はじめに・ご挨拶
はじめまして、みいや(Twitter:@flying_gadget_m)と申します。
子供のころから飛行機とものづくりが好きで現在33歳、普段は航空機の操縦システムに関する研究開発に従事する現役の航空エンジニアです。2014年アメリカでパイロットライセンスを取得して県営名古屋空港を拠点とするフライトクラブに所属しており、セスナ172やエアロスバル等の小型機を操縦するパイロットでもあります。
機械工作、電子工作、プログラミングが特技です。学生時代は東京大学航空宇宙工学研究科の大学院から無人飛行ロボットの大会に出場して2年連続で賞を頂いており、雑誌「トランジスタ技術」への寄稿やMaker Faire Tokyoへの出展経験もある生粋の工作オタクです。
このプロジェクトで実現したいこと
岐阜県各務原市にセスナ172等の小型固定翼機専門のフライトシミュレータ施設「Flight Simulator Center UPWIND」をオープンします。名称の「UPWIND」は飛行機が滑走路を離陸して風に向かって上昇していく飛行フェーズを表しており、逆風に負けず、初心を忘れず、常に高みを目指して上昇するという意味を込めています。初めての方からベテランパイロットの方まで、航空機操縦の楽しさを体感し、手軽で効果的な操縦練習が可能な場所を提供したいと考えています。私自身は飛行教官ではありませんが、実績のあるプロパイロットの教官の方と交渉、提携し、質の高い訓練環境の提供を目指します。
施設所在地は飛行機の街として知られる各務原市で、名古屋から車で1時間程度、JR高山線「蘇原」駅からも徒歩圏内で便利な立地です。近隣には航空自衛隊岐阜基地やかかみがはら航空宇宙博物館もあり、航空機撮影や観光の合間に立ち寄って頂くにも便利です。開業当初はフライトシミュレータ1台の小規模な店舗として、土日祝日を中心に予約制での営業を予定しております。
また、自宅や事務所にフライトシミュレータを設置したい方のために、計器板、アビオニクスや操作端等の機器の販売、カスタムコクピットの受注製作サービス提供も予定しています。以下の画像は店舗のロゴで、飛行機のイラストが人気のデザイナーのflykeiさん(Twitter:@YKeikei2007)のデザインです。
プロジェクトをやろうと思った理由
東海地区には航空機産業が集積し、飛行機が好きな方が大勢いらっしゃいます。県営名古屋空港では操縦訓練や飛行クラブの活動として私も含めて多くの小型機パイロットが飛行しています。一方で、操縦士のライセンス取得に興味があるものの実機での飛行訓練のハードルの高さから最初の一歩を踏み出せていない方、最近のコロナウイルスの影響で海外での飛行訓練の延期や中断を余儀なくされた方も多くいらっしゃると思います。
また、残念ながら小型機の事故が度々発生しており、事故原因としてパイロットの技量不足が指摘されるケースも報告されています。パイロットが技量を維持・向上し安全性を確保するには飛行時間の確保、継続的な訓練が必要ですが、特に国内では飛行時間当たりのコストが高いこともあり訓練機会が少なくなりがちです。
東海地区には一般の方が気軽に利用できる小型機のフライトシミュレータ施設は現在のところ私が知る限り存在しません。本プロジェクトを通じて飛行機が好きな方に操縦を体験して頂くきっかけを作るとともに小型機パイロットや訓練生の方に、フライトシミュレータを活用して技量維持の機会を提供したいと考えています。フライトシミュレータは実機では難しい緊急事態や悪天候の訓練も可能ですので、東海地区初の小型機専門フライトシミュレータ施設として、そのような特徴を生かして航空機の安全性向上に貢献できればと考えています。
リアルさへの徹底的なこだわり
本施設のシミュレータは一般向けに開放されるフライトシミュレータ施設として国内最高の訓練環境を目指しております。シミュレータ本体は航空技術者かつ工作オタクである私自身が設計・製作しており、コクピットの機器配置や各種表示、操作感覚のリアルさに徹底的にこだわっています。本物の飛行機を良く知るプロの航空機エンジニアや複数のパイロットが開発やテストに関わっており、ゲーム用品を流用したコクピットとは一線を画す、スイッチ一つの操作感に至るまで 実機を忠実に反映した設計となっています。
フライトシミュレータのコクピットは訓練機として最も一般的なセスナ172をベースとしたものを製作中です。長期的な展望としては曲面スクリーンやモーションシステムの導入、JCABのFTD認証取得も目指したいと考えています。具体的なリアルさへのこだわりの例を以下に示します。これ以外にもまだまだあります。
1.スイッチ、計器、航法装置等は全て実機同様に動作
