2020/12/15 23:51

こんばんは。

今回はこれまでの作品の一部をまとめたスライドショーのご紹介です。

ほぼ年代順に作品を並べています。
人物を具体的に描くところから始まり、シルエットになって抽象的になり、また具体的になったりと様々変化しています。
それぞれの時期によってテーマを設け、シリーズとして集中的に制作し、個展で発表してきました。

核となるテーマは「描かれた人に魂は宿るか」です。
私が人のかたちを頻繁に描くのは、絵に焦点が生まれ物語を感じさせるからです。アニメーションの由来であるアニマという言葉は"魂"を意味します。
動かない[絵画]に描かれたシルエットに魂は入るでしょうか。

バルザックの「知られざる傑作」をモチーフに描かれた映画「美しき諍い女」は、老画家が、長い間諦めていた作品を理想のモデルの出現によって完成させる話です。
その絵は観客に(ましてや画家とモデル、画家の妻 意外、誰にも)見せられることがないのですが
その人の全てを表したもの、として畏怖され他の誰にも知られることなく壁に埋められます。
私にとってその作品は、絵画を超えた何か として存在しています。

私はその何かを想像し具象と抽象を行き来しながら、絵の上で世界の事物を編集し提示することを続けます。