2020/05/06 21:31
コロナ禍でみえてきた、大切なもの

前回の活動報告から少し時間が経ってしまいました。
コロナ禍に伴う緊急事態宣言が発令され、さらには5月に入ってその期間も延期となった今。

「外出自粛」を求められる期間が1ヶ月以上に及ぶと、当初の自宅環境を整える慌ただしさや生活スタイルなどを見直していく期間から自宅での時間をいかに有意義に過ごすか、そして同じ場所での生活の繰り返しをどのように豊かにしていくか、大切なものはなにか、そんなことに焦点がシフトしてきたように感じます。


お店としての私たちは、感染拡大防止の対策として実店舗は一時休業中。(5月7日より「ご予約来店制」再開予定。詳しくはSNSもしくはWEBページにて引き続きご案内する予定です。)


オンラインショップも稼働し、店舗での作業継続のためSTAY HOMEとはいかなくとも必要最低限の人とのみ接し、お客様を迎え入れることをしない店舗とはこんなに味気ないものなのかと感じています。やはり人が立ち寄り、行き交い、愉しめる場所というのは、お客様ひとりひとりにつくっていただいているもので、そういったことが大切なんだよなぁと再認識した時間。

いつも寄り添ってくれる、珈琲という存在

そんな気持ちのときにもホッと一息つかせてくれるもののひとつが、珈琲の存在。

私たちは主に長時間を過ごす仕事場で飲むことが多いのですが、外出自粛でカフェや喫茶店に行けなくなっているからか、自宅での珈琲を楽しんでいる方もたくさんいるようですね!

さて、本題のオリジナル商品《 NATURAL ANCHORS 山珈琲 》の試作にここ2ヶ月ほど取り組んでいます(名称はとくにこれとは決めていませんが)。

リターン品としても先にお届けするこの珈琲は、手軽に扱える《 DRIP BAG 》からスタートします。

珈琲好きではあるけれど、焙煎家ではないわたしたち。

同じく善光寺門前でコーヒー豆の焙煎・販売をするお店を営む「ヤマとカワ珈琲店」のオーナー川下康太(かわした こうた)君のチカラをかりてつくっていきます。


クラウドファンディング でも紹介はしていましたが、あらためて彼について少しだけふれると、同じ地域で古い空き家を活用してお店をやっている個人事業主同士。そして自然や山が好きなこともあり弊店の定期野外イベントである《 sotoclass 》では「そとで珈琲を淹れてみる」の回にて講師を担当。美味しく感じるソト珈琲のちょっとした淹れ方のコツや、その時間の楽しみ方を伝授してもらっています。

さらに彼の珈琲に対する価値観や焙煎についてのこだわりなどはWEBサイトからご覧いただけます。


オリジナル珈琲をつくるってどういうことだろう

そして今回、このオリジナル珈琲をつくるにあたって川下くんから言われたことは「そんなに具体的でなくても大丈夫」。

え?そうなの??なんて驚きつつ聞いていると、つくりたいイメージの自身のふわっとした感覚や(空のような、とか色で例えるなど)、もしくはどんな場所で飲みたいか、誰と飲みたいか、店主自身の「珈琲」に込めたい「想い」や「背景」、そんなところからでもサンプルづくりをしてくれると言います(さすがプロ!)

珈琲豆をつくるイメージってもっとカチッと「微かにチョコレートのような香りがあって」とか「まろやかさのなかに酸味があとからくる感じで」などどこか飲む人に対して説明ができるソムリエのようなことを考えなきゃいけないのかと思っていたので、目から鱗でした。


そうとなれば早速、店主がもっている珈琲への想いとイメージなどを洗い出し。

「どんな味がいいかな」から「珈琲ってそもそも自分にとってなに?」となり、少しづつ記憶を辿る時間。その中から出てきたものは...

●高校生くらいのときから珈琲好きの母親の影響で飲みはじめ、リラックスする時間として飲むことが多かったこと。

●自分で豆を買い母譲りの木製ミル(いまでも健在)で挽いて、ドリップして飲むようになったのは大学生の頃。

●大学卒業後に渡ったカナダ・スコーミッシュで毎日のように岩に登った帰り、車の中で飲んでいた(そのときはヘーゼルナッツフレーバーだった)。

●岩に登っているときには、珈琲の道具をもって登ることもできないから岩の上で飲むことはなかった。その代わりにホッと一息つける車の中で飲むことが多かったのだと思う。

●大学生のときに仲良くしてもらった兄貴的存在の人に、珈琲×カマンベールチーズの美味しさを教えてもらった(珈琲のお供にカマンベールチーズをかじる。それからちょくちょくやってみた。)

