子どもたちの未来を創る保育「森のようちえん」をもっと多くの人に!
はじめまして。NPO法人もあなキッズ自然楽校・理事長の関山隆一です。
私は、環境活動に力を入れているアウトドアメーカー“パタゴニア”での勤務を経て、1998年からニュージーランドの国立公園でガイドを経験しました。その過程で、日本の子どもたちが自然とふれあえる場所や、自由に遊べる環境がどんどんなくなっていくことに危機感をおぼえました。
2004年に帰国後、横浜市に住み始めた私は、2007年に「もあなキッズ自然楽校」を設立。小学生の放課後の居場所づくりからスタートして以来、自然体験活動を通じて「未来を創る」子どもたちの育成に努めています。そして自然環境や社会問題と関わりながら、持続可能な社会を築き上げることを目指しています。
写真↑◎理事長の関山です!皆さん、応援宜しくお願い致します!
わたしたちは「子育ては未来を創ることに直接つながっている」という理念のもと、現在、横浜市都筑区で保育施設と放課後児童クラブ(学童保育)、自然体験プログラムの運営などを行っています。保育施設では
「森のようちえん」スタイルを取り入れ、都会の自然環境の中でのびのびと育てる保育を行っています。
写真↑◎近くの公園であそぶ子どもたち
活動を始めて8年経った今、わたしたちの活動に共感し、このような保育環境を望まれる方が増えています。しかし現在の施設ではスペースが限られ、地域のみなさまのニーズにお応えすることができません。そこで、このたび認可外保育施設「めーぷるキッズ」をより多くの子どもたちを受け入れられる施設に移転することにいたしました。
わたしたちは設立当初より、野外活動だけでなく園舎にもこだわりを持ち、天然無垢材の内装や備品、環境に配慮した施工方法を取り入れています。移転先の園舎も、子どもたちが安心・安全に過ごせる室内にします。
子どもたちの「生きる力」を大切にする。大人は信じ、待ち、見守る保育スタイル。
もあなキッズ自然楽校は、現在、横浜市都筑区を拠点に、0~2歳児の横浜市認定保育室「もあな保育園」「めーぷる保育園」、家庭的保育室「もあな☆ちいさな木」、3~5歳児の認可外保育施設「めーぷるキッズ」、放課後児童クラブ(学童保育)「もあなのいえ」という5つの施設を運営しています。そしてこの春には、新たに大磯町で認可小規模保育施設「もあな こびとのこや」を開園します。
動画↑◎関山の保育スタイル・考え方についてのインタビュー動画です、ぜひご覧下さい!
いずれの施設でも、子どもたちの主体性を最大限に尊重し、大人は子どもたちの育つ力を信じて、待ち、見守るような関わりを大切にしています。自然の中でたくさん遊び、さまざまな体験を通して『生きる力』(考える力・行動する力・コミュニケーション力)を身につけられるよう子どもたちを育みます。
写真↑◎雨の日も外で遊びます。雨ならではの景色や生き物との出会いも子どもたちにとって大切な体験です。
子どもたちは、よほどの荒天でない限り雨でもカッパを着て近隣の緑道や公園に出かけて思いきり遊びます。木登りや崖すべりを楽しんだり、四季折々の生き物とふれあって、体全体で身近な自然を感じています。また3~5歳児や小学生は丹沢や鎌倉などへも足を延ばし、神奈川県内の山や海での広域的な体験活動も積極的に行っています。
乳幼児から12歳までの子どもたちを長期的に見守るシステムは、地域の子育て支援拠点としての役割も果たします。各保育施設や小学生対象の自然体験プログラムには、例年たくさんのお申し込みをいただいており、地域のみなさまの関心、ニーズの高さを実感しているところです。
これからの時代を生きていくために大切な「豊かな感性」と「自分の町を思う心」を持った「未来を創る」子どもたちを地域で育む。わたしたちは、ここ横浜でその基盤をつくり、理念や取り組みを目に見える形に表して伝えることで、このような活動が各地に広がっていくことを望んでいます。
新施設のコンセプトは、人と森の未来をつくる「木育」空間
子どもたちが毎日を過ごす環境を考えるとき、いろいろな要素が浮かんでくると思います。信頼できる保育者の存在はもちろんのこと、遊びの質や場所、そして生活の基本となる「衣・食・住」。
「食育」とならんで「木育」にも取り組んでいるのも、わたしたちの活動の大きな特徴です。単に木材の利用促進に貢献するだけでなく、木が子どもの頃から身近にあることで、
「人」と「木や森」との関わりを主体的に考えられる、豊かな心を育むことにつながるものと思います。
移転先は、現めーぷるキッズ施設から徒歩30秒のビル1階です。広さはおよそ80坪で、今までより20坪ほど広くなります。ここで4月(2015年度)から53名の子どもたちが過ごすことになります。
