車椅子生活を送るふつうの主婦である有華さんが、第1 回世界大会WorldRun〔ワールドラン〕でマラソンデビュー!
こんにちは。杉村と申します。 学生時代に在宅医療をサポートする会社を興しもうすぐ20 年。4 年前にCOPD (慢性閉塞肺疾患)と診断されたのを機にランニングを初め、全国各地のマラソン大会に出場するうちに、ついにサハラマラソンで3 年連続日本人1 位の記録をもつほどのアスリートに。すっかり趣味となったマラソン、その楽しさを有華さんに語ったことがきっかけとなり、彼女が第1 回世界大会WorldRun〔ワールドラン〕への出場を決意したので、友人たちとサポートチームを立ち上げました。それが
「TEAM 小春」です。
World Run〔ワールドラン〕とは
ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン
[ Wings for Life World Run ]
脊髄損傷の研修支援を行うオーストリアの非営利団体「ウィングス・フォー・ライフ財団」が主催しています。2014年に始まり、今年が2回目で日本は初出場です。日本や米国等33カ国が参加し、世界同時スタートします。コースは100kmで、スタートから30分後にランナーを追走する車がスタートし、徐々にスピードを増すこの車に追いつかれた時点でゴール。そこまで走った距離を競います。
参加費は脊髄損傷の治療方法の研究に役立てられるイベントです。

▲国内海外さまざまな大会に出場する杉村
有華さんは生まれつき足が悪くずっと車椅子生活です。そして娘さんの小春ちゃんは寝たきりです。そんな彼女がワールドラン出場を決意し、努力し、見事走破。その経験を活かして、今後は「TEAM 小春」で広く車椅子の方々のための活動をしていくことを提案してくれました。そのいきさつを有華さんがお話します。
有華さんは次のように語ってくれました
「自分の時間は、すべて小春のために。家のなかのこの部屋だけが自分の世界でした。」

▲有華さんと小春ちゃんと杉村
「わたしは、ずっと車椅子での生活ですが趣味や旅行など、アクティブなことは好きだし、仕事もしていました。
ですが、次女の小春が生まれて1 ヶ月目、寝たきりになりますと、医師に告げられた日からわたしは自分の時間を諦めたように思います。一生かけて小春に償わなければと思いながらも、家で 夜も2 時間おきに起き、痰吸引し、寝返りを打たせてあげ、昼間も目が離せずつきっきりな日々を過ごしていると、自分の心に余裕がなくなってくるのが分かりました。
小春が肺炎で入院すると、心配でいっぱいの心と、朝まで寝れる、自分の好きに時間が使える、と嬉しく思う心があり、その心に対する自己嫌悪を抱き…。そんなことのくり返しでした。」
「そんなとき、杉村さんがWorldRun〔ワールドラン〕に誘ってくれたのです。」
「杉村さんは小春の医療機器をお世話くださった友人で、いつも日本中をランニングしている姿を見たり話をきいたりして、感心したり楽しませてもらっていました。そんな方からのお誘いはうれしかったですが、マラソンどころかスポーツ自体に無縁だったわたしに世界大会なんて・・・と思いました。でも参加すると、小春が外に遊びに行ける先がひとつできるな、マラソンってどんなもんなんだろう、参加すれば他のランナーさんを間近で見れるし、外からしかわからなかったマラソンが中からみれて、楽しそうだわ・・・そんな軽い気持ちで、参加するとお返事しました。」
「だんだん欲がでて「ちょっとでも遠くまで走りたい!」と思うように。 「TEAM 小春」のおかげです。」

▲マラソン練習をする有華さんとチームメンバー
「わたしのマラソン出場をサポートするために集まってくださった方々とともに、杉村さんが
「TEAM 小春」を結成してくれました。そのメンバーさん達が、知り合いの方々を紹介してくれたり、自走用の車椅子を貸してくれたり、車椅子の調整してくれたり、体のストレッチしてくれたり、昼も夜も練習に付き合ってくれたりと、ほんとに親身になってくれました。そんな中でだんだんと私も、どうせ出るなら、少しでも速く、少しでも長く走りたい!と思えるようになり、すると練習がとても楽しくなってきたのです。」
「WorldRun〔ワールドラン〕は、5km地点まであと一歩の地点まで走破。その記録よりも大きなものまで得ました。」

