阿曽哲央(あそ てつひろ)さん[宮城県仙台市出身]
工藝の館で仕事をされている辻さんのお弟子さんに
お話を聞かせていただきました。
コンコント 木地師を志した経緯は?
阿曽さん 仙台で漆器とはまったく関係のない仕事をしていて、
週に一回程度宮城県の鳴子に行き、漆に触れる機会を
持っていました。
漆に触れる中で、自分でもうつわを挽いてみたいと思うようになり、
ろくろを挽く技術を身につけるため、山中に来ました。
コンコント どうして木地師を選んだのですか?
阿曽さん ここ山中では木地屋さんがいて、下地塗り屋さん、
上塗り屋さん、さらに豪華にするときは蒔絵屋さんが加飾します。
仙台でやっていたときは、他の産地で木地を挽いてもらった
ものに漆を塗るという感じだったのですが、
今の時代それではダメだと感じたんです。
ゼロから完成まで手がけられるようになりたいと思い、
木地を挽く勉強をするためこちらに来ました。
コンコント どうして工藝の館で修行することにしたのですか?
阿曽さん 工藝の館には辻先生から「うちに来ないか」と言われ、
去年から工藝の館でやらせてもらっています。
とにかく与えられたことはしっかりとやるように
してきました。
最近は木地挽きしたものを辻先生に直される箇所は
だんだんと少なくなってきています。
コンコント 辻先生はきびしいですか?
阿曽さん きびしいです。
でも、とりやえずやらせてくれて、辻先生は黙って
見ていてくれるのが有難いですね。
その都度いろいろ言われるといやになってしまうと思います。
コンコント そうですね、それは嫌ですね。(笑)
これからの木地師としての目標はどのように設定してますか?
阿曽さん いちからじゅうまでうつわを自分で作ってみたいですね。
お客さんからの要望を聞いたうえで、
木地を挽いてみたりもしたいです。
まだまだ仕事をやる上で見えていない部分が
たくさんあると語る阿曽さん。
お客さんに喜んでもらえるうつわをつくるには
日々精進するしかないのですね。
阿曽さん、お話いただきましてありがとうございました!