三浦です!大阪生まれ大阪育ちの24歳。趣味は筋トレです。
朝起きたらまずベンチプレス、バーベルスクワット、デッドリフト。これらをこなしてから漁に出るのが日課です。
自分は2017年の8月から宮城県石巻市の「雄勝」というところで、銀鮭とかホタテの養殖に携わっています。雄勝は面積の8割が山なんですよ。山と海があってめっちゃ目にいいところです。
一度会社員になったんですけど、長い人生考えた時「やっぱちゃうな」と思って、漁師を目指すようになりました。何かのきっかけになるかな…と参加したフィッシャーマン・ジャパンの漁師学校で今の親方の佐藤一(はじめ)さんと出会い、「この人しかおらん!!」と思って弟子入りを志願しました。
はじめさんは、秋から冬は牡蠣とホタテ、春から夏は銀鮭とホヤの水揚げがあるし、その間稚魚に餌やったり定置網漁にも出る…とにかく漁のスケジュールに隙間がないんです。その働き方がかっこ良くてとにかく尊敬しています。
きれいなオレンジ色してるでしょう?ほっかほかの白飯の上に、つるっと柔らかい銀鮭の刺身を乗せて食べるのがおすすめです。ちょうどよく脂がのっていて、噛めば噛むほど銀鮭の甘さがじゅーっと出てきます。
育てている自分でもヨダレが出てきます。
こうやって食べられるようになるまでには、ここではご紹介しきれないくらいの失敗やしんどいことがありました。でも立派に育ってくれると嬉しいですね。僕自身、漁師の仕事が好きやから、好きっていう気持ちの分だけ、皆に食べて欲しいって強く思うのかもしれません。
では、親方のはじめさんと僕がどうやって育てているかご紹介していきますね。
銀鮭は山の方の試験場でふ化して11月くらいに雄勝まで運ばれてきます。ちょうど稚魚が搬送されてくる日、ごっつい雨だったんですよ。もうダバダバ。でも生き物やし、トラックの手配とかいろんな人が関わっているし、「荒れているから辞めよう」なんてことはできないってはじめさんが言うんです。
ダバダバの中、はじめさんの船と自分の船、2艘の間に網を張った状態で稚魚を沖に放つ作業をしました。まずあのダバダバの雨の中で息を合わせて船を走らせるのが本当に難しい。ポイントに着いたら網をロープで固定するんですが、もう手は滑るわ、結んでもほどけるわで。
自然の厳しさも感じましたが、仕事への責任感というか、自分への厳しさも大事なんやなって思いました。漁師の仕事も海だけを相手にしているのではなくて、色んな人が関わってることも教えてもらいました。
4月から7月は銀鮭の出荷シーズンです。まず、出荷できるくらい大きくなったなーっていう銀鮭を先に選んで、別のいけすに分けていく作業があります。
4人並んで、タモという網で泳いでいる銀鮭を汲んで、背中越しのいけすに投げる。200本汲んだら次の4人に交代します。自分がやっと10本汲んだか?!という横で、はじめさんは一人で70本くらい汲むんですよ。他の先輩方も身体が覚えてるとか言って、ノールックで後ろに投げるんです。
上の写真みたいに泳いでいる銀鮭たちの中からエエヤツ見極めて、進路を予測して汲むのがコツです。先輩方は皆、投げる時にはもう次のターゲットを見つけてるし、テンポが速い。網の返し方も難しくて銀鮭が網に絡むんですよ。うまく投げられようになるまでまるまる1シーズンかかってしまいました。
はじめさんも先輩方も自分のやり方があるみたいで、マニュアルがあるわけでもないんですよね。だから何度も何年も繰り返しながら、自分の形を見つけたいと思います。
でも今年の自分はレベルアップしていますよ!
「200本汲んだから代われ」と先輩方に言われても、交代せずに練習しましたから。
ほら!できてますやん!ノールック!できてますやん!
