ウルトラセブンねぶた「electric work」
さて、今回はねぶたに絶妙なハーモニーを効かせる「電気」のお話です。
無骨な角材の上にキレイな流線を描く針金が組まれると、いよいよ「ねぶたらしさ」が出てくるのですが「大切な工程」があります。
そう、それが電気設置です☆
ねぶたはもともと七夕祭りに登場する灯籠(とうろう)がルーツとされています。
夏の夜空を照らす優美な山車は、その昔、ロウソクが使われていたようですが、戦後復興を果たした青森のねぶた祭りからは電球等の証明器具に変わり、今日ではその照明器具の使い方が「ねぶたの良し悪し」を左右するほどの大切な表現要素となっています。
この度、ウルトラセブンねぶたの電気設置を担当してくださった方はこれまでに数多くのねぶたを灯し、また、北村麻子先生のねぶたも担当していらっしゃる方です。重鎮の風格を湛えて静かに作業をしながらも、ねぶたの電気について色々と教えてくださいました。
ねぶたの電気設置を担当されている方は、それぞれのねぶたの佇まいに応じて(ねぶた師さんと相談しながら)部位毎に器具を変えて魅せ方に工夫を凝らしていることや、蛍光灯などはその選び方や配置の仕方にも流儀があることなど・・・奥深い話が聞くことが出来、とても充実したひとときでした。
さて、関心しきりで肝心の撮影を怠ってしまった私ですが、その翌朝も撮影を忘れる程の状況に遭遇しました。何と次の「紙貼り」がスタートしたのです!!
紙貼りも熟練のスキルがものを言う工程です。華麗な手さばきで針金に糊を付け、あらかじめちょうど良いサイズに切った厚手の和紙を貼り、余った部分を綺麗にカットしていくといった作業内容です。それも一気に貼るのではなく1マス1マス…!
集中力と根気がいる作業であることは言うまでもありません。
では早速ご覧いただきましょう。
電気設置と紙貼りの様子です。
どぞ!
◇粛々と作業に進める担当者様。感謝申し上げます…☆
◇エレキングの右腕側からのショットです。先回の画像理解度数:難易度 A だった同じ位置からです。電球が付いたら益々複雑に見えますね。(笑)
◇エレキング頭部。紙貼りはお手伝いの方が中心となっているようです。
◇エレクトリックエナジーをたっぷりと湛えたエレキングさん。
◇セブンさん。後ろの波しぶきとエレキングの尻尾はもう紙貼りが進行しております!
◇セブンさん頭部。電気選びについては現在主流のLEDではなく、全体的に黄色味が強く出る電球を選択しました。昭和レトロなねぶたを目指します…☆
◇妙にエヴァっぽさがありますが気になさらないでください。セブンさんの後頭部が遂に現れました…(泣)
いかがでしたか。
北村麻子先生、電気設置を担当してくださった方、紙貼りを担当してくださった方、皆さんが「セブンねぶた」と優しい笑顔で向き合ってくださっていることに静かな感動を覚えます。本当に感謝の念に堪えません。
このねぶた制作の技術が「日本の伝統芸能を代表する一つ」として末長く継承されていくことを願い、また、若手ねぶた師の育成や、全国の子どもたちにねぶた祭りの魅力を様々な視点から伝えていきたいと強く感じています。
最後に、北村麻子先生の可愛らしいことをおっしゃっていましたのでご紹介しましょう。
「見れば見るほどエレキングが可愛く思えてきてしょうがないんです」…☆
次回「ウルトラセブン外伝 〜ウルトラノ會のひみつ〜 其の四(紙貼り:ねぶたのカタチ)」をどうぞお楽しみに!!!
<お知らせ>
目標達成額まであと60万円です!まだまだ皆さまのご協力が必要です。どうかご支援にご協力ください!
最終日5月19日まで見守りいただけますようよろしくお願い申し上げます!!
青森ねぶたウルトラノ會
kiiro