"今もなお脈動する火の山・阿蘇の力強い大地に育まれ、自然の激烈な生存競争で生き残った生命力あふれる薬草をいただき、民間薬草研究家・井澤敏の指導のもと、古来より伝わる知恵と現代の技術を合わせて、健やかな心体を養い保ち未来へつなぐお手伝いをしています。”(阿蘇薬草園HPより)
「阿蘇薬草園」(熊本県)は民間薬草研究家である井澤敏さんが平成2年に開園した薬草園です。山で育てた薬草を工場で加工し、薬草茶、ハーブティー、薬草飴といった生産物を店舗で販売しています。一般向けに薬草教室や講座も開いており、近年では特に健康志向の若い女性たちから非常に人気を集めています。
開園当初から井澤さんが掲げているモットーは「農薬NO(使用しない)・化学肥料NO(使用しない)・草取NO(草は取らず刈り倒し他の植物と共存)」の「3NO主義自然農法」。ヨモギ、オオバコ、カキドオシをはじめとした和の薬草、それにブラックペッパーミント、アップルミント、レモングラスといった洋のハーブなど、約50種におよぶ薬草・薬木を育てています。
もともと南阿蘇村で工場、店舗(物販・飲食)、体験講座を運営していましたが、平成20年、工場の乾燥機からの出火が原因で自宅も工場も店舗も、全て失ってしまいました。その時に、平成9年に井澤さんが自費出版した書籍『先人達の知恵 薬草・薬木の家伝秘伝』の在庫と元データも失ってしまいました。
火災時に大量の煙を吸ってしまい、心筋梗塞で入院した井澤さん。身体的にも精神的に大きなショックを受けた被害でした。それから約半年後、脳梗塞で倒れ、井澤さんは左半身不随になり、言葉も出ない、手も足も全く動かせない身体障害者に認定されました。
しかし朦朧とした意識の中で、
「自分は人々の健康のために民間薬草文化を広めるんだ。自分がやらなくちゃいけない」
と決意。薬草やリハビリのおかげで、自分で歩き、車を運転し、講演会を開くことができるようになるなど、奇跡的な回復を遂げました。
無事退院し、気持ちを新たに阿蘇薬草園を再建しました。ところがその8年後、今度は平成28年、熊本地震で山が崩落。自宅、工場、店舗もろとも再び全て失ってしまいました。2度目のショックは更に大きく、薬草園の山全体も失うこととなり、井澤さんは突然の心不全、心筋梗塞、被災生活による疲れも重なり、半年間で4回の入退院を繰り返すこととなります。
これにより薬草の収穫・商品の製造は制限され、好評だった炭火焼食処や教室・講座は閉鎖を余儀なくされました。園内は土砂崩れのため立入りが規制され、家屋は既に取り壊されています。たった8年の間に2回も被災し、たくさんのものを失ってしまいました。被災からの復興のため、ようやくとりかかろうとしていた書籍の再販計画がますます遠のいてしまいました。
しかしそんな状態でも井澤さんは諦めませんでした。薬草の力に頼りながら心と身体を整え、平成29年に3度目のスタートを切ります。今度は、新天地として阿蘇の原点ともいえる「阿蘇神社」が鎮座する地に「阿蘇薬草園」を移設することになりました。現在、圃場(ほじょう:農産物を育てる場所のこと)を阿蘇市に移し、薬草・薬木を移植する作業を進めつつ、これまで培ってきた集大成をもとに、薬草の生産体制を見直し、阿蘇を中心に拡大化、生産から販売までを安心・安定して行える仕組みづくりを進めています。
井澤敏さんは昭和18年、熊本県東区戸島町に生まれました。現在75歳です。生まれつき体が小さくひ弱だった井澤さんは、幼少期から祖母に預けられて育ちました。アレルギー体質で、風邪をよく引き、中耳炎で左耳が全く聴こえず、ひどい喘息を患い、「いつ死んでもおかしくない」という状態でした。
そんな井澤さんが病に負けず今日まで生きてこられたのはほかでもない「薬草」のおかげでした。いつも祖母と一緒に行動していた井澤さんは、祖母と近所の人たちの井戸端会議で漬物や薬草の話をよく聞かされていました。腹痛や下痢にはゲンノショウコが良いだとか、漬物の美味しい漬け方だとか、そういった「おばあちゃんの知恵袋」のような話です(井澤さんの中耳炎の耳垂れはヨモギとユキノシタという薬草で治すことができました)。