寿司屋でバイトしていたので、魚はたいがい食べてると思ってたんですけど、自分が育てたものを食べるとやっぱり旨さが違いますね。
輸入もんのサーモンの寿司はよう食べてたんですけど、この銀鮭は全然違うんですよ。脂のノリとふわっとした身の感じが白い米と合うなぁと思います。だからまずは刺身で食べて欲しいです。ちょっと醤油つけて、温かい米にのせてガッと……これがたまらんです。
あと、多分これは漁師飯やと思うんですけど、塩を多めにひいた銀鮭を焼いて、米の上に乗せて、水をかけて食べたりします。鮭だけ食べるとあり得ないくらいしょっぱいんですけど、漁の合間にささっと作れるし、夏場とか食欲無い時でもスルスルいけるので、自分もはじめさんも大好きな食べ方です。この食べ方をやってみたい方は「塩引き銀鮭」入りのリターンを選んでくださいね。
気付けば米が進む話しかしてないですね…。
でも米と魚の組み合わせって日本人ならではの贅沢やと思うんです。
今回お届けする銀鮭は、「フィレ(半身)」状に捌いたものと、まるごと1本の状態、どちらかを選んでいただけるようにしました。
家で食べる時、生ゴミが出るとうわーってなるやないですか。「まるごと1本」も手軽に食べてもらいたいのでワタとウロコを取ってお届けします。銀鮭は頭とかも汁に出来るし、捨てるところがあまりないので、ぜひ色々な料理に使ってもらいたいです。その代わり自分がウロコまみれになりますんで!
3月の今の時期はまだこのくらいのサイズなんですけど、お届けする頃には僕の肩幅くらいの大きさに成長しますので楽しみにしていてくださいね。そうこのくらいです!
雄勝に来てはじめさんのホタテを食べた時、この世にこんなに大きくて甘くてブリブリのホタテがあるんかと驚きました。このホタテが入った「銀鮭・ホタテセット」なら僕自身が大好きな海産物をどちらも食べていただけるので、かなりおすすめです。
ちなみに、これは自分の朝ごはんです。
好き過ぎて毎日のように食べてたので、いつかはじめさんからホタテ代の請求がくるんやないかと…。
一番高いリターンやしドキドキするんですけど・・。
寿司屋のバイト経験を活かして、東京都内の飲食店で出張大輝寿司プランもご用意します。お店の海鮮コース料理も付きますが、僕が持ち込んだ銀鮭を、僕が握りながら、皆さんとお話しできたらと思っています。東京近郊の方はぜひご検討ください!
上はフィッシャーマン・ジャパンの皆さんと寿司パーティした時の写真です。はじめさんのところに弟子入りする前なので今と筋肉量が違いますね。
目標は、自分のいかだを持って、自分で養殖して、自分で売れるようになることです。
銀鮭もホタテも成長の過程を見ながら仕事できるのが楽しいです。いけすを覗くと、前回見た時より大きく育っていて、愛着というか、愛情というか、そういう気持ちが自分の中に湧いてくるのを感じます。
はじめさんは色々な養殖を1年中やっているので、体力以外に要領の良さや頭の回転も必要で毎日毎日が勉強です。着実に仕事を覚えて、まずは片腕としてもっと仕事を任せてもらえるようになりたいです。
実は漁師の仕事以外に飲食店でアルバイトもしています。僕みたいにイチから一人前の漁師を目指そうとすると、漁具や漁船を買いそろえるのに結構な額になってしまうので。例えば小さな船を中古で買うだけでも50万円。銀鮭やホタテの水揚げができるくらいの大きい船やと0が一桁増えます。今は体力もあるし、時間を見つけてできるだけ小遣いを貯めていきたいなと思っています。
あとは昨年からはじめさんと相談して、月々の給料からちょっとずつ積立しています。はじめさんは漁のことだけやなくお金のことも教えてくれます。魚を獲るだけじゃなくて事業として成り立たせていく厳しさを知っているはじめさんだからこそ、真剣に自分の将来を考えてくれているんやなぁって感じます。
最近は個人のお客さんに発送する仕事も任せてもらっています。ただ水揚げするだけじゃなくて、ひとりひとりと繋がってるんやって考えながら作業しています。直接飲食店にも営業をしていきたいですね。自分の育てた食材を自分で売り込める海の営業マンになれるようにがんばっていきたいと思います。
最後にこちらのムービー。短いですけど銀鮭やホタテ漁の様子が映っているので現場の雰囲気がリアルに伝わるかなと思います。僕もはじめさんも赤裸々にお互いのことを語っていて、照れくさいんですけど、もし良かったら観てみてください!僕の声も聞けますんで!
