「寿から絵を放つ」プロジェクトとは
俗に三大ドヤ街と呼ばれる横浜・寿町を舞台に展開されている地域プロジェクト「KOTOBUKIクリエイティブアクション(2011年度名称:コトブキ案内2011)」の一環として、絵描きである幸田千依が2011年9月から11月にかけて取り組んだアートプロジェクトです。
参考URL
・KOTOBUKIクリエイティブアクションhttp://creativeaction.jp
・コトブキ案内2011 http://2011.koto-buki.info/
本プロジェクトは、様々な事情でひそやかに生活する方が多くいらっしゃる町を舞台に行われたため、一般的に広く集客を呼びかけて「観賞」をしてもらうスタイルではなく、限られた人数を対象としたツアーや公開制作というかたちで発表されました。
しかしながら、ここで得られた深い体験をまた別のかたちにして広く発表したいとアーティストおよびプロジェクトマネージャーは考え、出版社を通してドキュメントの書籍化を行うなどの術を探っています。
ここではその活動と、発行に合わせて企画を進めている新プロジェクト「絵のパレード」のための費用を集めたいと思います。また、ドキュメントの出版や新プロジェクト参加にご興味のある編集者・出版社様やアーティストの方も合わせて募集します!
※寿町は、東京の山谷、大阪の釜ケ崎(あいりん地区)と並んで俗に「日本三大ドヤ街」と呼ばれています。かつては日雇い労働者が多く宿泊し栄えていましたが、労働の需要が減少するのに伴い人口が減少、近年では高齢者や生活保護受給者の方々が多く住む福祉のまちへと姿を変えつつあります。近くには中華街や元町商店街などがあります。
アートプロジェクト「寿から絵を放つ」について
幸田は2010年に知人のアーティストの誘いではじめて寿町を訪れ、描いた絵をフリーマーケットのようにして通りがかりの地域住人に見せ、お金で買ってもらうのではなくドキュメント撮影をさせてもらうことや、住居にきちんと飾ってもらうことを条件にプレゼントするプロジェクト「寿に絵を放つ」を展開しました。そこで得られたのは、表現を通した個人対個人の深いコミュニケーションでした。
しかし普段のアトリエで描いてきた絵を持ってくるというやり方に違和感が残ると同時に、寿町や住人のことをもっと知ってみたいという気持ちが芽生えます。
そこで2011年には、自主的に寿町という地域に向き合い、絵をあげる相手を探してからプロジェクトに取り組み、寝食と制作の場も3畳1間の簡易宿泊所(ドヤ)を選びました。「寿に絵を放つ」ではなく、「寿から絵を放つ」―。活動を通して自らがどのような体験をしているのか、オープンスタジオやツアーを行いながら、興味を持った来訪者と共有していきました。
日々綴られたブログや、ドヤの壁面に紙で貼られていった自身・地域住人・来訪者によるアナログなつぶやき「ドヤツイッター」などで、その様子をうかがい知ることができます。
最終的に、幸田は2人の地域住人のための絵を完成させ、彼らの部屋を訪れて絵を飾り、お礼に詩を読んでもらうなどのかたちで、表現を通してアーティストならではの関わりを持つことができました。
参考URL
・寿から絵を放つ ブログ http://ewohanatsu.blogspot.com
・Local Network Magazine「colocal」寿町・幸田千依特集 http://colocal.jp/
書籍「寿から絵を放つ」について
ただ単にプロジェクトをいわゆる記録集のかたちにするのではなく、幸田が新たに書き下ろすエッセイを中心にするかたちでドキュメント化したいと考えています。
読み手がプロジェクトを現場で説明・案内してもらっているかのような印象を受ける形でまとめあげていき、そこに記録写真やブログ、ドヤツイッターなどに綴られた言葉を加えていきます。また、描きあがった絵についてもその画面が持つ力が十分に引き出されるようなかたちで掲載したいと考えています。
もちろん、出版社を通して発行する場合は、編集の方向性を含めて一緒に話し合いながら進めていくことになると思います。
支援金の用途:原稿費、撮影費、編集費、装丁デザイン費など
新プロジェクト「絵のパレード」について
「寿から絵を放つ」最終段階で生まれた新プロジェクトのアイデアです。美術館やギャラリーのように、絵が展示されている場所に鑑賞者が訪れるのではなく、絵がまちの中に出かけていき、沿道に居合わせた方にそれを見ていただく1DAYイベントを行いたいと思います。
これは幸田ひとりで行うのではなく、有志がひとり1枚の絵を持ち、連なってパレードするかたちで行う予定です。自分の作品で参加したいアーティストや、一緒にパレードしたい方、企画制作・運営や記録にご協力いただける方も同時に募集します。
「寿から絵を放つ」で行った1対1のコミュニケーションの可能性をさらに広げる試みです。
▲「絵のパレード」キャラクター"歩く絵くん"
支援金の用途:チラシ制作費、パレード運営費、記録費など
作家より
