2017/03/09 19:57

本日も『わたしの、領分』稽古でした。

 


主人公・萩野と、その夫のやり取りを中心に。

 


 


子どもを巡って夫婦の意見がすれ違うシーン。

 

 

子どもについて考える。

 

男は「子どもを欲しい」と願い、

女は「子どもを産みたい」と願う。

 


 

「女には子宮がある。これだけは譲れない。だから生き残るのは、最期は女なの。」

(月喰マスカレイド)

 

 

男性は子どもを産めないから。

女性に、いのちの望みを託す。

 

出産は体験だ。

子どもが欲しい、は体験じゃない。

 


だから男はどうしても、産まれてくる前のいのちに対して、女性よりも距離がある。

 

きっと男はいざという時。

母体を第一に考えてしまう。

 


これから産まれてくる子どもと、自分の妻のいのちを天秤にかけなくちゃいけなくなったら。僕は妻を選ぶ。この決断は非情なんだろうか。

 


もし僕が女だったら。自分と、おなかのなか。どちらを取るだろう。わからない、どこまでいっても想像の先に真実はない、だけど答えは決まっているように思える。

 

 

 

家族って何だろう。

ふたりが一緒になって家族になる。

子どもがやってきて家族が増える。

 


先日、7月公演『私を知らないで』の戯曲を書き終えても考えた。

 


 

「家族とは親が子に与えるものじゃない。親子で築き合ってできるものだ」

(私を知らないで)

 


血の繋がりだけが家族じゃない。

ふたり揃ってなくてもいい。僕は片親だけど、不完全な家族だと思ったことは一度もない。 

 


いのちの営みを続けるために。

誰かと手を取り合って次につなげるために。

 


僕たちは、いまここにいる。

 

 

 

『わたしの、領分』は。

受け継がれるいのちの物語でもあります。

 

 

 

 


 

 

わからないこと。答えの出ないこと。
簡単に言いきれないこと。


役者さんたちとともに。
じっと、向き合ってみたい。

【元記事:クレハズム】http://ameblo.jp/hawk86/entry-12254583640.html