2019/10/16 18:23

ガチャっと鍵を閉めた。

最後のゴミ袋を車の後ろに投げ入れるとすぐにエンジンをかけ、

古墳公園近くの行き、ドアをガラガラっと開けた。


「こんちはー!」


大声で叫ぶと、顔見知りの管理人のおじさんがでてきた。


「終わったかね


「はい、終わりました」


「今年も雨やったね」 


「はい、雨でした」


「残念ったね」


「いえ、雨でもいいフェスになりました


鍵を渡し最後に深々と頭を下げ 


「ありがとうございました!」


とお礼を言った



 

フェスが終わりその三日後の9/25日に古墳公園管理棟の片付けがやっと終わった。


フェスに来てくれた人ならわかると思うけど、古墳公園の受付に向かって

階段を上っていく時、背後の向こうにあった建物だ。


そこを、フェスの一週間前からその後まで、延べ10日間くらい借りていた。



何をしていたのかって?


「フフフフフフ

秘密のジェット宇宙美人ガール制作だ


っと何をわけのわからないと思われるかもしれないが、

その通り、わけのわからないまま、段ボールを切り刻み、

考えるより切れ、貼り付けろ!とばかりに、もう鼻息荒くして、勢いのみ

バッタバッタ!

もうやるしかないとばかりに、フェスで飾るデコレーション・看板・ゲート制作していた。


実をいうとオレはこのデコレーションに賭けている。

海外で経験したとんでもない発想のフェスに負けたくない!

だが、いつも具体的なアイディア何てありゃしないのだ

頼みは、小さいころから好きだった不思議な・UFO・怪獣・お姉ちゃん・バイク・革ジャン、そしてロックンロール!それをどれだけ愛してどれだけ楽しんで、どれだけ笑っこれたかって事なんだが、それでもアイディア浮かばない!

そしたらもう最後は、こんな感じだ。

頭の中に魔法使いの杖を突っ込み、それをぐちゃぐちゃにかき回して

フワ~っと上がってくる蒸気みたいなヒラメキを徒手空拳でつかみ取り

後は、気合いと勢いで作る!


主な働き手は、自分とスタッフ2人だ。

他のスタッフはみな、昼間に仕事を持っている

しかも彼らは差し迫ったジェットフェスの事もやっているので、みんなオレ以上に大変だった。それでも、時間を見つけ段ボールを持ってきてくれたり、顔を出してくれたりでフェス前のあの時間は、結構楽しかった



 

さてと、管理棟の鍵を返した後、車に詰めたゴミを松江市のごみ処理場に持って行った

自分は今日の夜に東京に帰る。

そこでもう一度古墳公園に上がった。

いい天気だ。

今日は宍道湖にいい夕日がかかるだろう。

去年も雨だった、あの時は雨を想定していなかったせいで、真ん中のステージは中止になり、自慢の古墳ビアガーデンもガラガラだった。

だが今年は違う。

音楽は最後まで鳴りやまず、要所に設置されたテントで、雨の中でも賑わいを見せていた。

来年は晴れるだろうか?

晴れるともちろんいいが、雨でも楽しめるフェスを作れたじゃないか!

これもすべて、一緒に作ったスタッフのおかげだ。

オレはまた今年気が付いたことがある。

最初は、世界中にこの松江、特に宍道湖をみせたい、そしてこで、オレの頭の中をひっくり返したようなフェスをやり、この町を盛り上げたい!

そんな一念だったが、フェスを作り上げていくうちにもう一つ思ったことがある。

この素晴らしい仲間を、世界中の人達に自慢したい!

 

フェスを催した古墳公園は、名前通り古墳があってちょっとおもしろい公園だが、普段は、近所の人達が散歩を楽しんだり、数人の子供がキャッチボールなんかしている場所で、いつもいたって静かで、時間がゆっくり流れている


だがあの日は違った、この場所があり得ない場所になっていた。

水前寺清子さんが365歩のマーチを歌ってくれて、神楽のオロチが火を噴いた

ウルフルケイスケさんが走る一畑電車の中で歌ってくれた。

すべてのバンドが最高で、石野卓球さんも来てくれた!

あり得ないよ、あり得ない!

仲間たちと一緒に、こんな体験ができるなんて、やっぱりフェスって素晴らしい!

 

そしてその素敵な仲間に入ってくれたみんな!

そう、クラウドファンディングで応援してくれた君たちだ。

本当にありがとう!

みんなのおかげで、素敵なフェスになりました。

またみんなに会いたい

 


By ギターウルフセイジ