六本木「文喫」いってきました。
入場料1620円の本屋。コーヒーと煎茶は飲み放題。
先週、ウチノ食堂藤蔵のイベントの時のフレーズ、「じかんどろぼう」を思い出しました。
「良質な時間を盗まれたい。」そんな人のための本屋だなと思いました。
そんな空間で、コウメイさんとトークしてました。
かえるライブラリーの仕組みについて。
「なぜ、かえるライブラリーなのか?」
そんなことをあらためて考える時間になりました。
「かえるライブラリー」は場であり、プラットフォームで、特に20代~大学生、高校生とのコミュニケーションに有効な手段であると思います。
場所としては、基本的には、福岡・福津・津屋崎のように、地域に本屋・古本屋が無くて困っている本屋空白地域に本屋をつくりたいという人が「本屋やろうぜ」と本屋を始めるのを想定していますが、
1 不動産屋・旅行代理店など、お客さんがくればくるほど潜在的な顧客になる場を運営している人
2 分譲・賃貸マンションの共用部分など、地域コミュニティの拠点として生かしたいという人
3 大学や大学サテライト(地域)キャンパスなど、地域と学生の接点をつくりたいという人
このような場を持ちたい、またはすでに経営・運営してる人にとっては、
「かえるライブラリー」は有効であると考えます。
「かえるライブラリー」の特徴は、
1 「かえる券」の発行で若者に本を届けやすい
2 私設図書館と違って、本が入れ替わる
3 「本屋(的空間)をやりたい」という人がスタッフになってくれる
の3つが挙げられます。
コウメイくんと話したことは以下のような感じです。
1 「かえる券」の発行で若者に本を届けやすい
地域にはプレイヤーが必要で、地域に大学が無い場合は、高校生以下にアプローチするしかない。その時にコミュニケーションの方法はなかなか難しい。
「かえる券」で本を買い、本を通じてコミュニケーションが起こることで、中学生高校生が地域のプレイヤーになっていく。そんなことをイメージしています。
それは東京・練馬の「暗やみ本屋ハックツ」のように、
中学生高校生にとっても、新たな世界の獲得につながっていくと思います。
2 私設図書館と違って、本が入れ替わる
本文中にも少し書きましたが、私設図書館の「賞味期限」問題があります。最初は面白がって人は集まってきますが、だんだんと気になる本を読みつくし、停滞していく傾向があります。
それは、本が入れ替わらないから、何よりも「本を捨てられない」から、そういうことになっていくのかと思います。
かえるライブラリーは、基本的には「販売すること」を前提に値段を付けて、本を置いてもらいます。(もちろん非売品もあってもよいのですが)
その際に、申し込み用紙などに、「1年後には本を引き取りに来る、または処分することに同意する」というチェック項目を書いてもらうことで、1年後まで動きがなかった場合、運営側の判断で、その本を外すことができるようにしておくこと。
これは、非常にささいなことにように見えますが、場に与える影響は非常に大きいと考えます。入れ替わらない本棚は、場にマイナスの影響を与えてしまうこともある、とツルハシブックスでの経験からも思います。
3 「本屋(的空間)をやりたい」という人がスタッフになってくれる
ツルハシブックスは、「店員サムライ」という仕組みに支えられていました。お客さんとして本屋に来た人を、「店員やらない?」と言って、店員に誘うのです。
劇場のような本屋ではなく、本屋のような劇場を目指していたツルハシブックスは、本屋という「舞台」で「店員サムライ」という「店員」役が「お客」役の人と演じる、一期一会の演劇だったのです。
本文中にもありますが、キャッチコピーは
「気がついたら私も、本屋という舞台の共演者になっていました」でした。
そして、「店員サムライがなぜあれだけモチベーション高くやれたのか?」と聞かれることがあります。
それはおそらく、バンドをやるように、本屋をやることが芸術活動、表現活動に近かったからではないかと思います。
スタッフは半年ごとにミーティング合宿「サムライ合宿」をしていました。それは、新潟市から始まり、県内5か所くらいのカフェをハシゴしながら新潟県を北上し、新潟最北の村上市に宿泊するというものでした。
合宿のコンテンツは、以下の通りです。(1ターム90分くらい)
1 自らの人生の振り返り(ワークシート→発表)
2 ここ半年くらいで行ったよかった場所の確認(チューニング)
3 本屋であった名シーンの確認
4 未来日記(1~5年後の日付を設定して日記を書く)
5 「顧客」と「提供価値」の言語化(誰に何を届けるか)
そして
6 来季の計画、具体的やることの確認
という流れで行っていました。
午前中2ターム午後は3ターム。
ランチは2人1組でペアランチで1ターム目を深掘りするようなランチにしました。
振り返って重要だと思うのは、
やはり、「チューニング」の時間を多くとっていたということだと思います。
未来を描く前に、その人のバックボーンと感性を確認できるのがよかったのではないかと。
劇場風に言えば、
これから僕たちはどんな演劇をつくっていくんだっけ?
バンド風に言えば、
これから僕たちはどんな音楽をつくっていくんだっけ?
を確認するっていうこと。
だからこそ、表現活動としての本屋があったのではないかと思うのです。
ツルハシブックスのように、地域で若者を含めてチームを組んで
「かえるライブラリー」を運営できたら理想的だなと思います。
もし、以下のような案件がありましたら、ご紹介ください。
〇本屋空白地において、本屋やろうぜ、って言いたい人
1 不動産屋・旅行代理店など、お客さんがくればくるほど潜在的な顧客になる場を運営している人
2 分譲・賃貸マンションの共用部分など、地域コミュニティの拠点として生かしたいという人
3 大学や大学サテライト(地域)キャンパスなど、地域と学生の接点をつくりたいという人
バンドを組むように本屋をやり、本棚を組む。
そして、「本」と「人」を循環していく仕組みをつくる。
そんな表現活動のあるまちに住みたいなあと僕は思います。
本屋、やろうぜ。