こんばんは。今回はこれまでの作品の一部をまとめたスライドショーのご紹介です。ほぼ年代順に作品を並べています。人物を具体的に描くところから始まり、シルエットになって抽象的になり、また具体的になったりと様々変化しています。それぞれの時期によってテーマを設け、シリーズとして集中的に制作し、個展で発表してきました。核となるテーマは「描かれた人に魂は宿るか」です。私が人のかたちを頻繁に描くのは、絵に焦点が生まれ物語を感じさせるからです。アニメーションの由来であるアニマという言葉は"魂"を意味します。動かない[絵画]に描かれたシルエットに魂は入るでしょうか。バルザックの「知られざる傑作」をモチーフに描かれた映画「美しき諍い女」は、老画家が、長い間諦めていた作品を理想のモデルの出現によって完成させる話です。その絵は観客に(ましてや画家とモデル、画家の妻 意外、誰にも)見せられることがないのですがその人の全てを表したもの、として畏怖され他の誰にも知られることなく壁に埋められます。私にとってその作品は、絵画を超えた何か として存在しています。私はその何かを想像し具象と抽象を行き来しながら、絵の上で世界の事物を編集し提示することを続けます。
#絵 の付いた活動報告
リターンご紹介4回目は"ミラー"シリーズから バタフライの作品です。こちらの作品は他と違った手法で描きました。実際に描いたのは左半分だけで、右側は生地を2つに折って転写させています。つまり、蝶が飛び立つ動作で完成する作品です。ただ折って開くだけではここまで綺麗に写らないので、図像がしっかり写るように技法を研究して制作しました。ロールシャッハテストをヒントに始めたシリーズです。実像と虚像が一つの像を作る、表と裏、生と死と、全ては一つなのです。蝶はサナギから成虫になって飛び立つため、古くから"復活"の象徴として使われています。制作当時、5年ぶりの個展が決まっており私自身のRestartの意味を込めて制作しました。・一点ものの原画です。・サイズ 33.3×33.3cm・素材 木枠に張った綿布、アクリル絵の具・2018年制作
リターン紹介の2回目は「Ostium (オスティウム) Green」です。ラテン語で”入り口”という意味なのですが花の学名のようで気に入っています。花のような形のシルエットが開いて、放射線状に光り、夢の中、或いは別の世界への入り口へ誘うような状況をイメージしました。入り口とは、自分が気付いていないだけで本当は出口なのかもしれません。だとすると、自分はどこにいるのでしょうか。自分がここにいる感覚は自分にしかないですが、自分一人しか感覚できないことは本当に確かなのでしょうか。今自分がここにいる感覚が薄い時など、本当にここがメインの空間(いわゆる現実、というのでしょうか)なのか、夢(サブ空間)なのか、ハッと目を覚ましたらメインの空間にいる自分に戻るのでは,,などという思いが頭の隅のどこかにあります。"入り口"という名の花、として頂いても良いです。コメントは気になさらず、インテリアとして作品を楽しんで頂けたら幸いです。・一点ものの原画です。・サイズ 35.2×24.9cm ・水彩紙にアクリル絵具、カラーインクを用いて描いた作品です。・2011年に制作。額装していませんが、そのまま棚の上などに立てかけるだけで 充分お部屋のアクセントになります。
おはようございます。リターン紹介の2回目は「Ostium (オスティウム) 」です。ラテン語で”入り口”という意味なのですが花の学名のようで気に入っています。花のような形ではありますが、夢の中、或いは別の世界への入り口を描いた作品です。逆放物線を描きながら輝く赤ピンクが次第に増えていき、徐々に向こう側への入り口が開いていく様子をイメージしました。入り口とは、自分が気付いていないだけで本当は出口なのかもしれません。今自分がここにいる感覚が薄い時など、本当にここがメインの空間(いわゆる現実、というのでしょうか)なのか、夢(サブ空間)なのか、ハッと目を覚ましたらメインの空間にいる自分に戻るのでは,,などという思いが頭の隅のどこかにあります。・一点ものの原画です。・サイズ 33.5×24.4cm A4よりもひと回り大きいサイズです。・水彩紙にアクリル絵具、カラーインクを用いて描いた作品です。・2011年に制作。額装していませんが、そのまま棚の上などに立てかけるだけで 充分お部屋のアクセントになります。
こんばんは。リターンについて全くお伝えしておりませんでしたので本日から幾つかご紹介したいと思います。今回は「The Early Period (Brown)」"飛行機の創成期"を表現した作品です。約25センチ角の水彩紙に 羽根ペンを用いて(一回一回 絵具をペン先につけます。インク用ですが絵具で描きました)線描した後、筆で少しずつブラウンを入れました。写真の羽根ペンを使いました。古くから残っているスケッチ(もしくは銅版画)のようにしたかったので淡いブラウンを幾層も重ねていきました。また、ところどころペン先で引っ掻いて紙に表情を与える事で画面が短調にならないよう工夫しました。飛行機の原型を飛ばそうと準備している、その瞬間の空気や光を捉えた、そんな作品です。後ろの方に光を描くことで黎明期の、これから始まる歴史!という希望を表現しました。絵の上部は設計図や飛行機の部分をイメージして描き、男たちがこれまで積み重ねてきた工夫、ここに至るまでの軌跡を表しました。