▼はじめに
このプロジェクトは、兵庫県養父市で少なくなった建具職人のことを知っていただくため、まず、このまちや建具・組子技術のことを知っていただく気軽な機会を設けることを内容としています。
▼まちの紹介
兵庫県養父(やぶ)市は、県の北部に位置し、人口約2万6千人の町です。県下最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)は、「21世紀に残したい日本の自然100選」に指定され、山のふもとにあるスキー場にも多くの方が訪れています。
冬の氷ノ山
写真提供PIXTA xxtakanorixx / PIXTA(ピクスタ)
養父市内の風景
このまちで、私こと福田通良(ふくだ・みちよし)は福田建具店という建具屋をやっています。創業は昭和33年で、私は2代目になります。
私の工場の写真です。
建具屋の仕事は、簡単に表現しますと、家の魅力を高める仕事だと言えます。
ドア、ふすまなどを、お客様の依頼に応じながら、木の木目、色合い、香り、手触りなどを見極めて、どのように仕上げるのかを考え、機能的なデザインと空間装飾との調和した美を表現する、いわば技術の成果をその家で表現することを特徴としています。
建具は機能的にも装飾的にも 建築物の中で大きな役割をしめています。空間を『閉じる』『区切る』『開く』ことで通風・採光・出入りに寄与するほか、防音・保温の効果があります。
手がけた建具の例です。
養父市には、養父神社の紅葉など、見どころも多くあります。
写真提供PIXTA takapon / PIXTA(ピクスタ)
これは、市内の社を修繕した例です。
「組子」について
私は、建具の技術に、古くから「組子」と呼ばれる、一切釘を使わず、木と木の角度を考察しながら組み上げていく技術を併せもっています。養父市の組子職人は、少なくなっています。いままで職人としての人生を全うしてきましたが、組子のことをみなさんに知っていただくまでには至っていないとも言えるでしょう。
組子建具の一例を写真でご紹介します。
▼プロジェクトをやろうと思った理由
この地域の高齢化が進むだけでなく、住宅が高齢化しました。そして、建具を直して欲しいという要望が寄せられるようになりましたが、単に修繕するだけでなく、美的要素を加え、再び魅了的な居住空間を発生させるという、本来の建具の仕事ができる職人的な人材は年々減少し、ごくわずかになりました。 私と従業員です。80歳をこえても、がんばってくれています。
私が会長を務める、兵庫県北部建具組合は、昭和 56 年に 84 の組合員がいましたが、現在は、 9人と なりました。組合員の高齢化、後継者不足による廃業が多くを占めていますが、本業界は機械化 が進まず、手作業による製造を行っている事業者が大半であり、機械化すれば解決する部分もありますが、まずは、地域で住宅に向き合い、お客様と会話をして、どういう風にしあげるか、ということを考えていける「職人」が増えなければ、この地域の問題解決には、至らないとも思っています。
組合の仲間が年々減っていく現状が続き、なんとかしなければという気持ちが、私の中でだんだん強くなりました。そして、まずは、色んな人に私達の仕事を知ってもらおう。自分たちがどういうことをしているのかを見てもらいたい、と考えるようになりました。
「伝承ファクトリーへの転換の第一歩」
そこで、今回クラウドファンデイングを活用し、この技術の担い手となる職人を育成すべく、まずは知っていただく機会を設けるため、工場イメージから脱却し、誰でも立ち寄れる、「建具と組子の伝承ファクトリー」に転換していこう、と考えました。
少し表現がおおげさですが、工場や敷地に、子供や若い人、地域のご家族や外国人のみなさん等、国内外の方がここを訪れ、建具や組子に気軽に触れることができる、コミュニティーの場づくりをおこないたく、必要な経費について、協力をお願いしたいと思います。
▼これまでの活動
少しでも技術のことを知っていただこうと、組子のコースターのキット等を空き時間に考案し、試験的に製作したりしていましたが、なかなかご披露する機会がありませんでした。これらを使用して、色々な方との会話につながればと思います。職人ゆえお客様の注文に応えるため、町内をはしりまわる仕事が多かったのですが、これからは、少し地域とのコミュニケーションをとる時間を増やしていきたいと思います。
▼資金の使い道
資金につきましては、コミュニティースペース用の机、椅子、扉等の材料費として少なくとも8万円はかかります。ご協力いただいた資金は、全額備品製造に係る費用として使用させていただきます。
後の製作につきましては、当方で責任をもって行いますので、費用は負担いただきません。
▼リターンについて
リターンにつきましては、組子や建具の技術に少しでも触れていただきながら、養父市の魅力に触れていただけるよう、地域の人と内容を考えました。
具体的には、組子教室、木工作業体験などをご用意しました。そして、地域独自のおもてなしとして、私が清流で釣った鮎や、養父市のこだわった地酒をふるまいながら、建具や組子の話をする会を開催したいと思います。最少催行人数1名から実施します。
▼実施スケジュール
平成31年4月以降、リターン対象者の皆様のご都合を伺いながら、リターン事業を実施していきたいと考えています。
▼最後に
「ぜひご協力ください」
写真提供PIXTA ジャンゴ/ PIXTA(ピクスタ)
養父市には、樽見(たるみ)の大桜という、樹齢1000年を超える桜の木があります。この大きな木の前では、私の存在はとても小さなものかもしれません。しかし、人を魅了するという面では、私の仕事も桜と同じ意味を持つと思いつつ、毎年ながめています。
私は、たった一人の職人になろうとも、仕事を続けていきたいと思っていますが、この桜のように、末永く人を魅了するには、少しでも私たち建具職人の仕事を知っていただき、新たな担い手を迎えていく必要があるのかもしれません。
これをきっかけに、建具と組子技術の伝承を通じて、地域の住宅を守り、そして魅力的なものにしていく取り組みを色々と行っていきたいと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんが大事に住んできた家だからこそ、さらに魅力のある住まいにしてあげたい
微力ですが、そんな想いで、日々仕事をして過ごしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
福田建具店 代表 福田通良
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。
reference
Summary Crowdfunding ~to inherit traditional Japanese technique~
I, Michiyoshi Fukuda, live in Yabu city, Hyogo prefecture and run a Fukuda joiner which was founded in 1928. My job is providing fascinating and beautiful living environment with traditional Japanese technique of what we call “Kumiko.”
Kumiko requires a highly sophisticated and advanced technique of assembling wooden pieces without the use of nails; however, it is difficult to inherit this traditional skill because of a shortage of successors and the aging of the craftspeople.
To cultivate young craftspeople who inherit this precious technique, I decided to utilize crowdfunding. I would like to establish a “Joinery Community” where anybody can enjoy and experience joinery and Kumiko within my factory premises. In return, I would like to offer you an opportunity to join one of our lessons for beginners and experience Kumiko and woodworking.
Also, we will gather and talk about joinery and Kumiko alongside enjoying our elaborate local sake and Ayu (sweetfish caught in limpid stream).
Through this project, I would like to actively put effort in protecting our local housings and its attractiveness by passing on the joinery and Kumiko techniques.
Please pay a visit Yabu city!!
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もっと見るご支援ありがとうございます。
2019/04/14 22:01多数の方にご支援いただき、大変感謝しております。ありがとうございます。残りあとわずかとなりましたが、最後までがんばります。よろしくお願いいたします。 もっと見る
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