/「札幌資料館をArtする。」札幌資料館(札幌)
2011年 「抽象彫刻30人展̶北の作家たちー」本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌)/「まぼろしのいえ」ギャラリー門馬・ANNEX(札幌)/「さっぽろアートステージ2011」札幌駅前地下歩行空間 (札幌)/「抽象彫刻60人展̶北の作家たちー」本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌)
2012年 「札幌資料館をArtする。」札幌資料館(札幌)/「500m美術館オープニング企画展」札幌大通~バスセンター間地下道 (札幌) /「Plus1 意識の形」Artspace Purl (大邱、韓国)/「Space Abstraction II」茶廊法邑(札幌) /「交差する視点とかたち Vol.5」札幌芸術の森美術館(札幌)
2013年 「くろがねと空間 ‒見いだされる鉄-」ギャラリー門馬(札幌) /「Domani明日展」国立新美術館(東京)
2014年 「Conditional Landscape」グシュテリツァ要塞教会敷地内(Sibiu, Romania)/「Sprouting Garden 萌ゆる森」札幌芸術の森野外美術館(札幌)/「New City Art Fair」松山文創園區(台北、中華人民共和国)
2015年 「ワンワンワンッダフル!」北海道立三岸好太郎美術館(札幌)/「知覚されるアート」モエレ沼公園ガラスのピラミッド(札幌)
2016年 Daegu Contemporary Art Restival in Gangjeong(大邱、大韓民国)/「Naturally Artificial」ポエティカ(長沼)
2017年 「樽前”arty 2017 三つの展覧会」苫小牧市立樽前小学校(苫小牧)
2018年 「JR Tower Art Planets Grand prix Exhibition 2018」プラニスホール(札幌)
●助成及び受賞
2001年 石狩市による助成を受け、第10回国際タペストリー・トリエンナーレに出品参加 (Łód㶈, Poland)
2004年 フリーマン基金による第11回アジアン・アーティスト・フェローシップを受賞/同年10月よりヴァーモントスタジオセンターのレジデンスプログラムに参加(VT、U.S.A.)
2006年 文化庁の助成を受け、ロケーション・ワンロケーションのレジデンスプログラムに参加(NY, U.S.A.)
2007年 ボーダー・アート・レジデンシーの滞在作家に選抜され、レジデンスプログラムに参加(NM, U.S.A.)/招待作家としてテキサス・エルパソ大学に在籍(TX, U.S.A.)/MJギャラリーの助成を受け、韓国大邱市に滞在、「MJNAIP3 Creative Way」 展覧会に出品(韓国、大邱)
2012年 札幌文化奨励賞受賞(札幌)
2014年 S-AIR AWARD を受賞し、ブルーケンタール基金の助成によりシビウでのレジデンスプログラムに参加(Sibiu, Romania)
2018年 「JR Tower Art Planets Grand prix Exhibition 2018」準グランプリ受賞(プラニスホール、札幌)
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