竹本尚子さん[奈良県出身]
コンコント 山中にあるろくろ技術研修所にはどういった経緯で入りましたか?
竹本さん 刳物(くりもの)をやってみたいと思い、
ろくろ技術研修所に入りました。
やりたいことがあったら、いつか飛び込んでみよう
と心に決めていました。
いつしか、刳物をやりたいという気持ちが湧いてきたのですが、
なかなか決心がつきませんでした。
ここに来る前は介護の仕事をしていたのですが、
そこの職場のひとが
「行かないで後悔するより行って後悔した
ほうがいいんじゃない」
と言って、背中を押してくれました。
でも、こっちに来る前は2年で帰って、
また普通に働くつもりでいました。(笑)
コンコント そうなんですか。(笑)
こちらに来られて今、何年目ですか?
竹本さん 4年目です。(笑)
コンコント 研修所に入って最初の印象はどんなかんじでしたか?
竹本さん 木地師は刃物さえも自分で作らないといけないのですが、
それを研修所に入って初めて知ったときは、
「大変なところにきてしまったな・・・」
って思いました。(笑)
そもそも自分がつくった刃物でものが削れるということが、
今までの感覚としてなかったです。
コンコント そんな状況の中でも現在までやって来られたのですね。
竹本さん そうですね。
でも、未だにわからないことがありますし、
なにがダメなのかもわからないこともあります。
わからないからこそ、続いてきたのかもしれないです。(笑)
コンコント この土地の暮らしはどうですか?
竹本さん 私が生まれたところはニュータウンと呼ばれるような
新しくできた団地でした。
土地に根付いた暮らしがないような場所なので、
ひととひととのつながりがうすかった気がします。
そんな環境で育ってきたので、こっちに来て
ご近所付き合いの濃さに驚きました。
町の祭りになぜ、そこまでがんばるのかと
思ったりもしましたね。(笑)
こんな世界があったのかと、びっくりしました。(笑)
コンコント 日本といえどもそんなに住む環境で文化が違うんですね。