皆様こんにちは。
フヂイエンヂニアリングの小林です。
クラウドファンディングの募集期間は終了しておりますが、引き続き、前回のサポーター紹介をさせていただきたいと思います。
今回は私がずっと取り上げたかった、Sunameriユーザーの黒部さんのことを書かせていただきます。というのは、黒部さんのおかげで、Sunameriという乗り物の特性の一部が洗い出され、理解が深まったという経緯があったからです。
今回のお話はSunameriのマイナスイメージに繋がる可能性があります。
ですが、包み隠さず皆様に正直にお伝えできればと思います。
その上で、Sunameriという乗り物と楽しく付き合っていただきたいという気持ちでおります。
インタビューのお願いをしたところ、愛車のちゃちゃも号と一緒にご来社くださった、黒部さん。ちゃちゃもくんは、三重県松阪市のゆるキャラで、松阪牛と松阪茶がモチーフとなっています。ちゃちゃもくんがあしらわられたナンバープレート,とても可愛いです(^^)
黒部さんは長年、個人的に車の改造をされています。
(黒部さんのYoutubeチャンネル: 背中ごしにSUBARU-ENGINE)
分からないことがあるとネット等で調べたりする中で、当社の藤井のSNSを見つけ、個人的にコンタクトを取ってくださったのが始まりでした。
以降、当社に何度も足を運んでくださっている、フヂエンと非常に繋がりの深い方です。
そんな訳で、Sunameriの開発に着手した当時より、SNSを通してその様子を見守ってくださっていた黒部さん。
藤井の投稿に「買います!」というコメントをつけてくださり、その1年後に約束通り第一回クラウドファンディングにてご購入くださいました。
当初は10万円台後半~20万円台の価格帯になるはずだったSunameriが、こだわり過ぎてしまった結果(笑)、クラウドファンディング価格36万になってしまったにも関わらず、ご購入くださいました。ありがとうございます。
でも開発の経過を見てくださっていた方に、こうやってご購入いただけるのは、当社としてもとても嬉しいことです...
実のところ、第一回のクラファンは台数限定のテスト販売でした。
当社にてできる範囲の走行テスト・安全テスト等は行いましたが、公道で走る中で実際にユーザーの皆様がどのように感じられるか、といったところは未知数な部分ではありました。
そのためページ上でお断りさせていただいた上で、フィードバックをいただくことを前提に販売を行いました。
黒部さんに初めて実物を見た時の感想を伺うと、
「思っていたより大きいなと感じました。」
初めての乗り物だったので、想像していたものと違う部分も多かったようです。
納車後から黒部さんはフル装備でSunameriの最高速度50km/hに何度も挑戦し、大きなもので言うと3回の転倒を経験されました。
原因は当社でテストしている時には出てこなかった、「シミ―現象」というものでした。
これはバイクや車等の乗り物でも発現するもので、車両の持つ振動・運転者の持つ振動・路面の状況等が重なりあって、共振した時にこの現象が起こると考えられています。
はっきりと解明されているものではないので、これをしたら確実に起こらないという対処法がないのが現状です。
「シミ―現象」とYoutubeで調べると、様々な方が動画を乗せていらっしゃるので、だいたいどのようなものかご確認いただけるかと思います。
黒部さんの転倒を受けて、Sunameri開発者の藤井が全く同じ状況下で再現実験を試みたのですが、同じ現象は起こりませんでした。
この現象については引き続き検証しながら、車両の改善を重ねているところではございます。
既にお買い上げの皆様に注意喚起をしつつ、量産版からはブーストボタンを取り付け、普段はマックス30km/h程のスピードしか出ない仕様に変更をしました。(今のところ、低速域ではこの現象は起きていません)
ブーストボタンを押す時には、あくまで「フル装備で広い場所で」ということでアナウンスをさせていただいております。
黒部さんに、転倒をされてもなお、ハイスピードに挑戦し続けた理由をお伺いすると
「自分自身が車の改造をしていることもあり、探求心がありました。何をどうすれば改良できるのか、解明したい気持ちが大きかったです。」
ですが最終的には
「個人的にはSunameriは20~30km/h程のスピードで走るのがちょうどいいのだと思いました。」
ということでした。
この一連の流れの中で、私たちが得た結論は以下の通りです。
世界での一般的な電動キックボードの最高速度は25km/hくらいです。
それはやはり、板の上に立っているだけ、という乗車姿勢がもたらす不安定さ故の現実的な答えが25km/hということなのだと思います。
とは言え、それでは面白くないからSunameriを作ったんです。
公道では低速度で安全に使っていただき、安全装備をした上で広い場所にいる時には、スノーボードやサーフィンのようなアクティビティとして、高速域で楽しんでもらうのがいいと考えております。
今回はインタビューという感じではなくなってしまいましたが、黒部さんからいろいろとお話を伺う中で、これまでの経緯を再確認することができました。
この世になかった乗り物を作り、世の中に出していくということは、とても大変なことです。
私たちのような小さな会社では、自分たちの力だけではなかなかできません。
黒部さんの探求心に助けられ、よりよいアナウンス方法や、車両の改良方法を検討することができました。
本当にありがとうございました。