障がいのある人もない人も共に生きる場所作りを目指して

▲お仕事チームのスタッフ。左端が江村です。(運営している喫茶みちくさにて)
FAAVOをご覧のみなさま、はじめまして。NPO法人お仕事チームの代表の江村です。
現在、長野県北佐久郡御代田町を中心に、障がいのある人の働く場を作ることを目的に活動し、障がいのある人ない人たちと共に建物の清掃や喫茶店の運営を行っています。
私が大学に入ったころは、すでに70年安保から少し過ぎて、大学にはその残骸!?しかなかった頃です。どんな形で、どんな仕事を通じて、社会に関わっていけばよいのか、先の見えにくい時代でした。今も同じかも知れないですね。
当時、たまたま清掃のバイト先だった病院でボランティア募集のチラシを見たことから、障害のある人との付き合いが始まりました。またそれが縁で、(主に自閉症の)障害児の療育施設で働くことになりました。5年余りの彼らとの付き合いは楽しかったですが、障がいのある人たちを「指導する」とか「支援する」という一方的な関わり方に疑問を感じ、だんだん居心地が悪くなり、結局5年余りで辞めることになりました。
その後信州に移住して、1990年代の始め、御代田町内に畑を借りたのが、今回のプロジェクトの舞台である御代田町との縁の始まりです。そこでは以前東京の施設で働いていた頃の仲間に呼びかけて、夏の農作業収穫キャンプを毎年開催してきました。1995年には、町内の塩野地区に一軒家を借りることができ、キャンプに参加していたスタッフとの通年キャンプ生活(共同生活)が始まりました。
その後2002年、障がいのある人と共に働く場を作る事業を始めました。同じフィールドで役割を分担し補い合って働くことからNPO法人「お仕事チーム」と名付けました。若いころに経験した障がいのある人との一方的な関わり方ではなく、お互いが一緒になって同じ仕事をすることで、障がいのある人たちとの新たな関係を作ろうというのがこの事業の目的です。
そして今回、事業開始から10年が経ち、「この障害のある人ない人がともに生きる場所づくり」という私たちの事業のコンセプトを反映した障がい者グループホーム〈塩野みんなの家〉の開設をめざして準備を始めました。このグループホームでは、地域と地域、人と人とを繋げる場を提供していけたらと思います。
グループホームの閉鎖性を打破するために→コモンスペース!

▲塩野みんなの家外観
長野県北佐久郡御代田町の一番北に位置する塩野地区は、浅間山の南麓、標高800メートルを超える高原です。その集落の中にある中古の一軒家を2013年3月に購入しました。そして、この一軒家を改修し、障がい者グループホーム〈塩野みんなの家〉の開設を計画しています。
グループホームは、障がいのある人たちが地域の中で繋がりを作りながら生活できるということにそのメリットがあります。しかし、地域など、広くグループホーム外の人との繋がりを上手く生活の中に組み入れることはなかなか難しく、そこには何かの仕組み、仕掛けが必要ではないかと感じていました。また、グループホームへの改修は法律的な条件に適合しなければならず、改修に時間がかかります。
そこで、このグループホームへの改修までの期間に、この一軒家をコモンスペースとして利用してもらうことで、この建物を地域や人を結びつける開放的な空間にしていこうと考えました!そして、この期間に培ったノウハウをグループホームへの改修後も受け継ぐことで、グループホーム〈塩野みんなの家〉を外との繋がりの多い開放的な空間にしていこうと思います!
〈塩野みんなの家〉で人と地域を繋げる

▲塩野みんなの家内部
グループホームへの改修前の〈塩野みんなの家〉は、それぞれの人々の暮らしの場を繋げるようなコモンスペースを作りたいと考えています。1人でも2人でもフラリと訪れてそれぞれの仕方で足跡を残していってもらればと思います。
〈塩野みんなの家〉の利用の仕方はさまざまです。わたしたちの事業に体験的に参加することも可能です。
例えば現在、は以下の様な活動をしています。
◎障害のある人ない人が共に働く①清掃の現場 ②喫茶みちくさ
◎障害のある人ない人が共に楽しむスポーツクラブあさま(フットサル)の練習
*こちらは毎月1回練習日があります。団体の方は交流試合も歓迎します!
◎御代田町内のNPO法人まちの縁側なから主催の「あさま南麓みんなの学校」企画の
①食育の会(地元食を作る会)②農作業体験
*どちらも毎月1回開催しています。

▲喫茶みちくさ

▲フットサル練習の様子

▲農業体験の様子
また、2014年5月には、8畳間3室が使える状態になる予定です。この部屋は、軽度の障がいのある人たちの旅行のさいの宿泊施設として利用してもらったり、大学のゼミ合宿の宿泊施設になったりと自由に利用できます。広く「学び」や「体験」を得られるような場作りを構想しています。これまでのわたしたちの活動の中でも、食事会を開いたりと交流の場を積極的に作ってきました。

▲食事会の様子
このように、コモンスペースとしての〈塩野みんなの家〉は、人と人とが直接出会って何かが始まっていくようなきっかけになるような場だったり、機会を提供していければと思います。
グループホームへの改修、開設は、財源的に補助金の申請が通るのを待たなければなりません。こちらは順調にいって2016年2月開設の見込になります。開設後は、別館を訪問者の宿泊スペースとして提供したり、リビングをコモンスペースとして使っていくことで、改修前のコモンスペースとしての役割を継続していきます。
快適な空間づくりのために
今回は、このグループホームへの改修前のコモンスペースとしての〈塩野みんなの家〉をより快適に気兼ねなく利用してもらうために、トイレを汲み取り式から水洗洋式ウォシュレットに改修し、また浴室の脱衣室を新たに設置するなどの施設内設備の充実を図りたいと思います!
スケジュール
2014/4 改修工事終了。備品、用具の整備
2014/5.3(予定) ジャガイモ植え(あさま南麓みんなの学校企画)
2014/8.16.17(予定) ジャガイモ収穫(あさま南麓みんなの学校企画)
支援金の用途とその内訳
水洗トイレへの改修と浴室脱衣室の新設工事費:約70万円の内の一部20万円を支援してください。
浅間山南麓御代田町の小さな暮しの場に時々訪れる住人になりませんか
私たちは小さな団体ですので、そのことを生かして1人からでも立ち寄れる場作りをしたいと思います。地域の団体が開催するイベントに訪問者が参加出来ることを橋渡ししたり、また訪れる人が、地域の人たちも一緒に参加出来る学びや体験の機会を持寄ってもらえたらと思います。
このグループホーム〈塩野みんなの家〉は様々な地域に住む人たちが訪れて、対話が少しづつ始まる場所になっていけたらと思います。グループホームへの道のりはまだまだ遠いですが、グループホームを良いものにするためにも、今から準備する必要があります。それが、この建物のコモンスペースとしての活用です。活用方法はさまざまあると思います。ご支援くださった皆さんからの使い方のアイデアもどしどしお待ちしています!
ご支援よろしくおねがいします!
起案者情報
【団体名】特定非営利活動法人お仕事チーム
【代表者】江村 喜明
【Twitter】
https://twitter.com/1955kuma
【Blog】
http://asamakougenn.naganoblog.jp/