今なお歌い継がれる教訓歌
「汗水節」は働く喜びを歌い、社会奉仕を説く沖縄の代表的な教訓歌です。
昭和3(1929)年に八重瀬町字仲座出身の仲本稔さんが歌詞、「えんどうの花」を生み出した宮良長包さんによって作曲されました。
当時、沖縄県は昭和天皇の即位を記念した事業の一環として勤倹貯蓄の論文、民謡、童話を県民から募集するというものがありました。
琉歌をたしなんでいた仲本さんはこれに応募し、民謡の部で原稿3等に入選しました。
民謡の部では1等、2等の該当作はなく、「勤倹貯蓄の奨」が3等に当選し当時県男子師範学校の音楽教師だった宮良長包さんが「汗水節」に改題、作曲し発表されると県内各地に広まり社会教育の教材として学校や各種集会等で歌われました。蓄音機さえあまりなかった時代に口伝えに広がり当時に流行歌にもなりました。
仲本稔さんの功績を讃え、昭和58年に「汗水節記念碑建立期成会」を結成し、「汗水節の碑」が建立されました。
八重瀬町の青年会が、汗水節に合わせてエイサーを披露している動画です^_^
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一.
あしみじゆながち はたらちゅるひとぅぬ
汗水ゆ流ち 働ちゅる人ぬ
〈汗水流し働く人の〉
くくるうりしさや ゆすぬしゆみ
心嬉しさや 他所ぬ知ゆみ
〈その心の嬉しさは 働かない者は知ることがない〉
ユイヤサーサー 他所の知ゆみ
(囃子)しゅらーよー しゅらーよー 働かな
しゅらーよー しゅらーよー 働かな
二.
いちにちにぐんじゅ ひゃくにちにぐくゎん
一日に五十 百日に五貫
〈一日一厘 百日に十銭〉
まむてぃすくなるな んかしくとぅば
守て損なるな 昔言葉
〈守って忘れるな 昔の言葉〉
ユイヤーサーサー 昔言葉
(囃子)
三.
あさゆはたらちょてぃ ちみたてぃるじんや
朝夕働らちょてぃ 積み立てる銭や
〈朝から晩まで働いて 貯まっていくお金は〉
わかまちのむてい とぅしとぅとぅむに
若松の盛い 年と共に
〈あたかも若松の盛りが年を追う様だ〉
ユイヤサーサー 年と共に
(囃子)
四.
くくるわかわかとぅ あさゆはたらきば
心若々と 朝夕働きば
〈心を若くして朝から晩まで働けば〉
ぐるくじゅになてぃん はたちさらみ
五六十になても 二十歳さらみ
〈五十歳六十歳になっても二十歳のようだ〉
ユイヤサーサー 二十歳さらみ
(囃子)
五.
ゆゆるとぅしわしてぃ すだてぃたるなしぐゎ
寄ゆる年忘て 育てたる生し子
〈年を忘れて育ててきた我が子〉
てぃしみがくむんや ひるくしらし
手墨学問や 汎く知らし
〈学問を広げる者になって欲しいものだ〉
ユイヤサーサー 汎く知らし
(囃子)
六.
うまんちゅぬたみん わがたみとぅうむてぃ
御萬衆の為も 我が為と思て
〈全ての人のためも 自分のためと思って〉
むむいさみいさでぃ ちくしみしょり
百勇み勇で 尽しみしょり
〈勇気を奮って力を尽くしてください〉
ユイヤサーサー 尽くしみしょり
(囃子)
歌い継がれる曲があるって、素晴らしいですね!!
沖縄民謡でありながら、八重瀬町を代表する歌ではないでしょうか