シリーズでお伝えしている「リターン品紹介」のコーナー、本日は「ソフトタイプ干しいも」を生産・販売しているマルイチ商店さんのご紹介です!
「大洗ブランド認証品」にも指定されている「ソフトタイプ干しいも」は、黄金色に輝く、従来よりも柔らかく、食べやすい干しいもになっています。
そんなマルイチ商店さんですが、家族経営で第6次産業に取り組まれている企業で、今回のインタビューでは、将来的に会社を継ぐため農学を学ぶ20歳の大学生、鬼澤彩乃さんにお話を伺いました!
―マルイチ商店さんは、どのくらい前から干し芋を作られているのですか?
干し芋作りは80年くらいでしょうか?
―「干し芋は」という事は、干し芋以外の作物も作られているんですね。
そうです。さつまいもの栽培はもっと長いです。そこから収穫して、干し芋を作って、パッケージングして販売するという、所謂「第6次産業」に着手して行った、という形です。ただ「6次産業」の事で言うと、生産から加工・販売まで自社でやるとなると、人材面、金銭面で負担が大きくて、色々な面で問題になっているというのを大学で勉強していまして、今後もしっかり考えて、課題解決をしていかなければいけないな、と思っています。
―日本全国的な問題ですよね。国は推進しているものの、いざやってみると本当に大変だ、と。特に流通(販路)を切り開くのが厳しいという話も伺うのですが、マルイチ商店さんの商品は、主にどこで買う事が出来るのですか?
はい、そこは本当に難しい所で、ウチも「電話対応」を活用していて、取りに来て頂いたりしています。つまり、地元の方に買って頂く事が多いです。また、お店での販売で言うと「大洗まいわい市場」でも販売しておりますので、手に取って頂けると嬉しいです。もう少しすれば新しい工場が完成予定で、工場が出来れば、そこでの直販も考えています。
―新工場を作られているのですね!それは楽しみです。
それでは、今回リターン品にさせて頂いている「ソフトタイプ干し芋」についてお伺いします。この商品の特徴を教えて頂けますでしょうか。
特徴としては2点あります。まず1点目は「ソフトタイプ」と銘打っておりまして、これはつまり「半生」の状態である、という事です。昔、半熟卵・半熟チーズなどを中心に「半熟・半生」の商品が流行した事がありまして、そこに目を付けまして、じゃあ干し芋も半生にしてみたら美味しいんじゃないか、という発想から生まれました。
―それは何年くらい前からですか?
私が中学生あたりの頃だと思うので、5~6年前だと思います。干し芋って、食べている最中にお年寄りの方の歯が欠けてしまう事が多いんです。そんな悩みの解決も出来るかなと始めた所、人気が出たという感じですね。ちょっと柔らかい、普通の干し芋とは違った所が売りになっています。
―なるほど、差別化も図れたわけですね。では2点目は?
2点目はズバリ「色」です。先ほど写真を撮られていたと思うんですが、「黄色い」感じの印象を受けたと思うんですね。通常干し芋というのは乾燥しますので、ちょっと茶色っぽくなってしまうんです。でもウチの場合は全くそうではなく、「焼き芋の色」みたいな所が特徴です。パッケージにして他の商品と並べた時に目を引くと言いますか。色が綺麗ということで、縁起物としてお歳暮やお祝い事などにもお使い頂いています。
―企業秘密なら言わなくていいんですけど、この色にする努力はかなりされているんですか?
そこは企業秘密…「たゆまぬ努力」という事にしておいてください(笑)。
―(笑)。ありがとうございます。説明文にも「黄金色に輝く」という形で紹介させて頂いているんですけど、言われてみれば余り見ないですよね。今後鬼澤さんは将来的に商売を継がれる予定と伺ったのですが、今後の展開・野望みたいな事があれば教えて下さい。
そこは今模索中でして…。やっぱり目の前の課題を一つずつ解決していくのが大事かなと思っていまして、目下の課題は人材面だと思います。
―どこも人材不足ですもんね。
はい。こと農業に関して言えば、若い子は農業にそもそも興味がないという現状があります。私も正直子供の頃はなんとも思っていませんでしたから(笑)。では、どうすれば若い人に農業に興味を持ってもらう事が出来るのか。そこを突き詰めていく中で、1つは私のような若い人間が農業をやってますよ、干し芋作ってますよ、農業楽しいですよ、という事を積極的に発信できたら良いな、って思います。
―素晴らしい心掛けですね!