自然遊びが大好きだった井澤さんは、薬草の話になると耳を傾け、薬草の効能・効果を少しずつ覚えていきました。4〜5歳から山に入るようになり、7〜8歳になる頃にはナイフと塩は常に持ち歩き、山で薬草や木の実を採取するほか、ヤマドリやキジなどの鳥を罠で捕まえて山で焼いて食べていました。生きるために必要なことはすべて山から教わって生きてきました。高校卒業後、井澤さんは国鉄に勤めていましたが、やはり薬草文化への興味は尽きず、平成2年から本格的に薬草文化の普及活動を始めました。こうして始まったのが先述の「阿蘇薬草園」です。井澤さんは人生の大半を民間薬草文化の研究・普及に捧げてきました。
井澤さんが平成9年に自費出版した書籍『先人達の知恵 薬草・薬木の家伝秘伝』は、長年の研究成果の集大成と言える1冊です。約250種におよぶ薬草・ハーブの効能を紹介したり、薬草の使い方を「飲・食・浴・塗・洗」という5つの切り口から紹介したりしている、いわば薬草の入門書です。非常に実践的で”使える一冊”となっています。今回のプロジェクトでは従来の内容をよりわかりやすく再構成し、タイトルや装丁なども再考した新装版として出版したいと考えています。心と身体の問題に悩む人たちにとって、この本が何かヒントになると幸いです。
なお今回のプロジェクトを進めるにあたり、編集制作・出版を手がけている「株式会社未知の駅」(代表・諫山三武)が実務面(クラウドファンディングと編集作業)をサポートいたします。
※編集者・諫山は2018年9月9日、東京で行われた薬草の講演会で井澤敏さんと初めて出会いました。心と身体に癒やしをもたらす「薬草」のスペシャリストである井澤さんの活動理念、そして被災で本を焼失した経緯などを伺い、なにか自分にできることはないかと考え、今回のプロジェクトを応援させていただくこととなりました。
制作スケジュールは下記の通りです。
(2018年)
11月24日 プロジェクト発足、井澤敏さんとの打ち合わせ@熊本
12月15日 クラウドファンディング立ち上げ準備開始
(2019年)
1月上旬 クラウドファンディングスタート
編集作業開始
5月上旬 校了・印刷へ
6月20日 一般販売開始(予定/版元は株式会社未知の駅)
今回のクラウドファンディングでは120万円を目標金額としています。使い道は書籍1500部(予定)の印刷費用とイラスト・装丁・DTPなどにかかる実費です。※2019年6月頃の出版を予定していますが、作業状況によっては遅れる可能性もありますのでご了承ください。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。支援額に応じて、完成した書籍や阿蘇薬草園の商品などをリターンとしてお届け致します。詳しくは下記をご覧ください。
【各コースのリターン早見表】
【コースごとのリターン内容】
【各リターンの商品説明】
【気分爽快茶】内側の浄化&強化で気分爽快な毎日に
阿蘇を中心に農薬・化学肥料を一切使わず栽培した阿蘇とうきび(とうもろこし)と、阿蘇地方で昔から「体質改善」や「健康維持」に使われてきた野山の植物=山草16種類を厳選し、バランス良く配合したノンカフェインのブレンド茶。
飲みやすさと実感で阿蘇薬草園No.1のリピート率を誇る、平成元年の発売以来30年のロングセラー商品です。赤ちゃんや妊婦さんにも安心してお飲みいただけます。 ※効果・効能には個人差がございますことを予めご了承ください。
【ハーブティー[集中力アップ]】ローズマリーの香りで気分転換
仕事の息抜きや勉強のひと休みに、すっきりとしたローズマリーの香りで気分転換できるハーブティー。煮詰まった時や集中力を高めたい時など脳内を再起動したい方、心的疲労で気力が低下している方にオススメです。阿蘇を中心に農薬・化学肥料を一切使わず栽培したハーブをティーバッグに詰め込みました。お湯を注ぐだけで簡単に阿蘇の大自然が味わえます。 ※効果・効能には個人差がございますことを予めご了承ください。
【書籍】民間薬草研究家・井澤敏氏の長年の研究の集大成!
本プロジェクトで再版させたいと考えている薬草の入門書です。1997年に井澤さんが自費出版した『先人達の知恵 薬草・薬木の家伝秘伝』をもとに新装版を出版します。薬草の使い方を「飲・食・浴・塗・洗」といった5つの切り口から紹介するほか、薬草の効能を解説します。
【阿蘇薬草園 詰め合わせセット】いろんな薬草が楽しめるスペシャルセット!
