「いきなりドラゴン」の制作にあたり、このゲームで
意識した点は何か。どんなゲームにしたいか。を詳しく述べていきます。
(プロジェクト本文をより掘り下げたものです。)
①「結果のランダム」によるゲーム振れ幅の軽減
RPGテーマのゲームでは「ダイスの出目」による敵・味方のダメージ決定や
プレイヤーの行動の制限が多くあるなという印象を感じました。
ダイスでの結果の変化は希望出目が出ればもちろんうれしいですが、
連続して希望出目にならず負けた際には「運ゲー」という評価に変わってしまう
ことが多々あります。
それを軽減するために「敵の行動やダメージ」はプレイヤーの行動決定前に
わかっている状態になり、プレイヤーのダメージもダイス結果によって
減少はしない設定ように基本設計を行いました。
また手札のランダム要素も「手札事故」を解消するべくプレイヤー間での交換や
最初に確定で配られるカードを決めることで事故の可能性を減らしました。
②「奉行問題」の改善
こういったプレイヤー協力のゲームで起こる問題として
1人のプレイヤーが他プレイヤーに指示を出し行動を拘束してしまう
「奉行問題」が起こる可能性があります。勝ちに拘るとそういったプレイイング
の方が勝率は上がりますが、他プレイヤーはゲームに純粋に参加できているかと
言われると難しいところがあります。もっとひどい言い方ですと
「1人のプレイヤーの行動リソースに他プレイヤーがなる」状態です。
それを解決すべく当ゲームでは協力ゲームであるにも関わらず
・手札の明言の禁止
・会話の制限
この2つの内容をルールにもりこみました。
指示出しに制限をかけ、手札がわからなければ動きを縛ることは
できないと考えました。
参加している全プレイヤーがロールに没入でき
「自分の役職は何をすればいいかを自分で考え決められる」と
「自分だけでは倒せないので協力(仲間の為に動く)しなければいけない」を
両立させることができるように調整しております。
③ヘイトシステムとコマンドカード
ヘイトシステムはMMORPGでもあるような「敵意」を数値化したものです。
プレイヤーの行動やモンスターの行動によって増減し、この数値の大小で
モンスターの攻撃対象が変化する場合もあります。これにより
誰か1人がひたすら攻撃すればいい状況は緩和され、この値のコントロールで
ダメージを肩代わりすることもできます。
コマンドカードは5種からなる基本行動を決定するカードです。
このカード自体に効果はなくキャラクターによって様々な効果を
発揮します。特に「ひっさつ」は他カードよりも山札あたりの割合が低く
誰がどのタイミングで使うかで全く違ったゲーム展開になっていきます。
「自分が今使うよりも味方につかってもらった方がいい」なんて
場面が多々でてくると思います。これも1つの協力の形だと考えています。
少し長くなってしまいましたが、根底にある気持ちは
「みんなが考えてロールにはまり主人公になれるゲーム」です。
剣士だから強い・主人公だ。なんてことはありません。
魔法使い・僧侶・シーフ・パラディンにだって物語はあります。
是非勝利をもぎ取ってください!