はじめに・ご挨拶
はじめまして!
私たちは、オルタナティブ大学のシューレ大学に通う学生の古谷寛世と、脊尾花野と、豊雅俊といいます。シューレ大学には、不登校やひきこもりを経験した人、あるいは大学進学や就職した後の社会で「苦しさ」を得た若者たちも多くいます。このプロジェクトを進める私たち3人も、不登校を経験したり、学校に行きながらも「苦しさ」や「課題」を抱えたりして、シューレ大学に入学しました。今は英語、地理歴史公民などの座学や映像、絵画、デザイン、自分研究(当事者研究)などを学びながら、自分の生き方を少しずつ形にしていこうとしています。
このプロジェクトをやろうと思った理由
▼若者たちの「生き難さ」
皆さんは、「生き難さ」という単語を耳にしたことがあるでしょうか。近年、若者の自殺率に注目が集まるなど、若者たちがなにがしかの「苦しさ」「生き難い」感覚を抱いていることが少しずつ話題になってきています。
今の社会には、少なくない若者が息の詰まるような「生き難さ」を感じ、「生きること」に悩まざるを得ない状況があります。私たち、シューレ大学の学生の中にもそうした様々な「生き難さ」に苦しんだ人が、数多くいます。
例えば、ある人は、学校でのつらい人間関係などによって不登校を経験し、それ以来、そんな自分は「人より劣っている」「打たれ弱いダメな存在だ」と、とても強く自己否定するようになりました。そして、そんな自分は「幸せになってはいけない」「楽しく、活き活きとしてはいけない」という縛りを自分に課して、関わりたい人と関わることも、何か関心のあることをやろうとすることですら、あまりにも怖くてできなくなりました。
また、別の若者は学校で常に成績で評価され、自分の価値すら決められてしまうことの苦しさやいじめの経験によって、不登校になりました。しかも、不登校後にお金を稼がなければと入ったバイト先でも人から評価され続ける経験をして、「人が怖い」という感覚が体に染み込んでしまったといいます。ちょっと仕事で間違ったことをしてそれを指摘されると、存在を否定されるようなショックを感じるようになっていったのです。
あるいは、いわゆる一般の学校教育やバイトなどを経験してきて、それでも、その既存の学び方や働き方にどうしても合わない・納得いかないと感じている人もいます。
既存の学校や働き方に合わない若者たちが、それ故に「自分がこの社会の中で生きていていい」とすら思いづらくなる背景があります。必死に社会のスタンダードに合わせようと無理をしてもうまくいかず、「そんな自分はやっぱりダメだ。生きることが向いていない」と自己否定感を募らせながら、学び・働くことに行き詰ってしまうのです。それは、「自分として・人として生きる」ことすらできづらい状況だと言えます。
私たちは、この若者たちを取り巻く状況は、今の社会の中で人が生きていく「生き方」の幅がどこか狭いこと、そして、若者たち自身が自分の苦しさも含めて自分自身がどう生きたいかを丁寧に考える機会が少ないことによって起こっているのではないかと考えました。
このプロジェクトで実現したいこと-「生き難さ」を解体し、「生き方を創る」
▼「生き難さ」からの解放を目指して
私たちシューレ大学の学生は、そんな「生き難い」状態を若者たち自身の手で切り開いていく試みをしています。自分の「生き難さ」と向き合いながら、「自分を捨てずに」いられる新しい生き方を創る学びや活動をしていこうとしています。
その一つの重要な学び・活動に、それぞれの人が自分自身にとっての切実な苦しさや過去のつらい経験について「それは一体どういうものなのか」「なぜそのようにつらくなっているのか」「どうしたら自分の望む方向に進めるのか」を当事者研究的に、じっくりと向き合い分析的に考える「自分研究」があります。例えば、「自分は幸せになってはいけない」という縛りや、人への恐怖感といったつらさを自分研究で自分なりに分析することで、その苦しさを解きほぐそうとしています。
