2019/04/09 13:51

こんにちは。認定NPO法人アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)の辻本です。

4月5日にはじめたこのクラウドファンディングでは、早くも15%を達成しました!ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます!少しでも多くの若者たちに、自立するチャンスを届けられるように、引き続き応援・ご支援をよろしくお願いします!

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今日は、プロジェクトページでも紹介しているエマニュエルくんのお話をもう少し掘り下げてシェアします。

私がエマニュエルくんという22歳の青年に出会ったのは、昨年秋のことでした。彼は、とてもにこやかで、そうと知らなければ路上育ちだとは分かりません。

そんな彼が路上で暮らし始めたのは9歳のとき。その頃、エマニュエルくんは継母から木の枝やベルトで殴られるといった虐待を繰り返し受けていました。家族から虐待を受けたり、ネグレクトされたりしたことのあるストリートチルドレンは少なくありません。

家から逃げ出した後は、物乞いをしたり、ゴミ箱から食べ物をあさったり、客引きをしたりして1日10時間~12時間“働いた”といいます。そうまでしても得られるお金はほんの少し。空腹は日常だった」といいます。時には屋台から食べ物をくすねたこともあります。

「でも、大きな盗みはしたことがないし、スリもしなかった。誰か、僕がそんなことをしなくてもいいように食べ物を恵んでくれないかと祈ったよ。だって僕は本来泥棒なんかじゃない。ただ、生きるために仕方なかったんだ。そういう生活は3年くらい続いたよ。僕の人生で最も過酷なときだった」

9歳から12歳まで、本来なら大人に守られ、学校や家庭で勉強や遊びにいそしむような年齢です。本人も言っているように、その“過酷さ”には言葉を失います。生まれながらに悪人という人はいません。子どもならなおのこと。しかし、路上で暮らすストリートチルドレンたちにとって、その身なりから犯罪グループの一員のようにみられ、人から無視されたり、罵られたりすることは日常なのです。


エマニュエルくんが変わるきっかけは、ACC21の現地パートナーでもある現地NGOのチャイルドホープと出会ったことでした。路上教育のプログラムに参加するようになったのです。


「はじめ、路上教育に参加する資格なんてないと思ったよ。だって他の子どもたちは僕よりずっと年下だったからね。でも、仲間たちのように読んだり書いたりしたいと思って、続けることにしたんだ」

「路上教育を通じて、僕が学んだのは、夢を見ることだった。他の誰でもなく、自分のために夢を見ること。大きな夢を見ること。良いことが起きると信じ、前向きにとらえること。そうすると、希望があらわれるんだ。これが、僕に起こったことだよ」

路上教育に参加し、チャイルドホープとの関係を続けてきたエマニュエルくんは、去年、ACC21とチャイルドホープが共同で取り組んでいる“自立支援プロジェクト”に参加します。そして、マッサージと理容の職業技術訓練やさまざまなライフスキル・トレーニングを受け、修了します。


(左から3番目がエマニュエルくん。昨年末の修了式にて)

「僕は今、自分のことに、自分で責任をもって生きています。それを支えてくれたチャイルドホープと日本の支援者の皆さんにとても感謝しています 。今の、そして未来のストリートチルドレンのために、この善良な活動を続けてくれることを願っています」

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生きるために、時に盗みをはたらくこともあったエマニュエルくんが、「自分のことに、自分で責任を持って生きている」と胸を張る姿に、胸が熱くなりました。

より多くの若者たちにこの活動を届けるために、ぜひ力を貸してください。ご支援お待ちしています。