阿蘇薬草園の人気ラインナップである「気分爽快茶」に加え、阿蘇山草茶パウダー(阿蘇を中心に農薬・化学肥料を一切使わず栽培・採取した山草が、すべてまるごと摂れる粉末タイプ)、阿蘇レモングラスほうじ茶、阿蘇ピュア紅茶[ストレート]、薬草のど飴を詰め合わせセットとしてお送りします。 ※効果・効能には個人差がございますことを予めご了承ください。
【工房ゆう お茶呑みセット(急須 1点/湯呑み 2点)】
粘土に阿蘇産出の粘土と阿蘇黄土(リモナイト)を混ぜ、釉薬に阿蘇草原のススキの灰を使用した、急須と湯呑みのセットです。阿蘇黄土は阿蘇カルデラに堆積した鉄分豊富な土で、水を浄化する能力が高いため、淹れるだけで美味しいお茶がいただけます。ススキの灰の釉薬により美しい青緑色に焼き上がった器で、阿蘇の風薫るティータイムをお楽しみください。
今回、私の本『先人達の知恵 薬草・薬木の家伝秘伝』の改版及び出版をするために諫山さまより心温まるご提案、改版のあり方などご教授いただきまして「私の夢」を叶えるためにご尽力いただき心から感謝いたしております。今後も薬草文化を伝え残していくため精一杯頑張ってまいります。応援の程宜しくお願い致します。(井澤敏)
最新の活動報告
もっと見るその後の報告(2)刊行記念トークイベント@熊本のお知らせ
2020/01/09 19:34いよいよ来週、1/17に『薬草仙人の手帖』全国発売となります。発売日にあわせて、刊行記念トークイベントを蔦屋書店 熊本三年坂にて開催予定です。予約不要・参加無料のイベントですので、当日ご都合がつく方は気軽にお越しください。下記詳細です。書籍『薬草仙人の手帖』刊行記念トークイベント「心と体の悩みを原点から考える」 薬草仙人・井澤嵯壽による『薬草仙人の手帖』出版を記念してトークショーを蔦屋書店 熊本三年坂にて開催いたします。本書は「薬草って何?」という素朴な疑問から、採取・栽培、さらに「飲・食・浴・塗・洗」の薬草の5つの使い方まで、初心者にもわかりやすく解説する、民間薬草療法の入門書です。今回は家庭で誰でも実践できる民間薬草の使い方についてお話します。 【イベント詳細】日時:2020年1月17日(金) 17:30開場/18:00開演(約60〜80分で終了予定)会場:蔦屋書店 熊本三年坂1階イベントスペース 〒860-0801熊本県熊本市中央区安政町1-2主催:株式会社未知の駅 info@michinoeki.me(担当:イサヤマ) 予約不要・参加無料です。気軽にお越しください。 もっと見る
その後の報告(1)
2020/01/06 10:36新年あけましておめでとうございます!昨年は皆様のご協力のおかげで、無事クラウドファンディングのプロジェクトを達成し、書籍『薬草仙人の手帖』を出版することができました。本当に感謝です。ありがとうございました!さて、いくつかご連絡がございます。(1)リターンの発送について活動報告やメッセージでもお伝えさせていただきましたが、書籍のリターン発送は2019年12月20日に完了いたしました。事前に住所変更の旨をお伝えいただいた方につきましては、新しい住所にお送りさせていただきました。発送後、1〜2件ほど住所が確認できず返送されてきたものがございましたが、これらについては、ご本人に確認後、再送させていただきました。もしこの他、書籍の受け取りが確認できていない、あるいは書籍に何らかの問題があった(落丁など)場合は、遠慮なくお申し付けください。早急に対応させていただきます。(2)書籍の発売について一般書店での全国発売は2020年1月17日を予定しております。もし身のまわりの方で、本書に興味がありそうな方がいましたら、「こんな本があるよ!」と、ぜひ本のことをお伝えいただけると幸いです。まだまだ世に知られていない本なので、皆様にご協力いただけますと大変心強いです!【Amazon.co.jpでの商品ページはコチラ】https://www.amazon.co.jp/dp/4991102006/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_kHOeEb3CKABJB発売後、Amazonレビューが書けるようになります。ぜひみなさまの率直な感想を投稿していただけますと幸いです。またAmazonレビューのようにネットで公開されるのはちょっと...という方は、ぜひcampfireのメッセージ機能か、あるいはメールにて編集担当・諫山までお送りいただけますと幸いです。皆様からのご意見、お便りが、また今後の活動の支えになっていきます。心よりお待ちしております!※campfireのプロジェクト自体は終了しましたが、今後も書籍『薬草仙人の手帖』の動向をこちらで報告させていただけたらと思います。今後ともどうぞよろしくお願い致します!諫山三武 もっと見る
発送完了しました
2019/12/20 15:15パトロンの皆様へこの度は「火災と熊本地震に負けない!被災で失った薬草の本を復活させるプロジェクト」をご支援いただきまして、誠にありがとうございます。担当の諫山です。さて、大変長らくお待たせしていました書籍『薬草仙人の手帖』ですが、B〜Fコースでご支援いただいた方々に向けて、昨日・今日(12/19、20)で発送作業を完了いたしました(都内ではもう到着しているところもちらほらあるようです)。12/16までに住所変更の希望をお送りいただいた方には、お伝えた頂いた新しい住所の方に書籍をお送りしてあります。もし今日から1週間経っても到着が確認できない場合は、大変お手数ですが、メッセージにてご一報いただけますと幸いです(何らかの手違いで、発送が遅れていたり抜けていたりする可能性がございます)。また落丁・乱丁など初期不良の品物や、その他、何らかの手違いかと思われるミスなどがございましたら、これもすぐにお取り替えいたしますので、どうぞ遠慮なくお申し付けください。最後に、約1年がかりのプロジェクトとなってしまいましたが、今回のリターン発送をもって、クラウドファンディングを終了とさせていただきます。皆様のご協力に大変感謝いたします。本当にありがとうございました。それではどうか2020年も良い年をお迎えください。皆様の健康と今後のご活躍を心よりお祈りしています。2019年12月20日 諫山三武 もっと見る
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