理系研究者を志す方は昔より減少傾向と言われております。
以前、学会でも研究のために留学する方が減っているというディスカッションもありました。
個人的に進路や就職はその時の状況にもよるし、どういう情報を入手するか、その時に何が興味あったか、ということで影響するので、何が成功か、ということは誰も断言できませんが、
少しロマンのある話でもしてみようかと思います。
「論文は人類の歴史の1ページ」と父、太田成男が言っていました。
確かに、文明がいきなり全て崩壊でもしない限り、ちゃんとした論文は
世界中の研究者では共有されますし、引用、参考になるので長きに受け継がれます。
もし、進路に悩んでいる方が、こんな一言からロマンを感じて、偉大な研究に繋がったら面白いな、と思いました。
ところで、当社は設立から9期ですし、その事業ドメインとなっている水素の医学研究は15年くらいですが、そもそも水素に到るまでの研究としてはノーベル賞受賞者ライナスポーリング博士が50年以上も前に取り組みはじめた分野です。
ライナスポーリングはアインシュタインにならぶほどの研究者と評されますが、知名度はそんなに高くありません。
病気や老化の根本の原因を証明する過程で道半ば亡くなられた方です。
仮にライナスポーリングが水素の辿り着いていたら、アインシュタインより有名だったかもしれません。
数年前のことですが、太田成男が海外の学会で講演した後に、
どうしても挨拶したい方がいるということで紹介された方がいました。
なんとライナスポーリングの孫娘!
「ライナスポーリングの目指した研究の証明をしてくれてお礼を言いたい」ということだったようです。
偉大な功績を残し、晩年の理論を寿命などで証明しきれないと、晩節を汚したと言われてしまうこともあるようですが、
科学というものは生きた証を論文にして、未来に託すことができる、と考えると
ちょっと素敵な話ですよね。
太田史暁