2014/10/15 08:06
大吟醸とは、「精米歩合50%以上のお米を使用し、かつ吟醸造りで仕込んだ固有の香味、色沢が特に良好であるもの」と酒税法上は規定されております。
要は「米を半分以上削ってあって美味い酒」ということになります。
お酒にとって大事なお米の部分は、お米の中心にある「心白」と呼ばれる部分になります。逆にそれ以外の部分は雑味の原因になります。つまり、心白以外の部分を削れば削るほど良い酒質になりやすい傾向にあります。

さて、今回使用するお米、美山錦の精米歩合(削る割合)は50%で大吟醸の規格としてはギリギリのスペックです。

では、なぜ今回精米歩合50%のギリギリの企画で大吟醸に挑戦するのか。

定義上の酒なら造ろうと思えば誰でも造れる。もちろん精米歩合を高めればより良い酒質になりやすい事は言うまでもありません。しかし、50%という大吟醸の入口である条件下でどこまでの大吟醸が造れるのか。ここが一番難しく、一番技術の差が出るところだと思います。
その技術をどこまで追求するか、そして実際どこまで出来たのか。そこに挑みたい。この思いがあるからです。

精米歩合50%の企画で、胸を張って「大吟醸」と呼べる酒を醸せてこそ今回のプロジェクトの意義があると思っております。

大吟醸は「腐るか酒になるか」の本当に発酵の限界の末にできた奇跡の産物です。実力も経験も乏しい我々がどこまでこの奇跡を体現できるか。ここに挑戦したいと思っています。

また、20代である我々がチャレンジすること、それはより多くの人が新たな日本酒の扉を開くためのきっかけとなるものであると信じています。

日本にはまだ皆さんが知らない本当に美味しい日本酒がたくさんあり、我々よりも知識や経験を磨いた職人さんが居ます。

まずは業界最年少である我々が最高の酒を醸してみせることで、あたなが「まだ知らない美味しい酒」があることを知って欲しい。そして自分にとって最高の1本に出会って欲しい。そう思っています。