寿町に初めて行くと 街の特殊さ おもしろさ 人間同士の近さ を思います
そして昼間から堂々とワンカップを呑みます
しばらくいると 街がもつ闇 人の業 にっちもさっちもいかない状況 何もできない無力感 でもそこで行われているたくさんの力強い動き がのしかかります そしてまたワンカップを呑むしかありません
そうやってワンカップを呑みながら それでも考え 見続けると やはり焦点はにんげんに合ってきます
自分の立っている位置 から 人をみます そして 出来る限りのことをやった
その結果 寿町は「ふつう」の街になりました
わたしが 変わったからです
幸田千依プロフィール
1983年 東京生まれ。多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。
絵を描いています、プールと人の絵です。
それは、色々な相関図のような絵です。
近年は滞在制作などであちこちに行くことが増えてきました。
2008年 ギャラリー代々木(東京)[個展]
2009年 大開眼界/Soka art centaer(台北)、2009年 混浴温泉世界(大分)、2009年 甑島で、つくる(鹿児島)、2009年 わくわくJOBAN-KASHIWA(千葉)
2010年 一枚の絵の力/island(千葉)、2010年 わくわくKYOTO(京都)、2010年 眼差しと好奇心/mizuma action(東京)ほか。
現在は台北市・横浜市アーティスト交流事業2011により、台北市中心部にあるTAV(Taipei Artist Village)で活動中。
オフィシャルサイトhttp://kodachie.com
最新の活動報告
もっと見る御礼/プロジェクトの今後について
2012/04/21 10:48本プロジェクトを応援いただきました皆様、誠にありがとうございました。こちらのプロモーション活動が力及ばず、CAMPFIRE上ではSUCCESSとはなりませんでしたが、何かしらのかたちで書籍化および「絵のパレード」の活動には挑戦したいと思います。また別のかたちでご協力をお願いすることもあるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る
台北で絵のパレード!
2012/04/16 22:01台北でアーティスト・イン・レジデンス活動中の幸田千依ですが、あちらで「絵のパレード」に挑戦しました! 滞在中に描いた絵を市街地や観光地など、様々な場所で3日間に分けてパレードしたようです。何やら「歩く絵」グッズもいろいろできている様子。 詳しくは彼女のブログをご覧ください。楽しい写真がたくさんアップされています。 寿町では、自分の作品だけではなく様々なアーティストに声をかけてよりたくさんの絵でパレードしたいと考えています。ぜひご支援ください! もっと見る
4/8公開トーク詳細です!
2012/04/06 12:24※USTREAM映像配信にてお届けします[日時] 2012年4月8日(日)18:00~20:00[URL] http://www.ustream.tv/channel/hashimon俗にドヤ街と呼ばれる横浜・寿町を舞台に、2008年からアートやまちづくりに関わるプロジェクト「KOTOBUKIクリエイティブアクション」を実施してきた寿オルタナティブ・ネットワーク。2011年度は「コトブキ案内2011」や「寿灯祭」などを中心に取り組んできました。この度、事務局からの報告に加え、特に精力的に活動を行ったアーティスト幸田千依と共にその振り返りを行い、今後の活動について考える公開トークをUSTREAMライブ映像配信にてお届けします。幸田千依は現在、台北にてレジデンス活動中。4月末に帰国後、寿町での体験をドキュメントにまとめたり、新たに企画している「絵のパレード」に取り組むため、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を活用して支援者の募集も行っています。・CAMPFIRE http://camp-fire.jp/projects/view/173寿町の今やこれから、寿町で活動するアーティストにご興味のある方、ぜひご覧ください![タイムテーブル] ※予定第1部 18:00~19:00・「KOTOBUKIクリエイティブアクション」について・「コトブキ案内2011」ほか2011年度の活動についてプレゼンテーター:河本一満(寿オルタナティブ・ネットワーク 総合プロデューサー)、橋本誠(寿オルタナティブ・ネットワーク プロジェクトマネージャー)第2部 19:00~20:00・「寿から絵を放つ」について・今後の活動についてゲスト:幸田千依(アーティスト)、ほか当日の配信状況は下記Twitterアカウントにてお知らせいたします。http://twitter.com/kotobukinet もっと見る
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