4月某日。当社にて、ある計画が動き始めました。話の中心になったのは、共同研究で当社に来てくれている、三重大学大学院工学研究科の永岡拓磨くん。
「フヂエンの電動キックボードを使って、デリバリー代行ができないだろうか」
きっかけはコロナウイルス感染拡大による、外出自粛でした。
売上が激減をして困っている飲食店さんのために何かできないだろうか...
その想いからの発案でした。
それから永岡くんが中心となり、デリバリー代行サービスを、5月のゴールデンウィークに試運用する運びとなりました。
今回は永岡くんへのインタビューを掲載します。
-大学院ではどのような研究をしていますか。
車道と歩道両方を走行できるモビリティの研究・開発に取り組んでいます。
法律を調べ、車道ではバイク、歩道ではシニアカーのような乗り物に、チェンジできるようなモビリティです。
動力は電気です。
バイクが好きだということと、新しいものを実際に手を動かしながら作っていくことに魅力を感じたということからこの研究を始め、フヂエンとの共同研究に取り組むこととなりました。
-このデリバリー代行サービスの試運用に取り組むこととなった経緯を教えてください。
大学がこの春からオンライン授業に切り替わり、少し時間ができました。
その時間を有効活用して何かできないかと考えておりました。
お世話になっている鈴鹿市のために何かお役立ちできないかなという気持ちがあり、藤井社長とお話しする中で、デリバリーの話が出てきました。
新しいプロジェクトを1から作るという経験がしてみたかったこともあり、試運用を決めました。
-まずは周囲の飲食店さんに声をかけるところから、取り組み始めていましたね。
飲食店さんの反応はどうでした?
お店への飛び込み営業は、緊張しました。最初のうちはうまく説明できなかったりもしましたが、だんだんと慣れてきました。
飲食店さんの反応はとても良かったです。コロナの影響があり、テイクアウトを始めてみたというお店も多くあるタイミングでした。Sunameriという乗り物にもかなり興味を持ってくださいました。
飲食店さんにとっても、フヂエンにとっても、話題性を生み、良い相乗効果があるのではないかと考えました。
-5月5日・6日・9日の3日間の試運用となりましたが、実際やってみてどうでした?
外から見たら「料理をお預かりして運ぶ」というのは一見単純なことに見えますが、実際自分たちでやろうとすると難しかったです。
特にお店の方の要望と、こちらの指針をすり合わせる難しさも感じました。
試運用ではなかなか依頼電話がかかってこなくて、宣伝・告知の工夫が足りなかったと感じました。FB広告(鈴鹿市在住の方に表示される仕様のもの)を出してみたり、近隣の事業所さんや整備工場さん等にチラシを手配りしましたが、なかなか認知してもらえなかったですね。
それでもお昼時を中心に、注文してくださった方もいらっしゃいました。
また料理が寄ってしまったり、こぼれないように運ぶのも大変でした。
バッグの中の空間を空のペットボトルで埋めたり、飲食店さんに容器の相談をしたり、いろいろ考えながら動きました。
電動キックボードに関しては、システムの枠組みがしっかりしてくれば使い勝手が良いのでは、と感じました。
小回りがきくことと、またがる必要がないということで、便利さを実感しました。
-今回の取り組みは、ご注文が少なかったことを理由に一旦保留ということになりました。
認知拡大にもう少し力を入れて取り組めば、ご注文いただけるかもしれませんが、徐々に自粛も解除され始めていたこともあり、一度ストップしています。
永岡くんは、どのようなことを感じましたか。
まずは事業化していく難しさを感じました。
人を雇ってまわしていくためには、少なくとも1時間に3~4件のご注文がなくてはならない。
その量の注文を常に担保するのはかなり認知してもらわなくてはならないなと思いました。
また準備段階で決めなくてはいけないことが多くあり、お客様にとって、お店にとって、そして私たちにとって、みんなに一番いい形にしていくにはどうしたらいいか悩みながら進めていました。
私たちが次世代型モビリティを作る中でいつも考えているのは、「この乗り物が社会の中でどうお役に立てるのか」ということです。シェアリングやレンタル、はたまたデリバリーなのか、
永岡くんの今回の取り組みは私たちにとっても良い経験となりました。
飲食店さんを手助けできるような大きな動きには、残念ながらなっていませんが、引き続き模索を続けたいと思っています。
そんな中Campfireでこんなページを発見しました。
(https://camp-fire.jp/projects/view/257967)
なんと隣町の四日市で、デリバリー代行に取り組んでおられる方がいる!
ということで、すぐにご連絡を差し上げました。
すると不躾なご連絡にも関わらず、すぐにお電話をいただきました。
「私たちの考えるところをお話しさせていただきましょうか」
という有難いお言葉をいただき、早速お邪魔をさせていただきました。
仕掛けているのは、アイダブエイチ株式会社様。
代表取締役の島袋様が経緯をお話してくださいました。
今回のコロナ危機で、四日市市の飲食店様のために何かしたい!と立ち上がり、スピード感を持ってこの事業を開始されました。
デリバリー代行も既存の大手企業は飲食店様に対する手数料が非常に高いのが現状です。
そんな中、「地元の中小飲食店様のお役に立つ!」ということを掲げ、良心的な手数料で取り組みをされています。
飲食店様のもとに社長自ら足繁く通われ、コミュニケーションをしっかりと取りながら、システム作りをされています。
ポスティングによる宣伝活動が実を結び、多くの電話注文が入ってきているとのことでした。
島袋社長のお話からは情熱を感じ、とても勉強になりました。
何かご一緒できることがあれば、今後是非コラボをさせていただきたいと考えております。
島袋様、ありがとうございました。
今回は取り留めのない報告となってしまいましたが、今後も私たちの活動を見守っていただけると幸いです。
徐々に状況は改善しつつあり、先週よりSunameriの出荷を再開することができました。
まだまだお待ちいただいているお客様はいらっしゃいますので、部品が届き次第しっかりと仕上げてお届けしていきます。
引き続きよろしくお願い致します。