パトロンさまへのリターンのお品として辻さんに木地挽きして
いただいた汁椀の木地に漆を塗ってもらっています。
拭漆という工程で、拭漆を専門にやっている関さんにお願いしました。
はじめに刷毛で漆をまんべんなく木地に塗りこみます。
そのあと、余分についた漆を紙で拭きとっていきます。
関さんが汁椀の木地を手にとって、
「これはどこで挽いた木地なんですか?」
と聞かれました。
辻さんが挽いた木地だと私が答えると、
「やっぱり違うね。木目もきれいだし」と。
木地を扱い慣れているひとはすぐに違いがわかるみたいです。
辻さんにはすばらしい仕事をしていただいてるみたいで
有り難いです。
拭き終わったあとは乾かしていきます。
実は、乾かすという表現は漆のことを語るにはおかしな表現なのです。
正確には固化という言葉が正しいのです。
漆に含まれる酵素の働きで漆は固化します。
湿度が高いほうが漆は固化しやすいため、写真のような室(ムロ)と
呼ばれる大きな木の棚に並べていきます。
なんだか不思議な天然素材ですよね。
今月中には完成して、皆様のもとにお届けできる予定です。
お待たせしておりますが、あともうしばらくお待ち下さいませ。