▲ワールドラン走破した有華さん
「いつの間にかチームメンバーが100 人くらいになり、その半数くらいの方といっしょに大会に出場しまし
た。小春もいっしょで、キャンプもして、そして走って。思い出に残る最高の一日になりました。
走るってこんなに楽しいことなんだ、仲間がいるとこんなわたしでも、楽しみながらここまでできるんだと実感しました。」
「一歩ふみ出せば、新しい世界が広がること、車椅子や障がいをもつ方々に知ってほしいです。」

▲ワールドラン大会直後の
「TEAM 小春」のサポーターと有華さん
「こんなふうに、ちょっとしたきっかけに気軽に応じたことでマラソンをするようになり、わたしは変わりました。空いた時間を使って走っていると、自分のために時間を使えてることが嬉しくて、小春がいるからといってあきらめなくてもよいのだ、ということがわかったのです。
逆に、このマラソンに出会えたのは、小春がいてくれたおかげなのです。小春が医療機器を必要としてくれたから、杉村さんと出会えたし、そのおかげでマラソンに出会え、「TEAM 小春」の方々と出会え、
WorldRun〔ワールドラン〕と言う楽しい時間を一緒に過ごすことができたのですから。
この出会いに感謝し、自分の時間も大切にしながら、これからも走っていこうと思っています。」
有華さんのような人が少しでも増えるように、車椅子の方々のサポートをしていきたい!

わたし( 杉村)はWorldRun〔ワールドラン〕でチームにいただいた協賛金に不足分を補って、マラソンデビューした小春ちゃんのママ・有華さんにレース用車椅子を贈り、これからのランニング活動を支援する予定でした。
ところが彼女は、「TEAM 小春」でスポーツに無縁な車椅子生活の方々への支援活動をするためにこの資金を活用することを提案してくれました。 こうして、今後の
「TEAM 小春」は車椅子の購入という単独の目的から、支援活動へとプロジェクトの幅をひろげることとなったのです。WorldRun〔ワールドラン〕でがんばっていた有華さんを、読売新聞や関西テレビが取材してくれ、社会的影響もじんわり広まりつつある今、障がい者の方々、その支援をしたい方々と両方に広く関わっていただきたいと思います。
必要なのは、走りたいという気持ちだけ!車椅子マラソンは特別なことではないのです。
車椅子生活でも、主婦でも、障がい者の家族がいても、みんなとスポーツを楽しむことはできるんです!で
きないのは、その環境とチャンスに恵まれていないだけ。車椅子マラソンのための環境整備やチャンス取得、提供のためいっしょにがんばりましょう!このチームに参加すると、次のようなことができますよ。
①車椅子ランナーの方(未経験の方歓迎)、来年のWorldRun〔ワールドラン〕(2016 年5 月初旬開催予
定)に一緒に出場しましょう。当日キャンプも楽しいですよ!
②練習会を実施するので、近郊の方は一緒に走りましょう。
③車椅子部門のない市民マラソン大会に、その設置を申し入れたり、レース用車椅子に試乗したり、楽しく活動しましょう。

▲レース用車椅子に試乗する有華さん 下は車椅子マラソンレースの模様
レース用車椅子は、マラソンランナーのマイシューズのようなもの。これに乗れば、もっともっと走れます!
有華さんはいろんなマラソン大会に出場してトレーニングを積んでいく計画です。大会出場にはレース用の車椅子が必須ですが持っていません。生活用車椅子のように公的支援金の補助があるわけではないうえ、高価です。
今回のこのFAAVO 大阪でたくさんの方に応援いただければ、有華さんや他の車椅子ランナーの方に活用してもらうため、
レース用車椅子を購入できます。
ランニングの練習場所や時間も、健常者のようにいつでもどこででもというわけにはいかず、安全が確保でき、仲間が集まれる場所の手配や移動等にかかる費用にも充てたいと思います。
支援金の用途・内訳
①レース用車椅子購入補助費用 40 万円
②車椅子マラソン支援普及活動費用 10 万円
起案者情報

【団体名】TEAM小春
【代表者】杉村 晋吾
【Facebook】
https://www.facebook.com/shingo.sugimura
【Twitter】
https://twitter.com/shingo997