今回はMana'olana代表の布施田祥子さんに、リターンに出ておりますレディースストラップシューズの開発裏話をお伺いしました。まず、スタートから。なんで靴を作ろうと思ったのでしょうか。
【布施田(以下布)】もともと大好きなブランドの靴がはけなくなって、悔しくなったのがはじまりです。発病後、治療もリハビリもあった。でも退院してからの生活の方が長いのに、おしゃれもあきらめなくちゃならないなんて、なんかおかしい、違うなって思いました。それで「エナメルのひも靴がはきたい」となって。
周りの反応はいかがでしたか?
【布】みんな反対しましたね。靴づくりの素人が、しかも装具対応なんて絶対大変だって。やってみるとこれがほんとに大変で(笑)。
それでもあきらめないで、半年がかりでメーカーさんとひも靴を作り続けたんですが、うまくいきませんでした。
どこが難しかったんでしょうか。
【布】靴のフィット感です。装具をつけた側にあわせると、健足の方にホールドされた感じがなくって。何足も作ったんですけどどうしても納得できなくて、思い切ってひも靴をやめてみました。
思い切りましたね! 半年を棒にふったんですか!
【布】ここはいったん頭を冷やそうということにしました。装具ユーザーにアンケートをとって、欲しい靴についてきいてみたんです。そしたらストラップシューズが一番人気だったので、そちらの制作にとりかかりました。
こちらはエレガントですね。装具にあうのかな?という感じがしますが。
【布】これが意外(?)にゲイトソリューションにうまくはまったんです。ストラップが良かったのか、それとも支柱を逃すデザインが良かったのか。おかげで今はフィット感ありありです(笑)。
フィット感の他に、工夫した点はありますか?
【布】なんといっても片手で装着しやすいところですね。これって私みたいな片麻痺さんだけでなく、四十肩のスタッフにも重宝してるみたいです。
人生長くなったので、体の一部が少し不自由になるって誰にでもありうるよねって。そんなみんなのために、おしゃれなのに扱いやすいものを作る! そんな使命感にあふれています(笑)。
自分のための靴のはずが、いつのまにかみんなの靴になりましたね。
【布】ほんとに。靴を作っていく途中でいろんな当事者の話を聞くうちに、みんなもっとでかけようよ!って、応援したくなったんです(笑)。みんなでかけて、いろんな体験をして、自分も周りも変えていこうよって。
自分の好きな靴が欲しいってだけなら、オーダーメイドで作ればよかったんです。好きな形で。
でもみんなにもはいてもらいたくなった。それでキラキラっとでかけて欲しくなったんです。それが障がい当事者を囲む世界を変える第一歩なんじゃないかなって。みんな我慢して、迷惑かからないようにしている。私はこの現状、変えていきたい。違う選択肢もあるって示したい。そしてもっと楽しくかっこよく、私たちの世界をみんなで変えていこうよって思ってます。そのために、Mana'olanaの靴を使って欲しい、そう思ってます。
ありがとうございました。最後に今のラインナップで布施田さんの好きなカラーを教えてください。
【布】グレイ×ブラックのバイカラー。これはほんとにいろんな服に合わせやすいです。
それとレパードです。
これもみんな反対して(笑)。本物のハラコを使うと値段あがっちゃうよって。でも妥協したくなかった。靴に関しては、本物の革の味わいをお届けできると思います。購入検討よろしくお願いします!