もう一つ重要な取り組みは、その人の関心に基づいた学びと将来に向けたパイロットプロジェクトです。シューレ大学では、語学、歴史、社会学、数学、Web制作などの座学系講座や、デザイン、映像、演劇、美術などの表現を深めるプロジェクト・講座が多数あります。自己否定感やつらさを解体することと並行して、「自分はどんなことに関心があるのか」「どのように生きていきたいのか」を丁寧に探りながら、関心のある講座・プロジェクトでその分野の学びをとことん専門的に学ぶことができます。最首悟さん、平田オリザさん、上野千鶴子さんをはじめとした各分野の専門家、約50人がアドバイザーとしてシューレ大学の学び・活動を支えてくださっています。そして、パイロットプロジェクトを通して、学生一人ひとりが関心のある分野で深めた学びを活かして、自分が擦切れるような形ではなく、お金になる仕事につなげていくことを実践しています。
最近では、OBOGが立ち上げた社会的企業「創造集団440hz」との連携で、デザインを学ぶ学生が創ったオリジナルデザインカレンダーの販売や教材用ビデオの製作、ホームページ制作の仕事などを行っています。(※写真:左から順に自分研究論文集「シューレ大学紀要」、オリジナルデザインカレンダー、教材用DVD『世界の教育最前線シリーズ』)
自分はどういう存在なのか、何をしたいのか、どう生きていきたいのか。同じ大学の仲間やスタッフやその他いろんな人々と繋がりあって「生き方を創る」ことで、若者たちの「生き難さ」の問題に解決の糸口を見つけようとしています。
また、そうした「自分から始まる生き方」を求める若者は増えてきているように感じます。さらに、そうした生き方を創る試みは、日本国内だけでなく、日本と似た問題を抱える東アジアの国々の若者たちにも強く関心をもたれ、国際的にも拡がりつつあります。
▼「自分から始まる生き方」を創る試みを拡げていきたい!
そこで、私たちシューレ大学の学生は、若者たちが自分自身で自らの生き難さを解体し、「自分から始まる生き方」を創る試みをもっともっと深めて、自分に合った生き方を求める多くの人々に知ってもらい、ともに考え合うイベントを開催しようと思ったのです。
イベントでは、設立から20年間、若者たちが「生き難さ」と向き合い「自分の生き方を創る」学び・活動をしてきたシューレ大学の試行錯誤の共有をします。また、特別講師をお呼びして、生き方を創る基本となる「自分」の捉え方について講演をしていただきます。そして日本の若者と、同じく「自分の生き方を創る」実践をしている他の東アジアの人たちとによるシンポジウムを開く予定です!
『自分から始まる生き方を創る』の開催は6月22日(土)です。しかし、このイベントは、学生が自分たちの手で開催するため、自主資金には限界があり、苦労をしています。そこで、イベント開催のために、皆さんの応援をいただければと思い、このクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げました。ご支援いただいた資金は、イベント開催のための会場費その他に使用させていただきます!
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、イベントは開催し、リターンもお届けします。
リターンについて
ご支援は3000円から選択していただけます。
ご支援いただいた方には、どのコースでもイベント自体への参加チケットをお送りします!
その他には、シューレ大学の学生やOBOGたちによって書かれた「生き難さの中でいかに生きるか」をテーマとした書籍『閉塞感のある社会で生きたいように生きる』。
シューレ大学の学生たちが、自身の切実な問題を当事者研究的に深めて書いた論文を集めたシューレ大学の紀要『世界を自分に取り戻す』(自費出版)。映像を学んだ学生たちが制作したオリジナル映像作品のDVDなどをリターンとしてご用意しています。
(※リターンの書籍は出版社からの許可をいただいています)
(※ご購入いただいたリターンの著作物の権利につきましては、起案者 に帰属するものとさせていただきます)
最後に
若者が、ひいてはすべての人が、「自分を殺さない」よりよい生き方を創っていく試みを拡げるために、このイベントを、ぜひ応援してください!
