学校図書館総合研究所(SLORI)の想いとフェステイバル
~学校図書館を生かしたいという想いを共有して~
はじめまして。木幡洋子です。2013年に公立大学を退職し、その後も2015年3月まで文部科学省の研究費(科研費)で研究を続けていました。その間、学校図書館法が改正され、司書教諭が必置、学校司書が法定の職になりましたが、残念ながらこうした法的な措置がとられても、現場の学校図書館がすべてよくなっていっているわけではありません。むしろ、財源不足を理由に、鍵がかかったままの学校図書館や、古い本がいつまでも蔵書になっている学校図書館があります。改善したくても、時間や組織の制約から目をつぶらざるを得ない苦しい現場があります。こうした現場をみるにつけ、研究とはいったい何なのか、という疑問を抱いていくようになりました。どうすればいいのだろうと、科研に結集していただいた研究者の方々と話し合い、学校図書館総合研究所(SLORI)を立ち上げ、私たちにできる、学校図書館を少しでも楽しい憩いと学びの場にするための事業を考えようということになりました。そこで、その試みの第一弾として、"2016学校図書館フェステイバル in Nagoya"を実行することにしました。
SLORI、第一声としてのプロジェクト
~「花火をあげましょう!」の声に押されて~
研究者、金と力はなかりけり(実は、力はいつも重いPCや本を抱えているのであるのですが・・。お見せしたい腕の筋肉隆々・・)。第一声のプロジェクトを、学校図書館大賞受賞校である山形県鶴岡市朝暘第一小学校の司書教諭の方と、児童文学の専門家である大阪国際児童文学館の総括専門員の方にきていただくことにしました。運営委員会での、「初回はど~んと花火を打ち上げましょう!」という声に押されての企画ですが、企画が決まって予算書をつくっていくうちに・・・。「う~~~ん。研究所、一年でつぶれないかなあ」という豪華な企画になっていることにきづくという世間知らずです。それでも、言いだしっぺに二言はないとばかり、所長の私(所長というのは雑役係ともいいますが)が気張ってみました。「よっしゃ、みなさんに支援をお願いして、集まらなかったら私が負担する!」タンカを切るや、運営委員のみなさんが、口々に「いいや、やるんだったらみんなで負担を!」と言ってくださるのです(T_T)
こんな熱意ある委員を抱えた研究所が、これからも学校図書館のためにできることは沢山あります。一年でつぶすわけにはいきません。手始めとしてのフェステイバルを花火として打ち上げ、今後の成長の礎にしたいと思っています。
市民と歩む研究所へ
~学校図書館は市民を育て、市民が育てる~
研究というのは、研究室でするものだと思い続けた現職時代…。現在は名誉教授ということで、”名誉”ある時間の使い方をしないといけないと、てくてくと学校、行政、企業、大会等に足を運ぶようになりました。そして、生きている現場の豊かさと真剣さに目が覚める想いで、知らないでいたことの多さに気づき、情報を収集していっています。(まあ、今から覚めても残りの寿命はしれているのでしょうが。残念)そして、よく考えてみたら、この、今の私がやっていることこそが、学校図書館の役割だったのです。学び、現場に出て疑問を抱き、また学校図書館に戻ってくる。そのサイクルこそが人間に真の創造を可能にするということなのに、”研究者バカ”の私はそのことを忘れて過ごしていたのです。(ああ、時間がもったいなかった・・・)この研究所は、そういう意味でまっとうな学校図書館の研究所に育てたい。そのためのフェステイバルでもあります。これまでの数十本の論文、幾冊かの著書、何十回かの研究会発表は血が通っていなかった、と痛感しています。自分も市民だという自覚のもとに、自分を育ててもらった学校図書館を、今度は一市民として育てていく場として、市民の方々と共に歩む研究所へと発展させたいと大望を抱いています。その最初の事業がこのフェステイバルです。
いただいたご支援は講師の方々への謝金と旅費へ
~遠方でも一度は聞いていただきたい話のために~
フェステイバルのような大々的なものではなく、学校図書館関係の研修を楽に開きたい、という場合には、研究所にご連絡ください。交通費だけで、運営委員が伺います。(カンパは歓迎ですが・・・。)でも、フェステイバルでは、遠方であっても聞きに行きたい、でもなかなか行けない、という方々のお話を皆さんに聞いていただきたいのです。この謝金と旅費が15万円かかるのです。あとの労力は研究所の持ち出しです。ご理解のうえ、ご支援をいただきますよう、お願いいたします。
研究所らしいリターンを
~学校図書館の理解が深まるものを~
SLORI特製はがき・SLORI特製ファイル・学校図書館宣言(SLORI訳)ポスターを、研究所と学校図書館宣言普及のために作成しました。また、出向いて研修会の講師をさせていただくというリターンもあります。研修の内容は、学校図書館に限らない生涯学習のテーマに対応することができます。
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