12月3日23:59分を持って、「双子妊娠がわかったときに読む最初の一冊を作りたい!」のためのクラウドファンディング期間が終了します。
直接的なご支援のみならず、情報を関心がありそうな方々や双子・多胎家庭の方々などに届けていただくなど、たくさんのご協力、応援をありがとうございました。
いまから4年ほど前、突如スマホの画面に出た「双子だって!!」という妻からのメッセージ。右を見ても、左を見ても、双子家庭はおらず、当時長男(3)と次男(1)を抱えていました。
(一応)事前アナウンスをされてはいましたが、本当に訪れる”その日”からの管理入院、妻不在で2ヵ月の父子家庭状態。そこを抜けると双子を含む男児四人の生活。
長男・次男のときは、できるだけ妻の身体の回復を最優先に仕事とのバランスを取っていたつもりでしたが、同じようにしようとしても、さすがに手が回りませんでした。
妻が倒れるように休んでいるとき、足首に哺乳瓶をセットして座布団に寝かせた双子にミルクを飲ませ、うんちをしてしまった次男のオムツを両手で交換しながら、長男とコミュニケーションを取っていたドタバタもいまは別の形に変わっています。
もう双子も自分でトイレにいけるようになり、ちょっとしたそそうはありますが、自分のことは自分でできるようになってきました。「パパ、ウンチもれちゃった」と「お醤油取って」を同じレベルで受け止められる自分を作ってくれたのも、双子であったおかげかもしれません。
ダブルでの抱っこ紐は、ダブルバギーに変わり。いまは二つのキックボードへと乗り物が変化しました。もうしばらくすると補助輪自転車、そして自転車へと変わっていくのだと思います。
いうまでもなく乳児期は24時間体制から始まり、少しずつ自分の時間を取れるようになってきますが、双子の場合はその期間も長く、「どちらかの時間」を取れるようになるまでだいぶかかった気がします。そしていまは自分の時間を取ることがちょっとできるようになってきたかなくらいです。
この本を作ろうと思ったきっかけのひとつは多胎家庭による痛ましい事件(社会的事故)もありましたが、双子が4歳になろうとするとき、これまでのことをぼんやり思いながら、
「いろいろ大変なこともあったけれど、”自分は終わった”からOKで終わらせてはいけないのではないか」
というものがありました。これから先も双子・多胎出産は続き、何も変わらなければ、何も起こらなければ、自分たちが苦労したり、つらかったりしたことを、次のひとも必ず通ることになってしまう。そんなんでいいんだろうか、何か偶然にも双子の父親になった自分が、これから双子家庭仲間になるひとたちのために残せるものがあるのではないか。
そう思って、まずは本を作ろう!と思うに至りました。いつ、誰が読んでくださるのか。そもそも本当に役に立つのかわかりません。
それでも、「双子の父親だったひとが書いた本があるんだー」ということだけでも、そこに情報があるということになりますし、そのなかでひとつでもしんどさが軽減されるものがあったり、周囲の方々の配慮や声掛けがしやすい(援助)双子家庭が受けやすい(受援)ことへのきっかけになったらいいなと思います。
双子はこの社会にとって特別な存在であると僕は考えていません。出生率的にもそうですが、街中で見かけることもあれば、学年や学校に一組くらいいたのではないでしょうか。
社会人になってから出会った友人や同僚は双子かもしれません。自己紹介でわざわざ双子であることを言うことは少ないと思います。
双子は本当にレアなものではありませんが、双子家庭になった瞬間、妊娠期から出産、そして子育てしている家庭にとってすべての環境が特別になってしまい、それは特に孤立や孤独を生んでしまいます。
双子は知っていても、双子家庭という見えづらい世界のことを知る機会はあまりありません。
この「特別でない世界」と「世界が特別になる」ことの間をつなぐことが、この本の役割かなとも思っています。
残り1日となりました。最後まで応援いただけたら嬉しいです!!