メイキング画像を公開する第4回目。キャラクターの造型の後編になります。見ていくと、作画という作業が果てのない解釈の繰り返しであることが浮かび上がります。
第1稿では片桐に厳しい言葉を投げかける死刑存置派は「男性」でしたが、第2稿で「女性」にしました。森監督の原作シナリオで、死刑存置派の3人は「A、B、C」としかなく性別の指定はありません。死刑存置派に男性と女性がいることで「多数派」の感じが出せるのと、女性から厳しい言葉を投げられたほうが片桐の心に刺さると考え、このような構成にしてました。
漫画制作に使用する画材一式です。デジタル作画をする漫画家が多い昨今、僕はいまだにアナログ(手描き)主流でやっています。この原稿の複製原画と生原稿がリターン品になります。
カラーで使用する水彩絵具は学校教材として図工の授業で使うタイプの物です。
経験上、日本の水道水にはやはり日本製の絵具の方が馴染むと感じています。以前、外国製の水彩絵具を使ったときに塗った面がヒビ割れたことがあり、その際絵具の質より水との相性の問題のように思いました。
ラフネーム第1稿での片桐は人権派弁護士ということで、某裁判物ゲームのキャラクターのイメージがありました。しかし信念を持つ厳しさを出そうとしたあまり熱血漢っぽくなり、悩み揺れ動く複雑な心理を持つキャラクターとしては不十分でした。
森監督や竹熊先生と、互いにイメージを出し合いながら片桐のキャラクター作りをしていきます。この写真は、ある外国映画の俳優のイメージが出されて、それを元に描いてみたものです。ただ、外国人過ぎるということで却下になりました。