僕が子どもの頃から抱いていた違和感がある。「どうして人は自分と同質の人間同士でつるみたがるのか?」。スポーツが得意な人はスポーツが得意な人同士でチームを作りたがるし、オタクはオタク同士で行動する。それは別に自然なことだと思うのだが、スポーツが得意な人×文系のオタク、勉強が得意な人×勉強が不得意な人などがもっと交わったり、仲良くなったりした方が「お互いを理解し合えるし、クラス全員が仲良くなれるのに」。そんなことを考える子どもだった私は、大人になるにつれ「クラス全員が」の部分を「会社全体が」「地域全体が」「社会全体が」「日本中が」「世界中が」に置き換えられないものかと思案した。しかし、最近その違和感の正体を理解した。「多様性」を求めていたのだ。もっというとSDGs(持続可能な開発目標)だ。 私にはじめて「ドリプラ」について熱く語った男が押川敬視さんだ。押川さんは株式会社めだかファミリーグループの経営者として「家族第一主義」を掲げ、子ども、障がい者、高齢者に家族として寄り添い、安心で安全な生きがいのある環境を事業として提供している。押川さんが2016年に開設した障がい者の就労を支援する「就労継続支援B型事業所」からは今日までに8人が一般企業に就職している。一人ひとりの人生設計をサポートする素晴らしい実績だ。このドリプラ宮崎大会もそうだ。2012年に県北で誕生した「ドリプラひむか」は、出場者の人生を変えてきた。これまでにたくさんの大人が熱く夢を語り、それを支援する人の輪が広がり、それぞれ夢の実現に向けて進んでいる。その想いは確実に伝播し、今では中学校の授業の一環になったり、企業の魅力を発見する事業になったりと広がりを見せている。ドリプラは私が子どもの頃に抱いた「どうして人は自分と同質の人間同士でつるみたがるのか?」という違和感に答えを示してくれている。出場者は実に多彩でいろいろな背景を持った人がプレゼンする。そしてそれぞれの夢を認め合い、共感した人たちで夢の実現を応援していく。2015年に国連で採択されたSDGsだが、その前から多様性を認め合い、それぞれの夢の実現をサポートする「ドリプラ」という活動がこの宮崎で展開されていることに驚きを覚える。来年は私も出場したい。