2020/05/14 18:05

いつもの暮らしに、万年筆とインクがもっと身近に感じられたら・・・。そんな思いで作ったオリジナルのチビ万年筆キット『マイ・センツァ(イタリア語で「いつも一緒」の意味)』。今回の特別な「湧泉」も是非、チビ万年筆と一緒に連れだして欲しい!そんな思いで「字力救済」の取り組みのリターンに加えました。直筆の文字にはメールにない"想い”や”力”があると信じています。今回はチビ万年筆キット『マイ・センツァ』の誕生物語をお話しさせていただきます。

毎年、最低2,3回は訪れるイタリア、フィレンツェのビジネス・パートナーのイデア・プリマ社。そのショールーム兼工房は、オーナーのマウリッツィオ氏がイタリアをはじめ、世界中から集め持ち帰ってきた「書く」にまつわるビンテージの筆記具などが所狭しと飾られるとても素敵な雰囲気をもつ場所です。

ここのショールームを、ぶらぶら歩いていると、いつも色々なアイディアが頭をよぎります。 3年前に訪れた際、偶然この工房の片隅にあったビンテージの容器と出会いました。

コンパクトに・・でもインク漏れしないように・・使いやすいように・・・イメージにあうものを寄せ集めて、ディティールをつめていきます。

頭の中に浮かんだ妄想を形にしていく。今までないモノをこの世に生み出していく。イタリア人達と「あ〜でもない、こ〜でもない」とケンケンガクガク。そんな時間が楽しかったりします。

文化や風習の違いを乗り越えるため、細かいことまで確認しながら進めていく打ち合わせに欠かせないのは・・地元の美味しい食材を提供してくれるレストランでのランチタイム。美味しいワインは会話の潤滑油になると信じてます。(笑)

こんな感じのやりとりを繰り返しながら、試作繰り返します。

日本にサンプルを持ち帰っては、万年筆愛好家の方々の集いに飛び入り参加させていただき、実際にインクを入れて、試し書きをしていただきながら、貴重なご意見を集めて最終製品に仕上げていきました。

そんなこんなで、仕上がってきた商品はなんとも愛おしく・・・イタリアから入荷後に契約している万年筆のペン先調整士の下へと届けられます。

万年筆の構造はとてもシンプルで、ペン先とペン芯の調整具合でインクの出方や書き味が微妙に変わってきます。だからこそ最後まで手抜きはできません。日本に到着後、1本1本検品と共に標準の日本語にあわたペン先調整を施しています。

・・ちなみに鉄製のペン先はドイツの専門業社より仕入れたものを、イタリアの工房で1つずつこのオリジナル万年筆のブランド名にちなんだ実在した貴族「ストロッツィ家」の紋章をデザインしたゴマークを刻印しています。

*今までの情報や活動はUffizi Strozziにてご確認ください。