こんにちは。
表題の件についてご質問いただきましたので、写真付きで回答させていただきたいと思います。
ついでに、もっとプロジェクトページで書いておけばよかったなってことも…。
強力なゴムロープを使って被せを止める構造ですので、当然ゴムの当たりも強いものとなります。
吟(革の表面)の弱い革だと、ゴムに負けてしまいます。
使用する皮革のチョイスには、その点でも苦労しました。
写真は2か月使用したものになります。
下から4分の1ほどのところに黒い筋が見えると思いますが、これがゴムの当たっている場所です。
すこし、へこんだような感じが角にありますが、2か月使用の時点ではこのくらいの痛み方です。
使用方法も、けっこう雑に尻ポケットに入れたまま汗をかいたりしていましたので、革に対してはかなりの負荷をかけていますが、その状況でこの程度であれば十分タフと言えると思います。
ご参考くださいm(__)m
さて、ここからは皮革についての少し掘り下げた話です。
ゴムが強ければ革が負けて、弱いゴムにすれば伸びや断線が起こる。
ゴムも革も強いものでなくてはなりませんでした。
初期のころは、オイル感のあるイタリアンレザーを使ってみたりしましたが、高級感はあるものの吟は強固ではなく、ダメだと気が付きました。
またコロナの影響で輸入が滞ったこともあり、国産のレザーを使用することにしました。
日本の革産業も世界トップクラスの水準で、非常に上質なものです。
国産のレザーもいろいろ試しましたが、吟の強さで言えば栃木レザーに軍配があがりました。
しかし吟面だけがすべてではありません。
ほぼ縫わない構造なので、財布の形を保つのは革のハリやコシのみになります。
やわらかすぎる革は素材に向かず、逆に硬すぎると曲がらなくてダメです。
栃木レザーと一言に言っても非常に多様な種類があって、その中から最適なものを選ぶのは非常に困難でした。
そんな道のりを経て辿り着いたのが、「ジーンズ」です。
吟の強さと革の硬さバランス、表面仕上げの美しさとカラーバリエーション。
厚みも現厚で1.8ミリと使いやすく、まさに理想の素材でした。
革のこだわりもぜひ、感じ取っていただければと思います。
応援よろしくお願いします。