イベント「自分から始まる生き方を創る」情報
【日時】
2019年6月22日(土) 13:30開演
【会場】
池袋ISPタマビル 8F(ワーカーズコープ連合会 会議室) 池袋駅東口 徒歩6分
【プログラム】
◆特別講師による講演
◆シューレ大学20年の活動を紹介するプレゼンテーション
◆「閉塞感のある社会で自分から始まる生き方をどのように実現していくのか」をテーマとしたシンポジウム(東アジアのシンポジストを含む)
とかくこの世は生きにくい。社会で生き抜いていくには、仕事も人付き合いも難しく楽ではない。何かにつけて自分の欠点ばかりが目に付いてしまう。追い詰められて、いつか自分は人をあっと言わせるようなビッグな存在になるのだ!と一人胸の奥を熱くしたりもするけれど、次の日には自分が駄目で弱くてしょぼくれてしまうようなことがある。
社会には当てはまらなければいけない枠組がある。はみ出してしまうとヤバイ枠がある。と感じてしまう。そんな枠組みに自分を当てはめられるとは思えないし、実は当てはまりたいと思わない自分もいる。そもそも自分はどんな風に生きたいのか、どうしたらそのように生きられるのか。ささやかでもそこを原点に生きて生きたい。自分の生き方を創っていければ、この世はきっと生きやすい。
閉塞感のある「生き難い」この社会で、どうしたら「自分の生き方」を創ることができるのか。そんな切実な問いを考えあうイベントを開催します!
皆さん、ぜひお越しください!
【クラウドファンディングメンバー紹介】
▼古谷寛世 茨城県水戸市出身
私たちの考える「生きたいように生きる」は、今の社会ではなかなか難しい事です。 義務教育を終え、大学に入り就活をして…中には社会の波に上手く乗れずに自ら命を絶つ人もいます。 近年、学歴などに捉われずに「生きたいように生きる」ことが少しずつ可能になっています。 インターネットが普及したおかげで様々な人の活動や情報が手に入り、連絡を取ることもできるようになり、クラウドファンディングなどを使い学歴に関係なく企画したプロジェクトの資金集めを出来る時代になりました。 しかし「生きたいように生きる」はまだまだマイナーな考え方ですが、時は令和、私たちシューレ大学の学生と「生きたいように生きる」を大切にして模索していきましょう!
▼脊尾花野 広島県福山市出身
窮屈で緊張感を感じるこの社会の中で、私たちはどのように豊かに生きていけるのだろうかと考えます。自分たちから始まる生き方とはどんなものなのか、少しでもこの世で生きていくことに希望が持てるような時間を共に作り、共有できるといいなと考えます。ぜひ、応援をよろしくお願いします!
▼豊雅俊 神奈川県茅ヶ崎市出身
大学では自分の生き方を模索しています。今回のイベントを通して同じく生き方を模索している方と出逢い繋がりたいと思っています。よろしくお願いします。
お問い合わせ先
『自分から始まる生き方を創る』実行委員会 クラウドファンディングチーム
古谷寛世・脊尾花野・豊雅俊
shureunivlive@gmail.com
最新の活動報告
もっと見るイベントまで1週間をきりました!
2019/06/16 19:35こんばんは、シューレ大学の脊尾花野です。イベントまでなんと1週間をきりました!!わー!!6/22(土)13:30開始の「生き難さ」を解体しながら自分にあった生き方を創る実践を紹介し考え合うイベント「自分から始まる生き方を創る」の準備を、シューレ大学のいつもの講座もあるなかで時間をさきながら進めています!シューレ大学の実践を紹介する映像の制作、記念冊子の制作、イベントの広報、当日のパーティーなど、各チームに分かれて進めていますが、先日は当日担当を決めるミーティングを持ちました(一番上の画像です)。また各々の担当で準備をしていきます。日々、イベントに向けてやることが盛りだくさんでてんてこ舞いですが、このイベントをいいものにしたいという気持ちで精いっぱい頑張っています!「生き難さ」に関心のある方、どうやって生きたらいいか、悩んでいる方、どうぞイベントにお越しください!クラウドファンディングチーム:古谷寛世、脊尾花野、豊雅俊 もっと見る
イベントで上映する映像の編集大詰めです!
