
14時46分に宮崎でサイレンは鳴らない
テレビで見た、非現実的な出来事。あの黒く大きな激しい津波に襲われ、大切な人を失った、大切な場所が姿を変えた日。“被災地”になってしまった場所。
私はどこか遠い国の出来事に感じていたけれど、そこに自分の足で立ち、そこに暮らす人々と過ごし、3.11をその地で迎えると、考え方や意識が変わりました。
ープロジェクトページの本文より
昨日は3月11日。14時46分にゼミ室で友人と一緒に黙祷をしました。
ラジオから聞こえてくるサイレンが宮崎では鳴らないことを初めて知りました。
宮崎では、南海トラフ巨大地震が30年以内に26%以上の確立で起こるとされています。
発生すると、私が住んでいる宮崎市や実家のある都農町は、震度7の地震が起き、15m以上の津波が起こると予想されています。
2019年の5月、インターンから戻って、「コミュニティカフェやっちゃいなよ」とゼミの先生から言われた後、宮崎で地震が起こりました。私はその頃、留学生のチューター(お世話係)をやっていました。少し大きめの地震で、私も「これ大きいのがまた来るかもしれない」と、不安になっていた時に、留学生の彼女から電話がかかってきました。震える声で”scary”(怖い)と繰り返す彼女に、私は英語が全然出てこなくて、大丈夫しか言えませんでした。
日本に来て日が浅い彼女にとっては地震の時の対応はわからないし、気にかけてくれる人も頼れる人も少ない。そもそも地震というものを体験したことがない。地震から自分の身を守る術を知らないのです。
※実際のFacebookの投稿↓

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でもこれって、留学生の彼女だけですか?
宮崎に住む人の何人が、ハザードマップを見たことがありますか?自分の地域の避難場所を知っていますか?自分の家の海抜を知っていますか?家族で集まるときの場所を決めていますか?災害用伝言ダイヤル171を知っていますか?
きっと知らない人が大半じゃないでしょうか?
地震や津波といった自然災害から自分を守れるのは自分のみです。
対処方法や逃げ場所を知っていれば、もしもの時に逃げ切れる確率が格段に増します。
そして、
あなたを大切に思っている誰かを悲しませずに済むのです。
体験していなくても、みんな目で見て話を聞いて、頭では理解しているのに、実際に行動に移すのはハードルが高いですよね。
Imaでは、震災や防災といった、自分や家族だけじゃ、考える機会がなかったり、話すのにハードルが高かったりすることも、ゆるく参加できて、まじめに楽しく学んで、深く知ることができる活動をしていきます。また、それが習慣となったり、行動に移したりできるようになることを目的として行いたいと思っています。
それ以外でも、社会課題などの取っ付きにくい課題も、ゆるゆると語り合える場にできたらなと思います。
高校生の頃、ベトナムに研修に行った後の発表会で、世界を変えることができるのです、と言いました。
「意識が変わると行動が変わる。行動が変わると自分が変わる。一人一人が変わっていけば、世界を変えることができると思うのです。」と。
その意識が変わる一歩、一言、一つの経験。そのきっかけが小さな地域の小さな居場所Imaでもたらすことができると信じています。
宮崎で14時46分にサイレンは鳴らなくても、目を瞑って、大切な人や場所を思う時間にする人がいます。石巻で意識が変わった私みたいに。