●登山して山頂でホッと一息つくときに飲む

●山で飲むなら、濃い珈琲がいい

…おっと、、もはや想いや背景という感覚的なものばかり。3月初旬にこの内容を伝えに川下くんの元へ。

「わかりました、少し時間をください。そのイメージでいくつかつくってみます。」

川下くんの頼もしい返答にワクワクしながら待つこと約1週間。最初のサンプルが出来上がってきました。


ここからは、試飲と振り返りを繰り返す日々

3月16日 
さっそくそとで試そう!と早朝にすぐ近くの里山へ向かったけれども、登山口に着くまえに雪が降りはじめ断念。今年は暖冬で忘れがちだったけれど、長野は3月でも雪が降ることもよくあります。せっかくなので、まずは自宅で試してみることに。


サンプル種類はA・B・Cの3種類。特徴などはあえてきかずに先入観なしで飲み比べ。ステンレスケトルを使い、陶器のカップで試飲してみました。


初回だからか、なんとなくドキドキした気持ちでひとくち。そして、それぞれ飲んでみると…思った以上にどれも個性があってまったく違う!

A:ひとくちめにくるガツンとした深みが印象的。後味に苦味が残ることはなくてむしろスッキリとした甘さ?

B:Aよりもまろやかに感じる、後味も穏やかでスッキリ感がAよりもさらにあるような気がする。

C:ひとくちめからスッキリとした味わい。A、Bに比べると深みはそれほどでもなくゴクゴクと飲めるこの感覚が面白い。(こういったゴクゴクな感じも嫌いじゃない..)


このファーストインプレッションをなんとか頭に刻みこみ、次は自然の中での飲み比べを再リベンジへ。

3月23日 
快晴予報があたって気持ちよく晴れた朝。このとき既に外出自粛も強化され遠出はできない状況のため、前回と同じ裏山ハイクへ。善光寺周辺からいくことができる、いくつかの里山があるのですが今回は馴染みの深い「物見の岩」を目指します。


ここは、善光寺平を一望する眺望抜群の場所で上杉謙信が川中島の戦いで出陣した際、この岩の上から武田勢の動きを物見[ものみ](偵察)したといわれる巨岩。善光寺の北側の山手にある霊山寺(りょうさんじ)から大峰山(おおみねやま)へと続く道の途中にあります。

この「物見の岩」の真下は切り立った断崖となっており、長野県警山岳救助隊をはじめロッククライマーの格好の練習場ともなっている場所。30分ほど登り到着。


日差しは少し強いけれど、空気は澄んでいて長野市の街が一望できます。きもちいいー!!


今回、道具少なくとクッカーやバーナーはあえて持たずに、お湯は山専ボトルに入れてもっていきました。GSIの琺瑯カップにDRIP BAGをセットし、お湯をおとしていきました。
風もない日だったので、すぐに珈琲の香りが漂いたまらない...

この時点で店主からは、AかBがサンプルの中では好みやオリジナルとしてのイメージに近いかな、Cはもう一度飲んで確かめたいところがあるなぁ、という初回感想でした。そして場所が変わって屋外で淹れると、また味わいが異なることがハッキリとわかったのがこの時です。


そとで淹れるとき、お湯の温度は室内の比じゃなく刻々と変化していきます。だからなのか、Aは深く濃いガツンとした個性が少しまろやかさが加わったように感じ、まろやかさを特に感じていたBはまろやかさよりもスッキリさが強まったように感じ、そしてCのスッキリ度合いはスッキリしすぎるくらいだと感じるところがでてきて(お湯の温度のせいもある?)、なんて違うんだ!という戸惑いと面白さが相まった瞬間でした。奥深いな~、珈琲。

いちばん自然とマッチするかな〜と思えるものは、いまのところ《 A 》。この濃さと深みはカフェオレにしても合いそうです。

ここまでで感じたのは、店主の話(や想い)を元にサンプリングをして、イメージに近いものをつくりあげてくれる川下くんの焙煎のすばらしさ。いままでお店で豆を購入させてもらっていた好みや、室内で飲むときと屋外で飲むときの違いなどもわかったうえでつくってくれている気の細やかさに脱帽!ということ。お願いしてよかった、とつくづく思います。


ここからさらなるブラッシュアップへ

残りのサンプルを4月に入り店内などで2回ほど試しつつ、連続して試すことで味がわからなくなっていくのは嫌だったので、すこし自分たちの気持ちを寝かせてみようと現在に至ります。

そして川下くんへ現在の感想を伝えてもう少し変化をつけてもらう相談をし、次のサンプリングをお願いしました。
次回、そのできあがったサンプルを持ってまた試飲タイムです!

引き続き、ご報告したいと思います。


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