内装には、防腐、防カビ剤を使用しない国産材木を使用します。一般的に、外国産の木材や国産材の多くは薬剤処理を施しますが、シックハウス症候群や化学物質過敏症などへの影響を考えると決して安心できるものではありません。子どもたちの肌が触れる園舎の床には、くんえん乾燥によるスギ材を使用します。防虫・防蟻剤には天然のヒバ油を主成分とした安全なものを使用します。さらに、建具の製作にも化学的な接着剤は使用しません。壁紙材は和紙と布を安全なでんぷんのりで張り、塗壁材は貝灰をベースにした漆喰など、徹底した自然素材を用います。施工はナチュラルな工法で定評のある(株)磯崎工務店(横浜市保土ヶ谷区)にお願いします。
写真↑◎既存園舎の写真。こちらも国産無垢材を使用しています。大きな空間でもっと多くの子どもたちと過ごすことが出来るようになります。
また、今回使用する木材のうち50%以上は、神奈川県産の木材を導入します。神奈川県の森林面積は県土の40%を占めていますが、緑豊かな森林を保つためには、適切な手入れ、間伐の促進が不可欠です。
わたしたちは、県産木材を使うことで身近な山の保全に貢献します。地産地消により、輸送にかかるエネルギー消費、環境負荷の軽減にもつながります。
県産木材は、県内の木材業者より調達します。県内でもかつては数多くの製材工が存在して地場の木材を利用していましたが、木造建築の減少や国産材の需要減少にともない、今は県西地域において数えるほどしか残っていません。山の仕事が増え、担い手が増え、豊かな森の恵みを受け続けられることを願います。
そのほかの木材は、宮城県の(株)くりこまくんえんで製材されたものを用います。
さらに、壁の漆喰を塗る作業は、この園づくりに関心を寄せてくださっているみなさまとワークショップ形式で行う予定です。できあがる過程を体験し、楽しみ、思いを共有することで、めーぷるキッズへの愛着を深めたいと思います。
【認可外保育施設】をご存知ですか?園づくりから見えてくるもの
今回のプロジェクトの舞台、めーぷるキッズは3~5歳児対象の
「認可外保育施設」です。
保育施設は、大きく「認可保育所」「認証保育所」「認可外の保育施設」の3つに分類されています。
「認可」を受けるためには国が定めた設置基準をすべてクリアする必要がありますが、
めーぷるキッズは自由な保育環境を確保するため、あえて認可を受けないことを選択しました。

だからこそ、子どもたちが日常的に屋外でお昼を食べたりすることが実現できるわけですが、反面、国の社会保障の対象施設の枠からははずれ、新しく施行される「子ども・子育て支援制度」の恩恵も受けられません。つまり、国や市からの公的補助はなく、移転や施設整備にかかる費用はすべて自己資金で賄わなければならないのです。
子どもたちにとって真に健全な生活環境とはなにかを考え実践しようとしても、公的な支援が得られない仕組みは、わたしたちのような団体にとって、大きな壁となっています。中にはそのために活動を断念せざるを得ないケースも少なくないのではないでしょうか。わたしたちは、そのような制度のあり方にも疑問を投げかけたいと思います。
めーぷるキッズは、子どもたちの明るい未来を創る場所。そこに地元の山から切り出された木が使われ、子どもたちの健康を守る工法を取り入れることによって、森と社会の循環が生まれるのです。そんな保育施設が各地に増えたら、子どもたちも森もいきいきと育ち、未来はもっと明るくなる!と強く思います。
写真↑◎のびのびと育つ子どもたち。自然の中での体験が、子どもたちの“生きる力”を育みます。
<改修スケジュール>
2015年2月16日 改修工事着工(横浜市都筑区中川中央1-39-37 ガネーシャ1F)
2015年3月下旬 竣工予定
2015年4月1日 新園舎にて開園
2015年4月4日 しっくい塗りワークショップ & オープニングパーティ
集まった支援の用途と内訳
下記工事費(総額1250万円)の一部に充てさせていただきます。
木工事(床板・間仕切り等) 490万円
内装工事(漆喰塗り・土間仕上げ等) 61万円
木製建具工事(入口引戸・室内出入口・便所出入口等)134万円
什器工事(収納棚・食器棚・カウンター等) 190万円
その他(電気設備・給排水設備等工事)375万円
最後に
わたしたちは、子どもたちが屋内外を問わずいきいきと過ごせるよう、生活環境のあり方を真剣に考え、できる限り実践したいと考えています。
未来を創るめーぷるキッズの子どもたちのために、そして子どもたちの未来を支える豊かな森のために、ご支援をお願いいたします!
写真↑◎最後に関山から再びメッセージを。応援宜しくお願い致します!