みなさんの食生活をもっと豊かで健康なものにしていきたい!医師と食品メーカーという視点で、日本の食生活へのアプローチを考えていきます。
【医師と食品メーカーが考える " 食 × 健康 " :インタビュー抜粋】
多くの認知症患者さんを診てこられた石黒先生ですが、一番危惧しているのは今後の『子供達の健康』だそうですね?
石黒:はい。認知症患者を診てきたのに、なんで子供!?と思われましたか? 実は認知症、つまり認知機能の低下は、子供たちとも大いに関わっているんです。
多くの高齢者の家庭は必ずといって良いほど、加工食品・加工調味料・加工製菓が中心の食生活です。そのような食習慣は、子から孫へと受け継がれます。
これら「加工食」の重大な欠点は「食物繊維とミネラルがほとんど入っていない」ことと、「中毒性が高い」という2つの事実です。
食物繊維は腸内細菌を育て、ミネラルは脳のエネルギー代謝の要となります。
高齢者医療を長年経験していくうちに、高齢者の食物繊維とミネラルの摂取量が極端に少ないことに気がつきました。そして、認知症高齢者と同じような症状を発現する発達障害児たち。彼らは加工食、特に甘い菓子類が大好きなんです。食べたものは、腸内細菌にダイレクトに影響を与え、その影響が即座に脳に反映されます。
まさに「食は人なり」。
今の子供たちの多くが脳の発達に問題を抱えるリスクを抱え込んでいるのです。
食生活の質を上げるためのポイントは?
永濱:仕事柄、みなさんの食生活の悩みを聞くことも多いのですが、忙しい日々の中で、質の良い食生活を行うには『加工食品』と『主食』、この二つとどう付き合っていくかが重要なポイントになると思います。
実際に食品を作る立場として、アドバイス出来ることがあるとすれば
『 添加物を出来るだけ避け、シンプルな素材、シンプルな加工のものを選ぶ』
これらを実践するだけも、カラダへの負担は随分と抑えられます。
日本では、主食を大切にする文化が根付いているので、知らぬ間に糖質を摂りすぎているケースも多く見られます。まずは、普段なんとなく食べているものを、見直すことも大切ですね。