「植田明志作品集刊行プロジェクト」も 先日、 300%を突破致しました。
ご支援、ご協力頂いた皆様有り難うございます。
会期は残すところあと1週間(6月19日まで)となっております。
ラストスパート、引き続き、ご支援、ご協力をお願い致します。
今回はリターンのひとつにもなっているキャラクター
「ポーポー」について改めて紹介致します。
2016年に開催された個展「虹の跡」で登場した「ポーポー」たち。
個展終了後も、高い人気を誇るマスコットキャラクター的な存在です。
スタンダードなポーポーをはじめ 羽根の生えたポーポーや、
口髭をたくわえたポーポー、 のんびり寝そべっているポーポーなど
様々な個性的なポーポーたちが登場しました。
個展「虹の跡」の物語の舞台である、
記憶が降り積もって出来た山。
その山に棲む、妖精のような不思議な存在であり、
記憶の案内人であるキャラクター「ポーポー」たち。
何かでひっかいた跡や、思い出を刻んだ落書き、死んだ虫など
何かの "跡" がある場所に現れるポーポーたち。
ポーポーたちは、誰にも気づかれずに存在する "跡” を
静かに見守っているのかもしれません。
今回のクラウドファンディングのリターンでは、
ポーポーの立体作品をセミオーダー形式でお作り致します。
「耳の大きさや形」と「服の色」をご指定頂き
(※色はベースカラーを選んでいただけます)
そのご要望を基に、作家が模様や装飾などの細部を調整して
新たなポーポーを制作致します。
是非、世界にひとつだけのポーポーをお迎えして下さいね。
「ポーポー」
昔、妖精を—
きっとあれは妖精だったのではないか−、
見たことがある。
それは色んなところに居て、 例外なく尻尾に体を沈ませていた。
中には飛んでいるもの、 どう見ても怠けているようにしか見えない者など、
多種多様だった。
僕だけじゃなく、周りの仲間たちも見えているようだったが、
それを口に出す者はひとりもいなかった。
まるで、気づいていないようなそぶりをするのだ。
彼らは、じっと僕の目をみて、その手を小さくぱたぱたさせたり、
口をプルプルと震わせていたりするだけだったが、
僕に何かを伝えようとしているように思えた。
彼らは何かの使いなのだと思った。
つまんで手の上に乗せてみると、
僕と、彼が立っていた場所を交互に見始めた。
彼らの立っていた場所には、何かの跡のようなものがあった。
何かでひっかいた跡や、刻まれたふたりの名前、死んだ虫。
気づくと、手の上から彼らは消えていた。
僕は、すこし考えて、
誰にも気づかれずに死んだ虫の死骸を、
近くにあった白い花の下に、そっと埋めた。