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高校生に本場の研究をしてほしい!~現役研究者、TAによる指導~(SSP+)

「理科離れ」が進む今、日本における研究力は年々低下しています。このプログラムでは、高校生から本場の研究を実際に体験してもらうことにより、将来の日本を担うような「超科学者」を育成することを目的とします。SSP+ は 持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

現在の支援総額

200,000

13%

目標金額は1,500,000円

支援者数

18

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/07/09に募集を開始し、 18人の支援により 200,000円の資金を集め、 2020/09/04に募集を終了しました

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現在の支援総額

200,000

13%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数18

このプロジェクトは、2020/07/09に募集を開始し、 18人の支援により 200,000円の資金を集め、 2020/09/04に募集を終了しました

「理科離れ」が進む今、日本における研究力は年々低下しています。このプログラムでは、高校生から本場の研究を実際に体験してもらうことにより、将来の日本を担うような「超科学者」を育成することを目的とします。SSP+ は 持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

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の付いた活動報告

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東北大学 理学部 宇宙地球物理学科 地球物理学コース3年 小林ゆい(北海道・立命館慶祥高等学校出身,SSP2期生)〇どんな研究をしていたの?北海道では,吹雪は冬場の身近な存在です。時には雪によって前がほとんど見えなくなる「視程障害」の原因となり,遭難や交通事故を引き起こす危険な存在でもあります。日本国内だけでも,毎年およそ70件もの事故が吹雪視程障害に起因しているそうです。2013年に北海道湧別町で起こった,ホワイトアウトの中,父親が自分の命を懸けて娘を守ったというニュースを耳にしたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。こんなに起こっている吹雪による事故をなんとかして防ぐことが出来ないかと考え,最終的には予測を目標とした観測装置の開発というアプローチをとることにしました。すでに高精度の吹雪観測装置はありましたが,とても高価(約100万円)なため設置場所が限られるという難点がありました。そこで我々は,「視程障害の度合いを観測する,低コストで,データを無線で通信できる装置を開発し,将来的に吹雪の多点観測網の構築」を目標とすることにしました。測定原理としては,空間に発せられたレーザー光線を雪粒子が通過する際に照度センサによる受光強度が減少することを利用し,1台当たり約5万円で装置を作成しました。実際に吹雪が起こった際に装置で観測し,ビデオカメラで同時に記録した映像との比較をすることで,「視界不良の度合い」を数値化することに成功しました。また,複数台を連携させて観測することで風速も測定することが出来ます。〇防災科学技術研究所での実験きっかけは,日本地球惑星科学連合(JpGU)2016年大会での口頭発表でした。大雑把にまとめると,「吹雪観測装置を開発し,北大札幌キャンパスや自宅ベランダで実際に吹雪を観測してみました」という旨の発表をしました。人生初の学会発表,ガチの研究者の方々に囲まれて後にも先にも無いくらい緊張していて発表中のことはあまり覚えていませんが(笑),終わった後に気象庁気象研究所の荒木健太郎さんに声をかけていただきました(本を読んだりしていて憧れの人…!)。屋外での観測だと吹雪の強さに限界があるだろうから,吹雪を人工的に起こすことのできる風洞装置を使ってみてはどうか,というお話でした。ありがたいことにその後すぐに防災科研の雪氷防災研究センターの方をご紹介していただき,ご厚意で9月に2日間の実験をさせていただけることになりました。風洞装置は,山形県新庄市,新庄雪氷環境実験所の雪氷防災実験棟というところにあります。こちらは「雪氷圏に起こる様々な現象を実験室レベルで再現できる世界最大規模の施設(防災科研HPより引用)」で,天然に近い雪を降らすことが出来る上に風は風速20m/sまで起こせる,すごい施設です。吹雪を起こすことのできる風洞装置は,気温-15℃前後の大きな部屋の中にあります。とても寒いので,まさに南極地域観測隊が着ているような上下の羽毛着と厚底の防寒靴を身に着けて中に入ります。分厚くてあったかいお布団を纏っているようでした。風洞の底に雪を敷き詰め,その上に観測装置を置いて固定します。風洞装置で発生させる風の速度を変えることで,飛んでくる雪の量を調節します。最後には風洞の中に入らせてもらって,身をもって,視界が真っ白になるほどの吹雪を体験させていただきました。高校生だった私が使わせていただくのは身に余る光栄でまたまた緊張の2日間,カメラにSDカードを入れ忘れて測定が無駄になったり,装置を直し続けたりといろいろなハプニングがありつつも,実験所の心優しい方々のご協力もあり無事に目標としていたデータをとることができました。これまで述べてきた防災科学技術研究所での実験や,国内外での学会発表,高校生等が集まる発表の場を通して,たくさんの出会いがあり,見る世界がぐんと広がりました。そして出会った皆さんが楽しそうに研究や興味のあることについてお話してくださったのがとても印象に残っています。きっと,私がいま大学で地球物理学を学んでいるのも,そんな姿に憧れていたからだと思います。SSP+での研究は,想像以上に自分を成長させてくれるし,ずっと忘れられない経験になると思います。