▼はじめにご挨拶
はじめまして!
久高島青年団の団長をしていますウミンチュの西銘幸太です。
カミンチュ(神人)として島の祭祀につとめる西銘亜希です。
私たちが住んでいる久高島は、沖縄本島南部知念半島の東約5.5kmの先に浮かぶ、周囲約8kmの細長い小さな島です。
久高島は「神の島」と呼ばれ、琉球の祖神アマミキヨが初めて降り立ち、島創りを始めたとされる島でもあります。また五穀発祥の聖地で琉球王府とのつながりが深く、ここから豊かな沖縄の歴史が始まったとされます。
祭祀行事は年に30ほどありまして、基本的に一般の方は立ち入り禁止ですが、旧正月のシャクトゥイ(酌取り)と旧暦の8月10日から行われる八月マティという神事は一般の方も見学ができます。
最近では、久高とも縁の深い琉球王国最高の聖地「斎場御嶽」が世界遺産になったことから、そこから遠くない久高島にも観光客がどっと増えるようになりました。この島は特に目立った施設はありませんが、久高に来ると「癒される」という観光客は多くてリピーターもけっこういます。
▼このプロジェクトで実現したいこと
そんな島で私たちは、新たな観光サービスの取り組みとして「久高のシマ時間」というグランピングサイトを事業として始めることになりました。
当初は、既存の久高キャンプ場の利活用について島の会議でも度々話題になりましたが、利用者のマナーや施設の老朽化、また管理の問題があってうまくいきませんでした。そこで今後の利用を検討しているなか、新たに施設を開発せずに、しかも若い人の仕事を創るという視点で、このプロジェクトが事業化しました。
「グランピング」と聞くとゴージャスな贅沢キャンプというイメージがありますがここではちょっと違います。
島人の名所案内の後に、ありのままの自然の中で、目に見えぬ神聖な歴史や文化に思いをはせながら、島の食材と自然を味わい、ゆったり島時間を過ごせるデイキャンプです。観光客の皆さんが島をただ周遊するだけでは味わえないこの体験はある意味、希少価値の高い贅沢なサービスになりうると考え、まずは3棟を用意しました。
とれたての島食材を活かした料理も工夫し、毎日が限定料理です。
例えばこの日のメニューは、オードブルに「島バナナのソテー」「久高島産 豆のトマト煮」「オリオンビールと黒糖の島やさいピクルス」「黒あわび茸とじゃが芋のソテー」「人参のラペ」。
そして「島やさいのサラダ」に「サクナのショートパスタ」
「いまいゆのレモングラス蒸し」「島豚のはちみつスパイス」「みなもとや(久高島のある南城市の有名店)のガーリックトースト」を用意しました!なかなかの好評でした。
▼プロジェクトをやろうと思った理由
とはいえ、沖縄に前例のない観光サービスであり、今回ゼロから始めたチャレンジですので、運営にはなかなかの人的パワーと費用がかかることが改めてわかりました。そこで今回、グランピングの運営継続の資金としてご支援の応募をさせていただきました。
私たちが久高島でこのような取り組みを起こした意図には、島の伝統文化を途絶えさせたくない、今の素朴な暮らしを大切にしたいという切実な願いがあります。先ほど述べたとおりグランピングでは「ありのままの⾃然の中で、⽬に⾒えぬ神聖な歴史や⽂化に思いをはせる時間」を観光客の皆さんにもぜひ味わってもらいたい、というのがあります。ただその前に、私たちは久高の今をもっと皆さんに知ってもらえるよう発信しなければなりません。
島の特徴を大まかに説明しますと、久高では現在147人が暮らしていまして、私たちのような県出身の20代から30代は5名しかおりません。交番はありません。信号もありません。診療所はあります。子供たちは島のみんなに大事にされます。学校は小中までで、中学を卒業すると島を出ることになります。
島の南側に集落があり石垣に囲まれた民家が立ち並びます。たくさんの猫が歩いています。聖地がいくつもあり、土地はほぼ全てが島の共有地で、個人で土地を所有することはありません。与えたれた畑では野菜を育てています。僕(幸太)は魚をとったりモズク漁もします。
久高の伝統漁に400年以上前から行われているイラブー漁があり、現在は福地洋子さん(78歳)と古波蔵節子さん(75歳)の2名が従事しています。久高ではこの海蛇を神聖な生き物として真っ暗闇の夜に道具を使わず手づかみで捕獲。その後、一週間ほどかけて燻製にしたそれは滋養強壮の薬膳として品質が高く、かつては琉球王府への貢納品にもなりました。
