ある日、アパートに訪問者が現れました。
全身は黒色で覆われ緑の瞳を持つ客人は、窓からやってきたのです。
トビリシの住宅街には人懐っこい野良猫や野良犬がたくさんいて、地元民が動物をよく世話することから気性の荒い動物はほとんど見かけることはありません。完全に共存しているのです。
野良犬が道ばたでお腹を見せて「遊んでくれ」とばかりに主張するほどであり、耳にタグがついている犬は狂犬病ワクチンを売っているので、国内の年間の狂犬病患者数はわずか6人です。
今回の訪問者は首輪をつけているのでどこかの飼い猫であることが予想されますが、夜も屋根をトコトコ歩く足音が聞こえるので相当家に戻っていない様子です。
もしかしたら迷い猫なのかも?
何かを求めて訪ねてきたかと思い、窓を開けてみると、そそくさと逃げてしまいます。
バカにしてるのか?
この流れを2度3度と繰り返すうちに、対抗心が芽生えてきました。
絶対に懐かせる。買収だ。
そこで、スーパーでキャットフードを購入し、出現したタイミングで窓を開けずにご馳走をチラつかせてみました。
なんてわかりやすい表情をするんだ。
勝利を確信した瞬間です。
資本主義と食品加工会社の実力によって主従関係を確立し、態度を改めていただきました。
その日以降は心を入れ替えたようで、四六時中窓の外で待機。
どこかに飼い主がいる場合は、完全に不倫ネコです。
そのような経緯でネコ氏とは大人の汚れた関係になりましたので、呼び名をつけようとTwitterで公募しました。
10時間で88件の名前候補をいただき、その中から割と適当にいくつかをピックアップ。
最終選考は投票式にしました。
1時間で154票の投票をいただき、誰からも候補をいただいていない「黒柳徹子」がまさかのトップ。
窓の外が定位置の黒猫なので「窓際のトットちゃん」と「黒」と言うことで、ふざけ半分で投入してみたらこんなことに。
ちなみにまだ性別は確認していないのでオスだったとしても徹子になります。
日々手なづけつつある不倫猫の「テツコ」をよろしくお願いいたします。