2019/07/25 12:54

「シンガーソングライターとして
15年間活動してきました」と言うと、
 
「CDは何枚くらい出したんですか?」と
聞かれることがあります。
  
・・・実は、“たった1回”です。
 
2008年に出したアコースティック版の
ベストアルバム。これが唯一の作品です。
  
 
もちろん、ソングレターをCDで納品する
ことは多くありますし、他のアーティストの
CD制作のサポートはたくさんしてきました。
  
でも、「自分の作品集を形として残す」という
ことにはあまり興味がなかったんですよね。
 
それよりも「一期一会のライブが音楽の醍醐味!」
そんな風に思ってました。
 
 
そんな自分がいま、クラウドファンディングで
「キャンペーンソングをCD化したい」という
プロジェクトをしています。
 
そのきっかけをくれたのは、昨年出会った
山口久美子さんという女性でした。
 
 
ガンで入院中に「曲を作りたいんです!」と
連絡をくださった久美子さんは、曲を作らせて
いただいてから2か月後に、旅立たれました。
 
生前に一度だけその曲を披露した動画が
こちらで視聴できます。
 

 
作曲家という仕事柄、自分の曲で泣くことは
余りありません。
 
でも、この動画に関しては、何度再生しても
涙がとまりませんでした。
 
悲しみではなく、感動で、何度も心が
揺さぶられるんです。
 
 
「今、入院中です。この出来事で、私なりに
命と向き合い、今オリジナル曲を作りたい!
という想いが沸き上がりました。
 
イベント出演が決まっていて、入院になって
しまったので、キャンセルも考えたのです。
 
でも、今の私だから伝えられることがある。
なんだかみなぎってきて。
 
対面は難しいと思うし、時間もないのも
わかるし、もしかしたら体調次第では
出演キャンセルになるかもしれないのですが
それでもやってみたいのです」

 
 
そんなメールをもらって、退院後にSkypeで
作曲セッションして曲を作った時間のことを
今でも覚えています。
 
曲という形にしたことで、彼女の素晴らしい
想いを遺すことができた。
 
それができたことをとても誇らしく思いました。
 
 
さらにはその後、友人たちがそのオリジナル
ソングを合唱してCD化しようという
プロジェクトが進行しているということを
知りました。
 
CD化することによって、彼女が残したお子さん
たちにCDの売上を渡したい、とのこと。
 
「CDという形があることで、目に見えない
想いや愛が、そこに集まるんだ…」
 

それは、15年間活動してきて、僕が気づいて
いなかった音楽の価値であり可能性でした。
 
 
だから今回、CD制作にチャレンジしています。
 
ひょっとすると、自分一人で資金を用意して、
自分のペースで形にした方が簡単かもしれない。
 
でも、「クラウドファンディングでCD化する」
というやり方を選んだのはそれが理由です。
 
 
「CDというのは、目に見えない想いや
愛を形にしたもの」。

 
10曲入りの予定なので、10人のキャンペーン
応募者の想いが形となり、そこに愛が集まる。
  
7月30日(火)の締切まであと6日。
 
共感してくださる方と一緒に形にできることを
心から願っています。