―世界で注目を集めている若手アニメーション作家、3年ぶりの新作!―
前作『HAND SOAP』がオランダ国際アニメーション映画祭グランプリ、広島国際アニメーション映画祭優秀賞をはじめとして、歴史ある数々の国際映画祭で多数受賞し、現在、最も次作が注目される若手アニメーション作家、大山慶による、およそ10分間の短編アニメーション作品です。これまでの作品とはまったく異なる斬新なアプローチにより、中学校の放課後の様子を描きます。
―プロジェクト投稿者であるCALFとは―
国際的に活躍する短編映像作家の作品集を国内外に向けてリリースすることを目的に、2010年、若手のアニメーション作家3人と若手評論家1人により設立されました。DVDの販売のみならず、国内での上映会を始めとしたイベントの企画・配給もおこなっています。
今後は「短編映画を観る環境」のみならず、「インディペンデントな作品を制作する環境」の整備にも力を注いでいきます。
『放課後』はその活動の第一歩であり、CALF制作第一作目となる作品です。
ー『放課後』とはー
■ストーリー
なんの変哲もない中学校の放課後。野球部員達はノックを受けている。まだユニフォームを持っていない一年生部員が玉拾いに飽きてあくびをする間、テニスコートではテニス部員達が決められたリズムで素振りを続けている。
ランニングする陸上部員めがけて屋上からツバをたらす不良生徒達。足の不自由な生徒の動きを真似て笑いあう女子生徒達。お調子者の男子生徒達は図書室で気になる女子生徒を見つけるが、彼女に好意を伝える勇気も方法もまだ知らない。吹奏楽部がチューニングを終え演奏をスタートする頃、不良生徒達の喫煙に気づいた美術教師は彼らのいる屋上へと昇っていく・・・。
芽生えたばかりの自意識に振り回されながら、皆がそれぞれの放課後を過ごしている。
■作品解説
自分にとっての自分、他人にとっての自分、他人にとっての他人、自分にとっての他人・・・。思春期の少年達が抱き始めた自意識や性欲、そして、それらによって生まれる彼らの残酷さや滑稽さ、愚かさ、危うさ、愛おしさを、革新的な表現方法で形にします。
○コンセプト
予告編を見ていただくとおわかりいただけるかと思いますが、この作品では、各カットの絵柄が"登場人物達が各々描いた自画像"である、という設定を設けています。つまり、画面の中心に写る人物が変わるたびに画面全体の絵柄も次々と変わっていきます。
アニメーション作品では全編を通じて絵柄を統一させ、一つの世界観の中で物語を紡いでいく方法が一般的ですが、『放課後』では上記のようなコンセプトを用いることで、世界観の統一ではなく多様化を目指し、登場人物一人一人の内面に迫ると同時に、彼らが一堂に集まる場としての学校を、また、思春期という時代そのものを描きだすことに挑戦します。
○技法
2Dアニメーションになります。作画は全てコンピューター上で行い、鉛筆、水彩、版画など、中学校美術で扱う様々な画材、また、絵の上手な生徒、下手な生徒、上級生、下級生と様々な生徒達のタッチなどをペンタブレットとペイントソフトを使って再現します。
○サウンド
音響はサラウンドで製作。音楽や効果音は使用せず、基本的には現実的な音のみを使う予定です。一見複雑な構成の映像に、その場にいるような臨場感のあるサウンドを付けることで、作品の世界にリアリティと説得力を与えます。
■完成時期
2012年5月頃に完成予定です。
■公開予定
作品の完成以降、国内外の国際映画祭への出品の他、日本国内の複数都市、映画館にて過去作品と共に公開する予定です。
■大山慶作品集
『放課後』の完成に合わせ、2012年夏にCALFよりDVD Japanese Independent Animators第4弾となるDVD「大山慶作品集2000-2012」を発売します。大山慶の処女作である『NAMI』(実写コマ撮り)から、カンヌ国際映画祭監督週間でも上映された卒業制作『診察室』、数々の国際映画祭で受賞した代表作『HAND SOAP』、そして最新作『放課後』にいたるまで、大山慶の全てが詰まった作品集です。また、メイキングなどの特典映像も盛り込む予定です!
■監督からのメッセージ
まずはこのプロジェクトにご興味を持っていただきありがとうございます。
短編のアニメーション作品というと、パソコンさえあればお金をかけずに作れてしまうというイメージがあるかと思いますが、映画館のような、しっかりとした環境での上映を前提に製作する場合、サウンドやポストプロダクション、各種テープなどのメディア代、場合によっては作画等のスタッフ人件費と、かなりの金額が必要となってきます。
しかし、現在、日本で十分な予算を使って短編映画を作ることは決して簡単とはいえません。長編映画のように興行として成立させる事が難しく、現代美術のようなマーケットも確立されていないため、作品に出資してくれる企業がほとんど存在しないのです。 こういった状況の中で現れたこのソーシャルパトロンのシステムにはとても大きな可能性を感じています。皆さまのご支援により、納得のいく形で作品を完成させることが出来ればと願っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。
■監督プロフィール
1978年東京生まれ。2005年東京造形大学卒業。卒業制作『診察室』が学生CGコンテスト最優秀賞、BACA-JA最優秀賞、アルスエレクトロニカ佳作などを受賞。カンヌ国際映画祭監督週間をはじめ、多数の海外映画祭にて上映される。オムニバスアニメーション映画『TOKYO LOOP』(06)への参加を経て、愛知芸術文化センターオリジナル映像作品として『HAND SOAP』(08)を制作。オランダ国際アニメーション映画祭グランプリ、アニメーテッドドリームスグランプリ、アナーバー国際映画祭最優秀アニメーション賞、オーバーハウゼン国際短編映画祭映画祭賞、広島国際アニメーション映画祭優秀賞など、数多くの賞を受賞。映画『私は猫ストーカー』(09)、映画『ゲゲゲの女房』(10)の劇中アニメーションを担当している。CALFよりDVD『大山慶作品集2000-2012』が2012年夏発売予定。
http://www.keioyama.com
twitter ID : @kei_oyama
最新の活動報告
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