農業は体力を使いますので、若い人がどんどんやって行くべきだと思うんです。「私のような若い人もやっているんだ」と、若い方へ向けてお伝えして、少しでも興味を持ってもらえれば良いな、と。若い子って、そもそも楽しくない事はやりたがらないじゃないですか。農業のイメージは「苦」が先行していると思ってまして(笑)。
―なるほど(笑)。苦しい事もありますよね…。
それとイメージの話で言うと、「お金もあんまり稼げない」という事もよく聞きます。それを聞いて「じゃあ、やらなきゃいいじゃん」という感じになってくるんですよね…。
―そういうイメージはあるかもしれませんね。
楽しい楽しくないという事は一つ置いておいて、農業の一番の良さは「食に困らない」事だと思います。昨今の情勢のように経済活動が止まってしまったとしても、農業をやっていれば少なくとも「自分たちが食べるものは確保できる」というのは大きいと思うんです。そういう利点も訴えて行きたいです。
―今まさに、その必要性は感じますよね…。先ほど「子供の頃に農業に興味は無かった」と仰っていましたが、興味を持ったきっかけは何でしょうか。
今私は大学で農業を専攻しているのですが、そもそも私が大学で農業を学ぼうと思ったきっかけは、東日本大震災です。大洗もかなりの被害がありまして、極端に言うと「生きる事」に余裕がなくなって、スーパーからも食材が無くなったりしたじゃないですか。あの時、ウチにはサツマイモがあって、「ああ助かった。生きられる」と小学生ながらに思ったんですよね。
―あの時は本当に余裕が無かったですよね。
また、後から聞いた話なのですが、全然農業をやっておらず「土も触ったことが無かった」という大学の友人がいるのですが、震災が起こって1週間くらいまともに食にありつけなくて、たまたまあった井戸水で凌いでいたらしいんです。それがきっかけで農業を専攻しようと思ったという人もいて、自然災害が起こった時に食べるものがあるって素晴らしいと改めて実感できましたね。
―なるほど、その着眼点は一般の人は余り持っていないかもしれませんね。他には農業を従事する事への利点を感じる事はありますか。
やっぱり自分のペースで出来る、ということじゃないでしょうか。勿論台風などの災害が来るときなど、対応に追われる事もあると思いますけど、基本は「自由」だという所ですね。
―私の読んだ本の受け売りなんですけど、地方に住んでいる人が上京してしまう事について色々な原因はあると思うんですけど、農業に限らず地場で働いてる親世代が、「あんたは好き勝手やっていいから」「家は継がなくていいから」というような価値観が強くなった。合わせて、「この仕事大変なんだよ~」「お前はこんなつらい事しなくても良いよ」と子供にずっと言っていることも多く、子どもが「親の職業」に憧れない環境になっているんじゃないかって考察があります。
なるほど。
―その真意はどうあれ、鬼澤さんがそのような志で、家業を継ごうと農業の勉強をされている事は、本当に素晴らしい事だと思います。ちなみに、大学を出たらすぐに家業を継がれる予定なんですか?
まだ未定ですが、どこかで修業しようかなと思っています。まだ何をしようかまでは決めていないんですけど…。しっかり「経営」について学びたいと思っています。
― 一度就職される予定なんですね。目的も明確ですし、一度社会経験をするのは私は賛成です。学生のアルバイトなどとは責任も違いますし、サラリーマン意識というのは今後持っておいて損はないですし、何かしようと思った時の引き出しも増えると思いますよ!なんか説教みたいで申し訳ないですが(笑)。
いえいえ、ありがとうございます。
―本当に頑張って頂きたいです!応援しています!それでは最後に、若者の皆さんに向けて、農業に少しでも興味を持って頂けるようなメッセージをお願いします!
若い方は農業に対して悪いイメージを持っているという方が多いと思うのですが、実際やってみるとそんなことはなくて、自由にはやれるし、何より気分転換のような感じで自然と触れ合えるので、心が豊かになる仕事だと思っています。ぜひ少しでも興味を持って頂ければ私は嬉しいです。そして、マルイチ商店の光輝く「ソフトタイプ干し芋」を、宜しくお願いします。
―ありがとうございました。
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他とは違った特徴を持った自慢の「ソフトタイプ干しいも」の説明もさることながら、将来家を継ぐために若くして勉学に励む鬼澤さんの心意気をうかがい知る事が出来る、素敵なインタビューでした!「ARISE GIFT」がオープンした際には、こういった町の人のストーリーをどんどん発信して行こうと思います!是非マルイチ商店さん自慢の「ソフトタイプ干しいも」を、宜しくお願い致します!
☆マルイチ商店さんの干し芋は、「大洗まいわい市場」で販売中!
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