三浦くんの奮闘ぶり、ご想像いただけましたでしょうか。
親方のはじめさん曰く、三浦くんは朝早いことにも、身体が汚れる仕事にも嫌な顔もせず、できないことは出来るまでやる努力家。教えていないことまでやりたがり、案の定失敗しながら、それでも仕事を覚えようと挑戦する姿勢を見て、「たいしたもん」だと目を細めます。
新規参入者には周囲の漁業者から厳しい目を向けられる現実があります。それは自分たちの漁場を守るために必然なこと。だからこそ「地域に認められる一人前の漁師」に育てる責任があると、はじめさんは語ります。
はじめさんは49歳にして、この道30年のベテラン漁師。養殖だけでも銀鮭、ホタテ、牡蠣、ホヤと、ひとりでこれだけ掛け持ちできる漁師は他にあまりいません。海の上の作業だけでなく、漁期の組み立て方、事業者としての厳しさ、地域に馴染むための感謝の気持ち…。はじめさんは、漁師になるために欠けてはいけないことをひとつひとつ三浦くんに注ぎ込んでいます。穏やかに、そして時々ストイックに。
「大輝は男気があるよね。根気強くがんばってもらって、俺の右腕に育ってくれるといいな。そしていつか一人前の漁師にしてやりたいな」
フィッシャーマン・ジャパンは、水産業を「かっこよくて、稼げて、革新的(新3K)な仕事にすること」をビジョンに掲げ、東北の漁師たちが立ち上げた団体です。
日本では、魚の新鮮さを保つために、仕入れ後にロスを出さないように、消費者に安定して供給できるように、魚に関わるあらゆる業界が何十年もかけて流通の仕組みをつくってきました。この緻密な仕組みがあるおかげで、私たちはいつでもどこにいても新鮮な魚を食べることができます。
一方で、システムが発達し便利になればなるほど、私たちは海で起きている現実に目を向けにくくなりました。漁師たちが皆さんの食卓を守るためにどんな努力をしているかも想像しにくくなりました。
私たちフィッシャーマン・ジャパンはこのクラウドファンディングを通じて、「獲る側」の漁師と「食べる側」の皆さんとの距離を少しでも近づけたいと考えています。
漁師本人から漁の裏話や、漁師だからこそ知っている食べ方を教わることで、「美味しい」だけではない価値に気がつくはずです。リターンには漁師本人に会えるプランもご用意します。漁師と言葉を交わしたり、魚が育った環境を訪れば、食べること自体がかけがえのない経験になります。
だからきっとこの「お買い物」は、皆さんのお腹も心も満たしてくれるはず。
さらに「食べる側」の皆さんと繋がることで、漁師にとってもやりがいやきっかけにもなることでしょう。日本中で漁師が減ってしまった理由を考えると、「稼ぐ」ことは水産業の担い手を増やし、未来へバトンを繋ぐためにとても大切なことです。だから私たちは、自ら考え、動き、声を発しながら、未来の水産業を牽引する「稼げる漁師」を増やすことも重要なミッションだと考えています。
今回の連続プロジェクトにお支払いいただく“お金”のほとんどは、新米漁師のもとに正当な売上げとして還元します。また、彼らが一人前の漁師を目指す上で不可欠なステップを乗り越えるための“資金”としても活用します。残額はフィッシャーマン・ジャパンの事業費として使わせていただき、さらなる事業の加速に繋げていく予定です。
ひとりでできないことは、みんなでやればいい。
いちどにできないことは、ひたすら続ければいい。
「獲る側」の漁師から「食べる側」の消費者まで、すべての人がチームとなることで水産業の未来は大きく変わります。最後まで読んでくださった皆さんとなら、きっと水産業の未来をつくる仲間になれる、そう信じています。
このプロジェクトは、東日本大震災からの復興につながるクラウドファンディングをサポートする「復興庁クラウドファンディング支援事業」の対象プロジェクトです。
※復興庁クラウドファンディング支援事業についてご相談やお問い合わせ、取材のお申込みなどがありましたら、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
最新の活動報告
もっと見る地元加工会社と連携。牡蠣の潮煮を作りました!
2021/05/01 09:00こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
正組合員になりました!
