御支援者の皆様。ありえないぐらいお待たせして大変申し訳ありません。ようやく刊行いたします。いよいよ目次を公開いたします。
被災した当事者と、その言葉を集める人たちの織り成す、繊細で、「公と私」が混ざり合う、困難で複雑な有様に徹底してフォーカスした内容になっていると思います。これは、実際に僕が被災地を歩き回り、お話を聞いていって、「いまこれを形にしなければならない」と強く感じた内容でした。このような形でしか、震災の「本当の姿」にはアプローチできない、という挫折を経由した後に、改めて企画を練り直したものです。当初のプロジェクトの予定と違う形になってしまったことは深くお詫びいたしますが、この作品を、ぼくは誇りに思うし、このプロジェクトが届いてくれることによって、より「語りやすい」言説空間が拓けてくれたらと思います。何より、こういう形で被災地や被災者にアプローチすることが、被災地にも、それ以外にも、世界にも、有益になることだと信じております。
ささやかなプロジェクトゆえ、潤沢な広報の予算やマンパワーがあるわけではありませんので、拡散や告知などにご協力いただけたら幸いです。
このプロジェクト、これはあくまで「最初の一歩」だと思っておりまして、この後も引き続き、二号、三号と継続していくことで、被災地と言葉の関係を豊かにしていくことを、利益度外視のひとつの使命にしようかな、とも思っております。どうか引き続き、よろしくお願いいたします。
震災文芸誌『ららほら』
2019年、4月刊行予定。予価、1200円。単行本。AMAZONなどで入手可能(予定)
目次
藤田直哉 「はじめに」
Ⅰ 当事者たち
平山睦子 「家族という壁」
大澤唯史 「藤田直哉さんへの手紙」
木田修作 「あの日からのこと」
木田久恵 「「分からない」から始まった」
Ⅱ 被災地の言葉を集める者たち
小松理虔 「語りにくさをくぐり抜ける、小さな場づくり」
金菱清 「「亡き人への手紙」から考えざるを得なかったこと」
瀬尾夏美 「震災後に書き始める」
川口勉 「彼らの原発」
土方正志 「被災地で本を編む」
甲斐賢治、清水有、田中千秋「信頼できる状況を作り出すために――「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の挑戦」
Ⅲ 特別寄稿
室井光弘 「〈冬の大三角〉座で正しく不安を学ぶ」
藤田直哉 「おわりに」