2019/06/13 22:13映像作品の監督を担当した豊です。イベントまでいよいよ日にちが迫ってまいりました。今は黙々と編集作業に励んでいます。編集作業は主に一人でやるので、視野が狭くなって編集が行き詰ってしまう事があります。そんな時は、シューレ大学に居る他の学生を捕まえて、雑談や、最近考えてる事、ちょっと悩んでいる事などを話します。そして冗談も交わして少し気持ちをリフレッシュします。そうすると、編集に向かう気持ちになれ、行き詰っていた原因も実はたいした問題ではなく、スッと解決したりすることがあります。こういう時に安心して繋がれる人間関係がそばにある事にとても助けらているな、と思います。物理的に近くなくても、同じような価値観で繋がれる人を世界に増やしていくことも、僕の人生を豊かにしてくれるのろうな、と思います。あと8日、頑張るぞ。 もっと見る
生きたいように生きたい!~不登校、引きこもり:外に行きたい編~
2019/06/11 16:01沢山あるクラウドのページからこの投稿を閲覧頂きありがとうございます。シューレ大学学生の豊雅俊といます。この度「生き方を創るイベント」をやりたい。という思いは、より多くの僕たちと同じように生き方を創りたいと思っている人達とつながりたいから、という思いからです。まずは自己紹介として、「生きたいように生きたい!~不登校からフリースクールに出会うまで編~」を書きたいと思います。 僕は中学一年の二学期から不登校になりました。なぜ不登校になったのか? 実は今でもはっきりと言葉にすることが出来ません。 ただ、当時の僕は学校へ通う事がとても苦しく、中学校に上がってからは上下関係や校則がとても厳しくなり、学校の中にいる間とても緊張していたことを覚えています。部活動も運動部に入り、夏休みも休みなく練習が続いていくことにとても疲れていきました。そんな緊張と疲れで考える事が出来なくなったある日、部活の練習開始時間を間違えてしまい。練習中の皆の前で、顧問の先生に叱責されたことを覚えています。その時にとても惨めで、自分は醜く馬鹿でどうしようもない存在なんだ。という思いが、肌に染み込んでいくようでした。その後、身体が中学校へ行くことを拒むかのように胃腸炎になりました。病気になり学校に行かないことは許されましたが、病気が治るとまた学校へ行くことを親からプレッシャーとして受けます、しかし、僕の気持ちはもう学校へ向かう事は出来ずに、家の中に居場所が無くなった僕は家出をしました。学校へ行くことが出来なくなった僕は、家出をしました。しかし、行くあては何処にもなく、夜中になって親に見つかり「そんなに学校に行きたくないのなら行かなくてもいい」と言われ、その言葉にとても気が楽なったのを覚えています。その後は昼夜逆転の引きこもりを経験し、中学三年に上がって、高校進学なども進められましたが、どうしても学校の中に戻る気にはなりませんでした。その時は言葉にすることも出来ないくらい淡い希望、夢想のようでしたが、もっと心躍るように生きたいと思っていました。でも、とても実現は出来ないだろうなと一瞬で掻き消える思いでもありました。その当時1997年ごろ、世間では「不登校」というワードが連日のようにテレビで流れていました。自分も不登校なんだな、と思いながら、一体どうやって僕は働き食べていくのだろう、と毎日考えていました。 就職、とても出来そうにない。ああ、今は学校や仕事ではなく、同じような境遇の考えや近しい人と話したい何かした。そんな思が募っていく中、僕は新聞を隅々まで読んで「不登校」「フリースクール」と言う単語に目を光らせていました。テレビ番組のラテ欄に「不登校」「フリースクール」という言葉が入っている番組は何でも見ていました。そんな時、新聞に「不登校新聞創刊される」というとても小さな記事を見つけ、これだ!と思い、親に購読をお願いしたのでした―次回 「生きたいように生きたい!~シューレ大学:自分から始まる生き方を模索する編~」 もっと見る
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