島を歩いていると海の音、風の音がよく聞こえます。島の多くが緑に覆われていますがそれは単なる原生林ではありません。一木一草、神聖な島の命として受け止められ、石ころひとつでも島外に持ち去ることが禁止されています。
おじぃもおばぁ、子どもたち、みんなが自然に感謝しています。先祖から受け継いだ伝統文化を守り、互いにいたわり合って、素朴で穏やかに暮らしています。12年に1度行われてきたイザイホーは残念ながら後継者不足で1978年を最後に途絶えましたが、それでも現在実施している行事は年に30ほどあります。
そんな久高島に多くの観光客が関心を抱いてくれることはありがたいのですが、一方で心配なこともあります。それは島の人でも立ち入りを禁止している聖地に足を踏み込んだり、神聖な海岸で泳いだり、聖地にモノをつくって置いたりと、島の人にとって穏やかでないことが時々起こり、心痛める島民も少なくないからです。久高はリゾート地ではなく静かな生活の場ですから、集落を上半身裸で歩いたりすると子をもつ母親も不安を感じます。
私たちは島の先輩たちが昔から大切にしてきた聖域や伝統行事、自然に対する畏敬や感謝の心をこれからも大切にしたい。そのことを観光客にもご理解いただき安心して来てもらうにはどうすれば良いのか。しかも島に戻る若い人たちが増え、安心して子育てができて、伝統行事や文化を守っていくにはどうすれば良いか。久高では今、南城市と一緒に真剣に考えているところでして、その一環でグランピング「久高のシマ時間」が生まれました。
また現在、久高島の伝統文化と素朴な営みが見えるカルチャーブック「黄金の種〜神の島・久高島〜」という本を作っています!(B5判・全28ページ・12月下旬発行予定)。先ほどお話したイラブー漁や見学可能な二つの神行事を紹介し、琉球文化との深いつながりや島の心をお伝えできればと思っています。まだ途中ですが少しだけお見せしますね。
沖縄の伝統文化や離島の素朴な暮らしに興味ある方、ゆったり流れる時間の中で癒されたい方にぜひ!この本をご覧いただき、グランピング「久高のシマ時間」で島を丸ごと体感して欲しいです。久高の良さを多くの人と共有できたら、私たちも続けてこの島に合った観光サービスを、島の若い人が戻りやすい環境づくりを頑張れます!
▼ご支援いただいたお金の活用方法
グランピング実施に係る経費および、久高島に戻りたくても仕事が無くて戻れない若者を雇用する資金の一部として活用させていただきます。
・新規スタッフの人件費
・グランピング機材メンテナンス費用
・倉庫用コンテナ
・グランピング実施に係る諸経費(食材・水道光熱費・キッチン借用費など)
▼リターン(寄付の返礼品)について
・お礼のメールおよびカルチャーブック「黄金の種〜神の島・久高島〜」
・私(西銘幸太)も所属する知念漁業協同組合のもずく6kg
ご友人やご親戚へのおすそ分けしやすいように、袋やレシピも添えて発送します。
・グランピング「久高のシマ時間」
クラウドファンディングでご支援いただく方への感謝を込めて、通常料金よりお得な料金を設定いたします。また、私、西銘幸太による久高島の案内もさせていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
皆さまのご協力、どうぞよろしくお願いします。
最新の活動報告
もっと見る[残り1日]多くの方にご支援いただき、支援額も120万円を超えました。ありがとうございます。m_m
2018/12/16 08:28クラウドファンディングも残すところ、1日となりました。これまで予想以上の反響をいただき、感謝申し上げます。リターンの品は、クラウドファンディング終了後に支援者の皆さまに発送します。また、グランピングをご購入いただいた皆さまには、お礼メールと共に日程のご希望をヒアリングさせていただきますね。クラウドファンディングは、本日12/16 日 23:59まで、最後まで応援いただけると幸いです! もっと見る
いよいよ残りも後6日!!
2018/12/11 10:23残りも後6日となりました。これまで沢山の方々にご支援いただきありがとうございます。久高島に流れる島時間。久高の人は皆島は何もないよー、と言いますが。何もない島だからこそゆっくりとした時を、そして体感し得られるものがあると思います。他とは違うこの島のことをもっと多くの方に知ってもらい、グランピングでのゆっくりとしたシマ時間をより多くの方に、感じていただきたいです。 もっと見る
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