コクピットのスイッチパネル、計器盤のノブ、無線機、航法装置及びオートパイロット操作パネルなど、実際の運航で操作する部分は全て実際に動作するハードウェアを製作しています。これらの操作、表示はシミュレータ内部のデータとリンクし、全て実機同様に動作します。これらを使用して計器航法の手順を効果的に練習できます。IFRフライトのエンジン始動から着陸まで、マウス、キーボード、タッチパネルは一切使用せず可能です。スロットルレバーはセスナの実機品を採用し、摩擦力調整機能も完全に再現しています。
現在製作中のコクピットでは国内の小型機で多数を占めるアナログ計器と無線機、DME、トランスポンダ、オートパイロット操作パネルで構成される従来型のコクピットを模擬していますが、新型機で採用されているグラスコクピット(アナログ計器+GNS530/430、G1000)も今後サポートする予定です。
2.実機の操舵力を再現するフォースフィードバックシステム
シミュレータにとって最も重要なヨーク(操縦輪)にはスイスBrunner社製のフォースフィードバックヨークを採用しています。フォースフィードバックヨークは航空会社等で使用される訓練用フルフライトシミュレータと本質的に同一の仕組みで、操舵時の反力をモーターで動的に模擬します。速度に応じてダイレクトに操舵力が変わり、実機同様にトリムで操舵力の中立位置を合わせることが可能なシステムはゲーム用のスプリング式ヨークとは完全に別次元です。
飛行中は動画のようにヨークとトリムホイールがコマンドに合わせて作動し、オートパイロットを使用した飛行でも実機同様の動作を再現しています。
3.大型ディスプレイ3台による広視界
55インチ4Kディスプレイ3台により、実機同様の真横を含む広い視界を確保します。正面視界のみのシミュレータでは難しいトラフィックパターン周回による離着陸の練習も、違和感のある視点変更操作を伴うことなく実施可能です。
4.最新のハード、ソフトを採用
本施設のシミュレータは新規開発であるため、ハード、ソフトともに最新技術を採用しています。コクピットのハードウェアは3Dプリンタやレーザー加工技術により製作され、計器表示やアビオニクス用コンピュータは最新のRaspberryPi4と複数のArduino互換コントローラで構成しています。高価な専用機材や実機部品はヨーク、スロットルなど重要部品にのみ採用し、最新の加工技術や安価で高性能な汎用コントローラを積極的に用いることにより設備コストを抑え、利用しやすい料金設定を実現します。
ソフトウェアは現在XPlane11を使用して開発を進めておりますが、Prepar3Dや2020年8月発売のMicrosoft Flight Simulatorにも対応を予定しております。
資金の使い道
支援者の皆様から頂いた資金については、下記の用途に有効に活用させて頂きます。妥協無く最高の環境を整えるために、またフライトシミュレータ関連機器を製品化に多くの方に提供するために、皆様からのご支援が不可欠です。是非ご協力をお願いします!
● フライトシミュレータ本体の開発、製作費
● ソフトウェアの商用利用ライセンス購入費
● 施設を開設する店舗物件の賃料、設備費
● プロパイロット、飛行教官への評価協力依頼
● フライトシミュレータ機器の量産販売に向けた設備投資
リターンについて
1万円以上のご支援を頂いた支援者の皆様を対象に、体験フライトにご招待します。1人当たりの体験時間は1時間以上確保致します。体験フライトは各務原市蘇原駅近郊のの施設にて、2020年9月以降準備が出来次第の開催を予定しており、支援者様各位のご都合を伺い日程を調整致します。初心者の方にもお楽しみいただけるよう、操縦方法の丁寧な説明を行います。
(*)体験フライトは16歳以上の方を対象とさせて頂きます。
5万円以上のご支援を頂いた方はVIP会員として、1時間の体験フライトに加えて開業後も施設が存続する限り優待料金で施設を利用できるように致します。通常の優待会員は年会費を頂く形になりますが、プロジェクトの初期段階から多くのご支援を頂いた方限定の招待枠とさせて頂きます。
75000円以上のご支援を頂いた方はVIP会員へのご招待に加えて、プロの操縦教員である「空飛ぶたぬき」先生による1時間のフライトレッスンを提供致します。5名様までの人数限定で、日程はたぬ先生のご都合、施設の準備状況を鑑みて要調整となりますが、 セスナ172の性能を限界まで引き出すなど、特別なフライト体験をお楽しみ頂けます。
1000円以上のご支援を頂いた方に、Flight Simulator Center UPWINDのロゴ入りオリジナルステッカーを提供致します。また、すべての支援者の方にお礼のメールを書かせて頂きます。
実施スケジュール
2020年8月現在、フライトシミュレータ本体の製作と店舗物件の準備を進めており、以下のスケジュールで事業開始を予定しています。支援者の皆様にはTwitter、ブログ等で進捗状況を随時報告致します。
● ~9/30 シミュレータ本体製作
● ~10/31 テスト運用 先行体験会
● 11/1 正式オープン
あくまで予定であり、諸々の事情により変更の可能性がございます。
コメント
もっと見る