NPO法人ペイン・ヘルスケア・ネットワーク、代表理事の江原です。活動報告では、NPOスタッフの日々の活動やどげんかせんといかん日本の慢性痛医療の準備状況などについてお知らせしていきます。本日は私たちの活動テーマの一つである『まだ痛くない人が「治らない痛み」を知らない』によって起こる社会の壁にについてお話ししたいと思います。 職務質問受けた、ショックだったふらふらしてたからというけども・・・それは患者さんの一言から始まりました。「とんでもないことが起こったよ。おれ昨日職質された…。」みなさんお分かりの通り、職質とは警察官による職務質問。何かこの人怪しいと思った時に、犯罪を未然に防ぐものです。「どういうことですか?夜に歩いてたんですか?」なぜ、普通に暮らしている慢性疼痛患者さんが職務質問されたのでしょうか?薬物常用者??警察官は、ふらふら歩いている患者さんをみて、薬物を使用しているかと考えたようです。すぐに応援要請がかかり、警察官が集まってしまいました。そしてその場で薬物をチェックする検査を受けたそうです。「あんなに検査するんだな。ショックだったよ」首を痛めて腕が不自由であり全身に痛みがあるため、歩行にも影響がありました。もちろん、痛みから来る二次的な症状であることは私たちは理解しています。痛みによるその他の症状が理解されてない患者さんは、障害者手帳も見せ痛くてこのようになっていると説明したそうです。ただ、腕のことが書いてあるだけでふらふらする原因については手帳に書いてありませんでした。そこを説明しても警察官には伝わらず、薬物を使用しているのではと疑ったようです。治らない痛みを取り巻く環境・社会私は、今後このようなことが少しでも減るように、患者さんにこんな提案をしました。市役所・公共施設等でもらえます「こんなものがあるのか、さっそく役所寄ってみるよ」見た目を気にする方だったので、私の提案を受け入れてくれるかわからなかったのですが、よっぽどの経験だったのか、これからはヘルプマークをカバンに付けてみるそうです。患者さんは悪くない、警察官も職務を全うしただけ。でも両者の間にある見えない壁が、患者さんに不快な出来事になってしまいました。私たちは、痛みがない人たちにも痛みのことを知ってもらいたいです。私たちの活動で、社会の中のほんの少しのすれ違いも減らせるのではないかと考えます。「どげんかせんといかん日本の慢性痛医療」には患者さんも多くご参加されます。自分の生活のため、患者さんも勉強し医療者と進んでいっています。活動を一般の皆様にも広く広く知っていただき、ぜひご支援いただきたいと思います。将来の医療や社会のために。宜しくお願いいたします。『どげんかせんといかん』クラウドファンディングサイト『どげんかせんといかん日本の慢性痛医療』特設サイト(一般・医療職向け)サテライトイベント『私たちは痛みの最前線にいる』(リハビリ職向け)