ありがとうみんな!ジェットサンキュー!!
クラウドファンディング最終日8/16日の夜、オレは浅草にいた。
浅草は、今回の協力者バンブー君の事務所スタジオ696がある場所で、
これを読んでくれている人はわかっていると思うけど、全国で応援してくれるみんなとツイキャスで繋がりながら、スタッフと一緒に見守っていた。
数字がどんどん上がっていくと、確かに嬉しいのだけど、でもそれ以上に責任感が体にメラメラしてきて、覚悟の度合いが積みあがっていくような感じでいると、その時、頭の中にいきなり、下から上にズギュン!ある光景が立ち昇った。
スカイツリーだ!
というのは、この少し前、車で家を出た。ところが浅草までだいたい1時間、こりゃあどうも約束の時間に危うくなりそうだと、近くの首都高に飛び乗った。
夜の首都高は空いていて、アッという間に浅草付近に着いた。しかし、降りようと思っていた首都高の出口がなく、あれ、間違えちゃったかなと頭の中の地図を思い返していると、浅草に来ると近くに見えるスカイツリーが、青白く光を回転させながら遠くの夜に浮き上がっていた。あれを目指してどっかの出口で降りればいいやと思ったが、いつもの野生の勘がすこし失敗して、幾分か離れた錦糸町で降りた。
下に降りるとスカイツリーは見えたり見えなかったりだが、だいたいの方角を目指していると、目の前に「左 浅草」と出たので、ハンドルをクイッと回して左に曲がると、いきなりスカイツリーの根本に来て「ウオー!」とうなり声をあげてしまった。真下に来ると、東京タワーほどの怪獣っぽさは感じないものの、下町にグサッと近未来が突き刺さっていた。昔、ウルトラセブンとメトロン星人がちゃぶ台を挟んで話す、マニアには有名なシーンがあったが、その感覚に似ているようで、周りの木造民家と流線形のシルバーが不思議に同居していた。
クラウドファンディングの結果を見守りながら、なぜスカイツリーの事を思ったかわからないが、覚悟しなければならない高さにスカイツリーを思い出したのかもしれない。
なんちゃってね、そんなかっこつけた理由は、こうしてみんなに報告しながら思っただけで、その時は、ただボーっとあの青白く回る光のタワーがオレの頭の中で、にょきにょき生えていた。
深夜0時、クラウドファンディングが終了した。
最終6,047,592円568人の人から応援してもらった。
なんてこった!これはすごい金額だ!
「ちょっとお疲れ会をしましょう!自分がおごります」とバンブー君が言ってくれ
4人でステーキハウスに寄った。
「深夜にステーキ!?そんなにお腹が空いているかな?」と思いながら、食べるとペロリで、
なんだ、みんなと一緒でこの倍をオレも頼めばよかったと思った。
その日、自分はたぶん、全国からの応援の数のありがたさに少しのぼせていたのだろう。
ほおばった肉は肉汁と共にジュワ~っと口の中に広がり、呑み込んだ胃で、ようやく、
何だオレ、腹が減ってたんだとわかった。
スタッフを送り、環七を走りながら時計を見ると、深夜の2時過ぎだった。
昼間の灼熱の太陽も眠り、夜の環七の空気は少しひんやりしてる。
時折トラックが、轟音を軋ませながらすれすれで抜いていくのでヒヤッとさせられたりするが、だいたいはスムーズだ。
ハンドルを握りながらオレは、中坊の頃を思い出していた。
あの頃は、空前のラジオの深夜放送ブームで、みんなラジオに齧りついていた。
オレの部屋にオレ一人、ラジオからはDJの声。
そして同じDJの声に、耳を傾けている日本中の仲間達。
窓の暗闇の向こうに広がる遠くの町々が、目の前のラジオとつながっている。
そこで流れる音楽も、ひとり爆笑したことも、ジェンレノン射殺のニュースが飛び込んで来たことも、その時間に聞いているオレ達だけのものだった。
あの娘も聞いているだろうか?
そんな淡い思いも窓の闇に飛び、同じ時間を、みんなと共有していたのだ。
そうさ!夜はオレ達のものさ!
深夜の月の光の中にポツン、ポツンと浮かぶ微生物ミトコンドリアのオレ達。
それは真夜中の発光体だ。
ラジオから流れてくる電波の糸につながれて、
ゆらりゆらりと、オレ達は、オレ達の夜に浮かんでいた。
今夜のクラウドファンディングはあの時のあの感じに似ている。
見守ってくれていたみんなと、つながっている感覚。
それは何だかとても嬉しくて、すがすがしく素敵だった。
浅草で深夜0時に自分が心で叫んだ「ありがとう!」はきっと電波となり、あの日本一高い流線形のシルバーのタワーのてっぺんから、直撃でみんなの脳に届いたと思いたい。』
本当にみんなありがとう!ジェットサンキュー!
素敵なフェスにします。
By ギターウルフセイジ