芸術なんて全く縁がないとか、必要ないと思われる方も実際はたくさんいらっしゃると思うのです。私自身もダンサーですが「ダンス」というものの存在がなくなってしまったら生きていけない、とは思いません。どちらかと言うと「そんなひ弱な事を言っているヒマがあるなら生きる術を考えましょうよ」と思うタイプです。子供の頃に震災を経験したことやダンスの仕事で様々な国を旅する中で得たある種のタフさかもしれません。テクノロジーの発展により今ある職業がなくなっていくという話は昨今散々されてきていると思います。急速に変化していくこの時代の中で「人がするからこそ価値がある」ことのひとつとして、芸術が一層重要なものになっていくように思います。さらに現代社会では創造性や発想力を活かして働くことがとても大事になってきていますので、これらの能力を刺激したり育むのに芸術に触れる事はとても良い機会です。また、いろんなことをAIができてしまって仕事が少なくなる分、芸術関係で人がする必要のある仕事を作っていけたらより暮らしが豊かになり得ると思いませんか?ENTERART(エンターアート)は 舞台芸術を通してアートをより多くの人に楽しんでいただける機会を提供することと、地域社会の文化・芸術・経済の振興と共栄を目指して2019年に兵庫県神戸市を拠点に旗揚げしました。今回のプロジェクトははじめの一歩ですが、その先にこれを続けていけるシステムを作り、舞台芸術の分野からも地域社会の経済活動に加わって、地元・兵庫から新しい舞台芸術を世界へ発信し続けたいという目標があります。私たちENTERARTの新しい一歩へ、協力していただけると嬉しいです。ご支援をどうぞよろしくお願いします!
映像作家 の付いた活動報告
前回の投稿にも書いたように「チェリーを三つ入れてください。」の参加アーティストはダンスパフォーマーだけを取ってもバレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンス、そしてヒップホップと幅広い才能が集まっていますが、加えて制作陣には国内外から評価されている経験豊富なコラボレーターが参加予定です。舞台セットデザインは神戸市出身の建築家、津川恵理が担当します。文化庁新進芸術家海外研修生としてニューヨークのハイラインやリンカーンセンターも手がける先鋭的な建築事務所、Diller Scofidio + Renfro(ディラー・スコフィディオ+レンフロ)に勤務した後に、2019年神戸市主催三宮駅前広場コンペ最優秀賞を受賞しました。この広場は通称「パイ山」「でこぼこ広場」などと呼ばれ長年神戸の人々の待ち合わせスポットとして親しまれてきた場所で、津川の新建築は2021年完成予定です。演出・振付の逢坂由佳梨がニューヨークで今年の1月に行われた阪神・淡路大震災の追悼式典で出会ったことがきっかけで今回の参加となりました。映像作家のひとり、JuandrosはNYにて映像製作、箏の演奏、作編曲、インスタレーションや絵画など多岐にわたる活躍をしており、今回はプロジェクションマッピングの映像を担当します。マルチメディア・パフォーミング・グループ、ARISとして逢坂と舞台作品や映像作品を協働制作したこともあります。もうひとりの映像作家、ナカジマユウはアメリカとドイツでの活動を経て、現在は東京を拠点にkofuba LLCを創立し、監督、撮影、プロデュースと様々な形でファッション、アート、ドキュメンタリーまで幅広く活躍するアーティストです。今回のプロジェクトでは音楽から演劇まで多様な知見を持つ彼に、パフォーマーとクリエイターの間を繋ぐような役割を担って貰おうと考えています。そしてもちろん、コラボレーターとして忘れてならないのが本年イギリスのマーシャル・レコーズから世界デビューして益々勢いに乗るインストルメンタル・ハードロックバンド、D_Driveです。ダンスの業界でハードロックの音楽が使用されることは実はあまり多くありません。彼らの音楽と、一見相容れないように思われるダンスの世界が舞台美術や映像も相まってどのように交差していくのか、ご注目ください。このように多様なコラボレーターを起用した背景には、色んなアートを取り込んだひとつの作品を上演することで、それぞれの分野のアートに携わる人や観客に交流してもらえるひとつのきっかけを作りたいという思いがあります。お越しいただく観客の皆さまに、いろんなアートを楽しんでいただけたら幸いです。応援、ご支援をどうぞよろしくお願い致します!!※各アーティストのプロフィールはプロジェクト本文をご覧ください!