2019/09/10 17:35

クラファン日記⑧「勇気をくれた人」


写真の彼のことをお話させてください。

去年の暮れからたくさんの人との出会いがあり、活動は随分と活性化したように思います。多くの方にご支援と勇気をいただいています。写真の彼もそんな中のお一人です。


仕事は警備員です。(見たままの笑)


現在、月一でイベントを開催している「海老原商店」の道路を挟んだ向かい側に巨大なビルが建設中で、今年の2月から僕が頻繁に向かいの「海老原商店」に出入りしているのを彼には目撃されていました。


最初のうちは、実は勝手に引け目を感じていたんです。


だって、工事現場の人って本当にバリバリ仕事しているし、ビルもどんどん目に見えておっきくなってく。我々もダンスを本気でやっているし、仕事と思ってはいるけど、生産性はなく。。。「若い者が昼間から働きもせずに何やってんだ」とか思われているに違いないと、勝手に思ったりしていました。


転機が訪れたのは5月の頃でした。

月一イベント2回目の「集約させないパフォーマン」のリハーサル中でした。なんと彼の方から「これってダンスだろ」って話しかけてきてくれたんです。「あっちで話してたんだけど(工事の仲間と)。あいつらパントマイムとか体操とか、いろいろ言ってんだけど、俺はダンスじゃないかって思うんだけど。それも自由に表現する系の」


なんだか、涙が出るほど嬉しくて、「ハイそうです。自由に表現する系で!いろんな人にもっと観てほしんです」って答えました。


それからは、海老原商店の行くたびに挨拶したり、雑談をするようになりました。そして彼に話を聞いてか、工事現場の人もちょいちょい観にきてくれたり、話しかけたりしてくれるようになりました。


その時に気がつきました。

ダンスをしていれば、そして見るためのハードルさえ低くすれば、あんがい観てくれる人はいるんだなと。こんなことして何になるんだろうって思ってしまうこともあるので、勇気をもらいました!


彼がどんな人生を送ってきたのかは想像もつきませんが、毎日通う現場のすぐ前で変わったダンスが毎月行われる、そんなことがなければ、彼は一生こんなダンスは見ることもなければ、知ることすらなかったと思うのです。


同じように、これまでダンス見たり劇場に来たりすることがなかった人たちが、無料だからといって果たしてきてくれるかはわかりませんが、次回の公演を観ていただくためのハードルをとにかく一度めいいっぱい下げてみたい!


それが今回の挑戦なのです。


後日談ですが、明日で彼はこの現場を去るそうです。ビルが完成したので。バンザイ!!

寂しいですがこればっかりは仕方のないことです。勝手にですが「勇気」をもらったり「恩」を感じたりしたので、寒い冬に備えて靴下をプレゼントしてきました。


「(好きなことを)どんどんやりなさい」そういってくれた彼。

ありがとうございました!

そしてお疲れ様でした!!!