2020/10/17 13:00いつも新人漁師を応援いただきありがとうございます。本日は皆様にご報告です。こちらのクラウドファンディング を通してたくさんのご支援をいただいた三浦大輝くんが、ついに宮城県漁協雄勝町雄勝湾支所の正組合員に認められました!引き続き親方のもとで仕事を行いながら、まずは牡蠣養殖にチャレンジをするそうです。ようやく目標であった養殖漁師としてスタートラインに立つことができた三浦くん。「たくさんの人に応援してもらった分を、これから少しずつ恩返ししていけるようになりたい」と思いを語ります。浜に並んだ真新しい漁具は、お小遣いを貯めたり、石巻市の補助金を利用しならが少しずつ買い揃えたもの。「大輝丸」という名前入りの万丈カゴを見ると、感慨もひとしおです。漁師になりたい!と縁もゆかりもないない土地からやってきた一人の若者が、この浜の漁業者としてデビューしたんだなと改めて心を打たれます。「自分で育てたものをみんなに食べてもらって、喜ぶ顔が見たい」これは以前、三浦くんが言っていた言葉です。そんな日が、もうすぐ現実のものに……!「牡蠣の名前はどうしよ」「殻付きにしよか、剥き身にしよか……」出荷はまだ先ですが、毎日ワクワクしながら、みなさんにお届けできる日を心待ちにしています。何らかの形で皆さんにもお届けできるように、私たちもサポートしていきたいと思います。これがゴールではなく、夢への第一歩。まだまだ一人前の漁師になるには時間がかかりますが、どうか温かく見守っていただければと思います。そして彼の存在が、浜にとって、そして漁業を志す若者にとって、明るい希望となりますように。これからも応援よろしくお願いします。 もっと見る
進水式が行われました!
2020/05/08 16:23いつも新人漁師を応援いただきありがとうございます。皆様からご支援いただいたクラウドファンディングから1年が経ちました。新人漁師・三浦くんは再び銀鮭シーズンを迎え、慌ただしい日々を過ごしています。このたび、皆様にご支援いただいた資金を活用し、三浦くんが自分の船を持ちました。地域の漁師さんが使わなくなった船を譲り受け、皆様からのご支援やコツコツ貯めたお金で船外機(船のエンジン)を購入し、ようやく自分の船を持つことが叶ったことを、この場をお借りしてご報告させていただきます。養殖に使うためにはもっと大きな船が必要ですが、このサイズの船があれば、自分で好きなときに網や籠を仕掛け、魚を獲ることができます。船の名前は「大輝丸」。自らの名前を船につけた理由を、三浦くんはこのように語ります。「共にこれから『大きく輝ける』ように進んでいきたいという思いと、地域の漁師さんがお互いを船名で呼ぶことが多いことので、まだ知らない漁師さんにも外から来た僕のことを覚えてもらいやすんじゃないかと思って」4月吉日。みんなに見守られながら、「大輝丸」を海におろす進水式が行われました。進水式は、通常は新しく造った船を初めて海におろすときに行われるものですが、新人漁師である彼が初めて船を持ったその意味を大切にしたいと、親方のはじめさんの発案で執り行われることになりました。本当にささやかな手作りの進水式です。船名が書かれたお手製の旗とTRITON PROJECTの旗を掲げ、「大輝丸」は、いざ海へ。カラフルな大漁旗はありませんが、雄勝の青い海や山によく映えるその白い旗は、漁師になりたいと飛び込んで来た彼の真っさらな気持ちを表しているかのように、眩しく見えました。(船に降り立った三浦くん。とにかく嬉しそう!笑顔が止まりません)進水式は、海の神様へ祈る「儀式」でもあります。海には信仰がつきもの。漁師さんは日頃から海を司る神様を大切にし、縁起事や古くからの言い伝えをとても大事にしています。新人漁師である三浦くんも、親方のはじめさんに倣い、見様見真似で供物やお神酒を備え、海の神様に安全と豊漁を祈願しました。儀式のあとは、いよいよ初航走。弟弟子を乗せ、「大輝丸」が海に飛び出します。見てください、この嬉しそうな笑顔!この日、新たな命を宿した船は、はじめは不安そうにゆっくりと。徐々にスピードをあげて。若者たちと海を走れる喜びを分かち合うかのように、白い波を立て、何度も弧を描きながら、走り続けました。漁師になりたいと飛び込んできたひとりの若者。それを受け入れたひとりの漁師。その小さな革命はたくさんの人を巻き込み、この浜の未来を大きく変えようとしています。そんな彼らを後押ししてくれたのは、紛れもなく、これを読んでくださっている皆様一人ひとりの力です。どうかこれからも彼らの成長を見守り、つながり続けてください。彼らの抱える葛藤も、ほんの小さな喜びも。こうしてたくさんの人と共有していくことが、水産業の明るい未来につながると私たちは信じています。さぁ!船を手に入れた三浦くんの新たな冒険がはじまります。どうかこの海で、大きく輝くことができますように。たくさんの人に船の名前を呼んでもらえますように。「水産業の未来をつくろう。一緒に」 もっと見る
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